ZST台風を観測せよ!
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五輪グス=文 「ZST信者」が増えるのを期待して、11.3『ZST GP2』(東京・お台場 Zepp Tokyo)の模様を簡潔に述べてみたい(一週間余りが経過してしまいすみません)・・・
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RINGSファン残党である私、五輪グスが、今最も注目している興行が『ZST』(※1)だ。源流を遡ると、RINGSという大河にたどり着くこの格闘空間は、格闘技マスコミから高い評価を受け、すでに一定数の「信者」も獲得している。今回はもっとその良さが広く伝わり、さらに「信者」が増えるのを期待して、11.3『ZST GP2』(東京・お台場 Zepp Tokyo)の模様を簡潔に述べてみたい(一週間余りが経過してしまい済みません)。
『ZST』は、RINGSのKOKルール(※2)に準拠したルールを採用している。寝ている相手の顔面へのパウンドや踏み付けが、禁止事項として盛り込まれ、思い切った技の攻防が生まれやすい仕組みになっているのだ。
そのため試合中、ガード・ポジションでの密着はほぼ皆無。踏み付けがないので、立っている相手の脚関節を、下から絡みつくように取りに行くシーンが頻繁に観られるのも、『ZST』ならではだ。
現在、このルールを最大限に生かし闘っているのが、所英男選手だ。試合中は常に動き続け、上からでも下からでも一本を狙っていく。腕を取れなければ、目の前にある脚に喰らいつき、脚がすっぽ抜けたら、また次の技へ移行する。“リアル回転体”と呼びたくなるような、めくるめく技の展開を披露してくれる。
今回11.3のメインはその“リアル回転体”所と、シューターの勝村だった。試合前のあおりVTRでは所選手のことを、「ここぞという時に“プチ失神”してしまう」というナレーションが流れ、笑いを誘発していた。また一方の勝村選手のことは、彼が養護施設に勤務していたのをうけて、「リアル・タイガーマスク」とのナレーションが。さらに「ルビー・モレノ似」とも。これまた会場から笑いが漏れた。
現在発売中の『REAL FIGHT!』(宝島社発行・定価880円)P114には、「試合前のあおりVTRには『得意の失神がまた見られるか?』~」と熊久保氏が書いており、『ZST』の特色として紹介している。事実、この試合前のあおりVTRは、『ZST』を楽しむ上で欠かせぬアイテムとなっているのだ。因みに以前の、試合前のあおりVTRでは、ルパン三世のオープニングを完全にパロった、一文字一文字、対戦カードが打刻されるバージョンだった。
あおりVTRで会場がすっかり“出来上がった”ところで、メインの「所VS勝村」が開始。所選手は“リアル回転体”を披露する間もなく、秒殺劇で圧勝! タックルに来た「とうもろこしのような腹筋」の勝村選手を、一瞬のうちのフロント・スリーパーで仕留めたもんだから、ZSTガールも観客も皆、口をあんぐり開けて驚くしかなかった。
その他の試合も、かなり凝縮された濃い闘いだった。そしてどの試合も当たりだった。試合そのものが、澱まず展開してゆくから、楽しめるのだ。“ZST皆勤賞”の自分が思うに、今大会は過去2年のZSTの中で、確実に5本の指に入っている。嵐のような歓喜に、身を任す心地よさを感じた興行だった。第一試合で、覆面レスラー・クラフターM(以前、別のリングネームで大阪プロレス参戦有り)も見れたし。
「観たいけど、知名度のあるスターがいないから観戦しないよ」と言うあなた! 現在の『ZST』にも、前述の所選手や魅力ある選手が多くいるので、心配ご無用と言っておこう。仮にスター不在に思ったとしても、『ZST』は自分たちによるスター発掘も可能だ。旗揚げ時は、地味に見えた所選手だが、回を重ねるに連れ、オーラを放つ実力者になっていった。これは、観客の地熱と選手自身のひたむきさが、やがてスター出現をもたらすのだ。『ZST』は観に来た人を、知らず知らずのうちに、無我夢中で応援させてしまう何かを内包している。
さあ、次大会で業界屈指の、第2代ZSTガールが見納めだ。必ずや「ZST台風」の“喜”圧を観測するべし!
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(※1)「ゼスト」と発音する。「zest」(=妙味, 趣, 強い興味, 熱情,風味。三省堂提供「EXCEED 英和辞典」)という英単語からの造語。趣向を凝らしたり、興味の的となるような闘いを目指す意味で、ネーミングされたらしい。主要開催場所は、東京・お台場『Zepp Tokyo』。女性客がやや他興行より多く、トランス系ミュージックがBGMとしてかかるなど、お洒落センスもなかなかの格闘空間だ。
(※2)KOKルール:正式名称はRINGS『KING OF KINGS』ルール。“第一次”RINGSの後期において採用されたルール。両手・両膝のついたグラウンド状態の相手に対する打撃の禁止、グラウンド状態での顔面への打撃の禁止、膠着時のブレイクと、その後のスタンドからの再開等が特徴。通常のVTルールより若干、打撃系選手に有利との声もある。打投極が回転しやすい分、スタミナ消耗が激しく、選手の中には「VTの方が楽だよ~」と嘆く人も。
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