大谷晋二郎と長州力の関係
pick up 天山の3冠姿は悪夢の中で┃カクトウログ番付┃GAEAエキセントリックもファイナル┃桜庭、シウバ攻略に自信:angle-jさん┃Dynamite!カード先出し:burning-sさん┃パンクラス女子部門
毎週火曜日は「前週発売分」から独断と偏見で最も印象に残った記事を選ぶ「プロレス週刊誌MIP」の日です。
第11回で選んだのは?
* * *
「プロレス週刊誌MIP」は、発売日前日に前週号を振り返っておく企画。したがって、『週刊プロレス』1234号(12/8号)と『週刊ゴング』1049号(12/8号)が本日の対決。
新日本プロレス情報に精通し、新日本プロレス中継『ワールドプロレスリング』の解説もときどき務めている安田拡了記者。彼の連載「ヤスカクの今週の事件簿」(週プロ)には、こんな記事が。
##
大谷への謝罪劇でわかった長州力の生の姿
なんと大谷に「これからヨロシクお願いします」とペコリと頭を下げた。誰もがウソだろ!と思った。一気に興味シンシン。長州力はこれから、どんなふうになっていくんだ!?
・ZERO-ONE11・13大阪大会後、長州が「申し訳ない。お前の言うとおりだ。悪かった。俺のせいだ。ごめん」と大谷に謝罪(vs新日本をゼロワンに持ち込もうとした長州に、個人的な闘いを持ち込むなと大谷が拒否したことで)。
・長州力は5・27後楽園で、リング設営を手伝う姿の撮影を許可。明らかにWJを経て生き方が変わってきていた。
・現在長州は請われるままにさまざまなイベント(講演会など)をこなす。収入はすべてリキプロに入れて、長州の収入はプロレスのリングに上がった試合だけ。
・自分を生かすより、人を生かす長州の生の姿に興味が尽きない。
##
一方、『ワールドプロレスリング』解説と言えば、この人も負けていない。始まったばかりの連載「疾風怒濤!GK激場」(ゴング)で、金沢克彦プロデューサーがこんな記事を。
##
GKの懺悔と謝罪の意を大谷劇場に捧ぐ
晋二郎は高杉晋作終焉の地に何を見た?
・1995年6月、岡山で大谷(当時新日本)が、IWGPジュニア王者・サブゥーとシングル。全く噛み合わないまま敗戦した大谷「パンチとイスと机だけ。IWGPを馬鹿にするな」。
・金沢氏は「大谷のコメントを利用するという卑怯な手段」でサブゥーのふがいなさをリポート。長州(当時新日本現場監督)は大谷に「チャンピオンを否定したら、オマエ自身を否定するも同然だろ」と激高&説教。
・2000年8月、長州と大谷、決定的な衝突。いったん和解するも、新団体(現ZERO-ONE)旗揚げに向かって動き始めた橋本真也が「一番欲しい男」として大谷に声をかける。2001年には大谷が移籍を決意。
・袂を分かった(設立者・橋本がゼロワン退団)今も大谷は橋本について「やっぱりあの人を嫌いにはなれない」と、大好きな新日本を辞めてまでついていった男についてコメント。
・奇しくも、他団体で大谷の最大の理解者が長州。大谷が新日本からゼロワンへ走る一つの要因だった長州とは皮肉な運命。大谷「今はもう別人。俺はゼロワン潰したくないんだって言ってくれた」。
・大谷「必ず新日本に上がるという気持ちを、一度完全に打ち消させてもらいます。その夢よりも大切なもの・・・ゼロワンに集ってくれた連中がいる。苦労なんて思ってない、凄い楽しいから!」
##
偶然にもボクの中でリンクしていった、週プロとゴングの記事。大谷晋二郎と長州力の関係。かつて、長州が仕切っていた団体にいた大谷。いま、大谷が仕切っている団体に参加する長州。逆転しているといってもいい立場。
長州はWJ設立で間違いなく「長州流ど真ん中をやれば、ファンはWJになびく」と思っていた。ところが、ファンはついてこなかった(2004年8月に消滅、一部選手でリキプロダクション設立へ)。こういうことではないか。長州一派で団体設立しても、そこにはぶつかり合いを感じられない。第2次UWF(従来プロレスとは一線を引いて、1988年に設立された総合格闘技のパイオニア的存在)であれば「格闘技ルール導入で“本当にぶつかりあえる場”を選手は得た」という納得感があった。
そこに「闘う意味合い」を見出せない限り、ファンは感情移入できない。
長州力は自分についてきてくれたレスラーを生かせず、WJを崩壊させてしまった。そして目の前に、自団体崩壊寸前でも踏ん張ろうとする大谷がいる。いや、もしかしたら長州にとって、新日本さえも「崩壊寸前」に見えるのかもしれない。かつての自分の城、自分の弟子たちが奮闘しながらも、堕ちていくのを見るに耐えないということなのか。
そして、ZERO-ONEにも、新日本にも、ハッスルにも上がる長州力。どの団体にも気を使い、しかし、試合ではド迫力ぶりをくずさない。長州力は「変わった」のか、「辿り着いた」のか。いや、もうハッスルポーズをやってもかまわない(まだやってないけど)し、大谷に頭を下げてもかまわない。とっくに峠を越えた自分は、もうリング上できっちりと長州力を魅せられればいいんですよ。そんなところまで、長州力はやってきているように思える。
あっ、前田日明ファンのボクなのに、長州についてこんなに書いてしまった。
今回、週プロとゴングの記事によって、大谷と長州は自分たちの関係を満天下にさらし、それでもなお、いったん走り始めた路線にこだわりを持って前に進もうとしている。はっきり言って厳しい。闘いの必然性はどこにあるのか、プロレス団体は仲良しレスラー集団であってはいけないと思う。この乗り切れないファンの気持ちを、ぜひ大谷には覆して欲しいのだが!
それほどに、新日本プロレス分裂(蝶野正洋・新日本、武藤敬司・全日本、橋本真也・ゼロワン、長州力・WJで“新日本が4つになった”と一時言われた)の歪みは、どこまでも止まらない・・・。
さて。週刊誌MIP、決着をつけねば。『ワールドプロレスリング』解説者対決を制したのは、やはりこの方。抜群のレスラーとの信頼関係と積み上げた取材により書かれた金沢克彦氏の記事に星を。
第11回「プロレス週刊誌MIP」において選んだのは、週刊ゴング1049号(12/8号)のこの記事です。
「疾風怒濤!GK激場~GKの懺悔と謝罪の意を大谷劇場に捧ぐ 晋二郎は高杉晋作終焉の地に何を見た?~」
おめでとうございます!
=通算MIP獲得数 ゴングが星6つ目の受賞です!=
週刊プロレス >>> ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
週刊ゴング >>> ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
■□選定=T.SAKAi
[他のプロレス専門ブログサイトも読む] blog Ranking NEW!
= 事実誤認・誤字指摘メール =
左サイドバーのココログマーク下から直通メール→大変助かります。
カクトウログへの苦情やご希望もお寄せください。
===========================
[カクトウログ■TOPページに戻る▲]