新日×ハッスルの化学反応
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ドームという大きな器を埋めるためには、どうしても“化学反応”頼みになるものだ。それが、ドーム時代以降の新日本プロレスの歴史ではあるのだが・・・
<ファンによる小川参戦評> ←click for blog Ranking
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大阪ドームへのロードが最終コーナーにさしかかってきたように見えた、試合3日前。新日本プロレスはけっきょく、成否のゆくえが見えない大実験へと踏み切った。
vsUインター、vs大仁田厚、vsK-1、vs全日本プロレス、vsNOAH・・・。
新日本による大実験は、常に大きな“化学反応”をもたらす可能性を持っている。ドームという大きな器を埋めるためには、どうしても“化学反応”頼みになるものだ。それが、ドーム時代以降の新日本プロレスの歴史。観客のほうにも、怖いもの見たさ、スキャンダル見たさはある。そして小川は、新日本の化学反応作戦に、おおまかに言って実に3度目の参戦となる。
vs小川直也(柔道王)、vs小川直也(暴走王)、vs小川直也(キャプテンハッスル)。
小川直也がおしすすめるハッスルは、いわばプロレスの劇場化だ。小川の真意はどこにあっても、試合内容より試合後に視線が集まる。おきまりの高田総統とのやりとり。途中で「黒いパンツのロートルによる腰振り」「コスプレ総統によるわがままなヒザ小僧」がちらつくも、披露されるにはいたらない。最後には、お茶の間を席巻している「小川直也によるハッスルポーズ」でお開き。
こうしたハッスルムーブメントを手土産にして、小川直也はやって来る。
11・13大阪ドーム決戦、小川直也・川田利明vs天山広吉・棚橋弘至。
新日本プロレスから迎え撃つのは、真夏の最強決定リーグ戦「GIクライマックス」の2トップだ。
新日本ファンは「小川のハッスルポーズ阻止」に期待している。その阻止をもって、ストロングスタイルの逆襲を示してほしいという願い。だけれども、今夏から「小川直也新日復帰論」を言ってきたボクには別の見方がある。
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本来、闘う理由に“筋”が通っていれば、プロレスであろうと総合格闘技であろうと面白いものだ。「何のために闘うのか」への納得感こそが、選手のモチベーションのすべて。筋が通っていない背景の下では、選手も観客も十分ハッスルできない。本稿では、この「選手のモチベーション、ファンの集客」を左右するほどのリアリティあるストーリーを、「ナチュラル・アングル」と勝手に名づけた次第だ。
わざわざこの言葉を出してくるのには、理由がある。小川のPRIDE準決勝進出には、「ナチュラル」とは言えないアングルも存在したからだ。プロレス興行「ハッスル」では、モンスター軍を率いる高田総統が(小川率いる)ハッスル軍を査定し、総統の判断によっては「小川をハッスル出場停止にする」ことがあるという。今回の小川のPRIDE登場は、ハッスル的世界では、「高田総統が課したハッスル出場査定試合」という設定になっている。デスラー総統のような高田延彦のコスプレによって展開されるコミカルな世界は、一部の熱狂的ファンをつくり出しつつはある。
ただ、このアングルは地上波では完全無視され、一方で、冒頭であげたような小川のナチュラル・アングルによって国民的なムーブメントをつくり出したわけだ。市民権を今後得そうにないとみる「ハッスル否定派」は、怪物・小川がハッスルに出場することを歓迎はしない。もちろん、こういう意見を小川に対して発信するのは失礼なことは重々承知。小川はかえって「うるさい! ハッスルを夢のある世界へと押し上げるんだ」と反発するだろう。
反発を覚悟で私が言いたいのは、たった一つ。「小川さん、ナチュラル・アングルのプロレス界へ戻ってきてください!」。
「小川さん、戻ってきてください!■040815小川直也VSエメリヤーエンコ・ヒョードル」より(カクトウログ記事)
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小川はそもそも「自分が期待されているスタイルで闘う」ことを身上としているプロフェッショナル。だとしたら、もっとも期待の高まるスタイルで闘うことが小川に追い風を吹かせることになる。ヒールとしての小川に観客が興奮したvs橋本真也。格闘技スタイルに打ち込んで敗れたvsヒョードル。これらの闘いの際に、小川はこのマット界で闘う醍醐味を味わったはず。
とすれば、新日レスラー勢が仕掛ける最大の化学反応は、ハッスルと新日本の直接的な化学反応だけではない。「小川よ、お前がこれから味わうべき醍醐味は、こんなストロングスタイルなんじゃないのか」という闘いを展開し、小川直也の頭の中に化学反応を起こさせるべきなのだ。
小川にハッスルポーズをさせないことが勝利ではない。最高の勝利は、次のようなハッスルを小川にさせること。
マイクを持ち、伏し目マイクで喋り始める小川。あのヒョードル戦の試合後のように・・・。
本日はありがとうございました。(天山、棚橋の方を向いて)忘れかけていたものを、今日は思い出したような気がしました。自分が黒いトランクスとレガースをつけて闘っていた頃を思い出しました。
ハッスルのしかたを、これまで少し間違っていたのかもしれません。今日の試合のことは忘れません。こんな自分ですが、今日は大切なことに気づかせてくれた新日本のマットで、ファンと一緒にハッスルさせてください。お願いします!
気に入らないことは百も承知ですが、ご協力してくださる方はご起立をお願いします。
小川直也、これからは新日本プロレスでハッスルするぞー。3、2、1、ハッスル、ハッスル!
そんなミラクルな、宝くじを買うような結末はないだろうけれど、大切なのは、それくらいの覚悟をもって天山と棚橋が小川と向き合うということ。ここにはっきりと書いておく。
試合の意味づけをするのはマッチメーカーじゃない。
あくまでも闘うレスラー本人たちである!
ハッスルと新日の化学反応なんてどうでもいい。
小川直也の“脳みそ”の中に化学反応を起こせ!
■□ T.SAKAi
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