猪木鉄拳、上井氏涙 大阪D11・13への論調
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大阪ドームで事件視されたのは、「ハッスルポーズ騒動」「猪木、中邑への鉄拳制裁」。表出したこれらのシーンを、専門誌の記事をもとに追ってみる・・・。
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昨日の「プロレス週刊誌MIP(前週発売分より選出)」では、『週刊プロレス』のGAEAジャパン記事を選出した。だけれども、言うまでもなく同週の週プロ・ゴング両誌は、新日本プロレス大阪ドーム大会の3日後(11・17)発売。おのずと大阪ドームに話題は集中していた。
特に事件視されたのは、「ハッスルポーズ騒動」「猪木、中邑への鉄拳制裁」である。新日本プロレスはなぜああいったシーンを表出させてしまったのか。(以下、引用部分の[プ]は週プロ、[ゴ]はゴング)
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■ハッスルポーズ騒動
[プ]猪木のハッスル投入は「本隊を試した」部分が大きかったのかもしれない。担ぎ出しておきながら、肝心の試合後に姿を見せなかったことから、猪木が本当にハッスルに乗り気だったかどうかは察しがつく。猪木はハッスル投入による新日本内部の反発を見たのだ。(試合レポート)
[プ](当日のハッスル阻止を見ながら、滝のように涙をこぼした上井氏の話題)新日本に深い愛情を抱き続けてきた熱血漢の上井氏は、試合後、選手たちがハッスルポーズをするのを許したら、新日本はもう終わりだと思っていたという。それだけに、なんと試合中、人目もはばからず、観客席から「絶対にハッスルをやらせるな!」と大声で叫び続けたという。上井氏は、猪木の心情をこう理解した。「『オマエら、ここまでやられて怒らないの!? 俺がこんなプロレスを許していると思うのか!?』って問いかけてるんですよ」。(編集長の巻頭コラム)
[ゴ]猪木がハッスルを新日本に上げた以上、直接対決でその違いを示すしかない。マスコミ内では「ハッスルを上げた時点で新日本の負け」という声も出ていたほどで、極論すれば天山&棚橋は新日本の威信を背負っての闘いとなる。(中略)内容は示せても、ハッスルに破れたという事実は残った。さらにハッスルポーズを指をくわえて見ていては、拒絶してきたハッスルを容認したと受け止められかねない。成瀬は万一の有事に備えてファールカップをつけて矢面に立つなど、全員が臨戦態勢を敷いていた。(今週の焦点)
■猪木、中邑への鉄拳制裁
[プ]これまでならば、猪木の怒りには説得力があった。だが、一連のカード変更によりファンとのミゾができた分、温度差が生じた。あの猪木でさえ、最後の最後まで大阪ドームを一体とさせることができなかった現実・・・。(試合レポート)
[プ]猪木としては、そのDynamiteに新日本の選手をどんどん参戦させたいはずだった。曙も来ていたし、K-1の選手が多く訪れていた。彼らに新日本の強さというものを見せつけたかった。それがあったからこそ、試合前に中邑に「遠慮するな」と言葉を送っているのだ。(中略)新日本側の憤りは、マッチメークという名の元にブッキング料をゴソッと猪木事務所に持っていかれ、新日本の収益が理不尽にもなくなってしまうことなのだ。(ヤスカクの今週の私的な事件簿)
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少しふざけ過ぎかもしれないが、このようなシーンを想像してしまう。闘いを見せろという本心を隠しながらも、ハッスルでの高田総統ばりにコスプレするアントニオ猪木総統。葉巻を加えながら新日本に言い放つ。「新日本の諸君、盛り上げてくれや。どうだ、ハッスル軍は? よし、次は猪木モンスター軍を食らえ。ビビったか? タジろいだか? ハッハッハッ」
そんな“設定”だけで終わらないのは、今回の事件が新日本のイデオロギーに深く関わる部分であること。いや、“設定”ではない。あふれ出した新日本レスラーや関係者の本気の怒りや葛藤が、現場でその都度で生んでいくハプニングの連続。そこが“設定”レベルにとどまりがちなハッスルとの大きな違い。
だから、ついつい新日本プロレスをボクらは見てしまう。
どっちが上でどっちが下かは、レスラーやファンの見方によって違うことだとは思う。だけれども、新日本プロレス大阪ドーム大会には様々な人間ドラマがあった。猪木に「K-1勢に中邑らを売り込んで、K-1に介入したい」という意思が見えたことも含めて。
一方で、観客の入りが悪かった大阪ドーム。リング上での闘いに集中できないであろう大会に足を運ばなかったファンが多かったのもとても人間らしい判断だし、PPVで肩の力を抜いて楽しむくらいがリーズナブルに感じたファンも多かったことだろう。
TV画面からは、高額チケットを握ってリングのまわりを囲ったファンさえも「ダー」に付き合いきれていない、乗ってない様子がありありとうかがえた。それもまた、人間らしい反応ではある。
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[プ]今の新日本にとって何よりも必要なのは、チケットの売り上げ以上にファンとの信頼回復だと思う。なぜなら両者の関係は、お金だけでつながっているものとは違うからだ。(試合レポート)
[ゴ]猪木は「俺は(プロレス界からの)離陸が間近なんで、思い残すことはない」と、プロレス界に携わる時間が残り少ないことを明かした上で、こう言葉を続けている。「今回みんな故郷に帰ってきた。精神だけは誰かが継いでくれないと。今回そういう大きなテーマがあったわけで」(今週の焦点)
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生々しい人間ドラマによって、屈折した求心力を見せる新日本プロレス。どこへ向かうのか。ファンにどう向き合うことを求めているのか。そして、そのとき、猪木は何をするのか・・・。
■□T.SAKAi
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※ネットとしては古い話題でしたが、今月に入ってから休日出勤も含めて会社に行かなかった日が1日もない状態(涙)。ちょっと「考えたときに記す」ことが追いついていません。ご容赦を。
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