ついに!GAEA解散真相
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毎週火曜日(1日遅れちゃいましたが)は「前週発売分」から独断と偏見で最も印象に残った記事を選ぶ「プロレス週刊誌MIP」の日です。第10回で選んだのは・・・
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「来春4月団体解散」が発表されたのは、10月3日のことであり、偶然にもその興行をボクは目撃している。黒字経営なのになぜ? そんな報道に背を向けて、解散の理由を「選手、フロントが合意に達した」程度にしか語ってこなかったGAEAジャパン。
発表から2か月弱が過ぎ、まさに“ほとぼり”が冷めた頃。先週の『週刊プロレス』にて、解散の理由が明かされた。記事担当記者が週プロ愛モードで「(長与、飛鳥)大物2人の引退、クラッシュ封印、さらにGAEAが解散に至った経緯が初めて語られるということで、編集部も6ページという大盤振る舞いをしてくれた」と語っているように、スクープと言ってよい内容だろう。
特に、GAEA解散理由に触れた部分を抜粋してみる。
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・昨年末、長与から翌年(2004年)の年末あたりに引退したいという意向が伝えられる。
・一期生以降にデビューした選手とフロントの間で、長与引退後の運営方針が話し合われる。
・その場で複数の選手が、10周年記念大会(2004年4月)をメドに退団&フリー活動移行の意思を表明。
・その選手が誰だったかは、誰かが悪者にされるのは本意ではなく、明かしたくない。
・長与が引退する上に何人かの選手の退団、シュガー佐藤結婚、加藤園子長期欠場、各選手のコンディション問題、林ひとみ引退が加わる。
・他団体やフリーの選手が出場選手の大半を占めるようになってまで、GAEAを名乗る意味があるのか? 看板さえ挙げ続けていれば団体なのか? という意見が大勢に。
・2004年4月30日の代々木大会後のミーティングにて、選手・フロント全員が「2005年4月の10周年記念大会での解散」に合意。
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週プロ記事全体は「長与&飛鳥インタビュー」という面構えで組まれているが、この解散の真相に迫る部分だけ、記事はより客観性を帯びた書き方・構成になっていた。週プロはインタビュー後にフロントや選手複数に追加取材。立場によって微妙に異なるニュアンスを整理したうえで、上記のプロセスを記事にしている。
その記事の組み方から、この問題を慎重に扱おうとする週プロの意思がうかがえた。しかも、このカラー6ページの記事には、センセーショナルなキャッチコピーが小見出しを含めて一切付いていない。インタビュー全体は「笑顔~大きな終わりの前に」とタイトルがあり、パラパラとめくっていくだけでは解散真相に触れられているテンションが見受けられない。
スクープなのに、スクープ然としない構成。ここに何が・・・。
GAEAジャパン。「おチビちゃん」とも呼ばれたGAEA生え抜きの選手たちが、既存団体での試合経験のあるベテラン勢に挑んでいく。この図式がGAEAジャパンの出発点だったように思う。誰と誰がくっついて、誰と誰が離れようとも、当初はどんな軍団抗争にも「おチビちゃんたちが先輩に挑んでいく」姿がはっきりとあった。
里村明衣子がアジャ・コングに挑んでいくとき、観客は本気で里村を応援し、アジャを憎んだ。興奮した女性ファンはアジャに対して「黙れ」と叫び、アジャも観客に対して罵り返す。そんなことは日常茶飯事だった。広い会場でも、狭い会場でも。
ところがいつしか、闘いの図式の中にベテラン勢が絡んでいく比重が増していく。「おチビちゃんの天下取りストーリー」は混迷、逆に天下から遠くなる一方のように思えた。しかも、女子プロレスでは随一の身体の“当たり”の強い攻防が続くファイト・スタイル。負傷者・欠場者も相次ぐ。
ファンはうすうす気づいていたのだ。GAEAがGAEAでなくなっている様子を。確かに解散発表の後楽園ホールでは「やだ!」という声も会場を横切った。一方で「ついにこのときが」と思ったファンも多いのではなかったか。
そんなことを考えていたボクは、今回の記事のトーンはちょうどよかった。ずっと見ているファンが見ればよい記事だったのだ。センセーショナルでも何でもない。スクープであってスクープではない。その理由のちょっとした確認作業ができればよい。もちろん大切な確認作業ではあるけれど、派手に扱うほどのものは何もない。
確認作業で得られたこと。それは、ファンが考えていたことをフロントや選手も思っていたということ。解散の理由を確認しようとしたら、「やっぱりGAEAはGAEAだった」と安心させてもらえた。週プロの記事は、そう感じさせる記事。
長与は語る。
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団体として在るべき姿が維持できないと考えた時、解散という結論を出したウチは、とてもいさぎいいと思う。ファンの人には申し訳ないけどね。ただ10年やってきて、けっこう大きなものは残せたと思うよ。それは自負している。
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かつてリングス解散興行で、高阪剛は「これからもボクが上がるところがリングスです!」とマイクアピールした。現時点で元「おチビちゃん」たちからの主張はとどかないだけに、彼女らがGAEAをどう背負っていくかは見えない。だけれども、ファンの中には長与の言うようにしっかり“残っている”ものはある。
プロレスの不思議なところは、スピリットのあるところに声援が集まり、団体の規模を乗り越えていくムーブメントが起こること。GAEAが終わった後に、ファンは新GAEAの始まりを期待していくのだ。さらに“いさぎいい”選択肢は、団体とは何かを考えさせるきっかけにもなっていく。
・・・気がつけば、この連載も第10回。10周年目前のGAEAを扱ったのは運命か。発売日前日に前週号を振り返っておく企画。第10回「プロレス週刊誌MIP」において選んだのは、週刊プロレス1233号(12/1号)のこの記事です。
「長与千種&ライオネス飛鳥インタビュー 笑顔~大きな終わりの前に」おめでとうございます!
=通算MIP獲得数 週プロが星5つ目の受賞です!=
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■□T.SAKAi
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