流血戦嫌いの蝶野が・・・[プロレス週刊誌MIP]
連載第2回 >>「第1回」から読む
プロレス専門誌がもたらす興奮は、残業疲れを「癒す」のか「蒸し返す」のか。毎週火曜日は、独断と偏見で最も印象に残った記事を一つ選ぶ「プロレス週刊誌MIP」の日です。第2回で選んだのは・・・
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週刊プロレスおよび週刊ゴング発売は毎週水曜、その前日・火曜に前週号を振り返っておく企画。第2回「プロレス週刊誌MIP」において選んだのは、週刊プロレスのこの記事です。
「本気の血 なぜ蝶野は目をそむけたくなるほどの大流血戦をやったのか 9・15新日本プロレス後楽園ホール 天山広吉vs蝶野正洋」 おめでとうございます!
見出しに立っている言葉は通常のレポート。終盤の「天山の流した本気の血が、客席の本気を引き出したのだ」を読み拾った時点では、スタンダードなレポート展開だと思わせた。
それが、どうだ。
・DEVILOCKとのコラボレーション興行ということもあって、場内のノリは(中略)なにをやっても盛り上がる、嫌な明るさがあった
・棚橋がマスクマンに変身するセミの試合がコラボレーションイベントの中心だったわけだが、対戦相手のひ弱さやカッコだけの試合は、お世辞にもいいとは言えなかった
・ピューッと血を噴き出しながらコブラツイストに耐える猛牛には、ものすごいテンザンコールが起きた。この日、唯一感じた本気のコールだ。
結びにいたるまでのレポートの過程には、ガチンコなくだりが並んでいる。“流血試合は嫌い”だという蝶野が大流血戦を仕掛けた・・・その想像しがいがある背景をタテに遠慮なく仮説を立てている~その想像っぷりと、表現の思い切りが突き抜けている秀逸な記事だ。
こんなことを考えてしまう。この記者は、セミまでの試合を見ていて、自分の中で盛り上がるものがないままに、このメインを迎えたのだろう。感じていた鬱積を蝶野が晴らしてくれた。その勢いのままにレポートを書き上げた。
しかし、この記事に(たとえ団体関係者であったとしても?)嫌悪感を感じないのは、観客席の描写から伝わってくる当日の会場の様子のリアルさでの書き出し、「血痕を追っていけば確実に天山までたどりつけるなぁ」という“不真面目(本人筆)”な最終文。
まるで、格闘技戦・ヒール・ルチャを一人でこなすくらいのめまぐるしい技でたたみかけられて、それでいて一本の筋が通った試合、いやレポートだった。
加えて、週刊プロレス他記事・週刊ゴングを通じてみても、この新日本プロレスの新しい試みである「ファッションブランドとのコラボ」を批判した部分は見受けられない。このイベントで感じたことを唯一ストレートに読者に伝えた記事と言えるのだ。■□
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=通算MIP獲得数 週プロが一つ目の受賞です!=
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