キャプチュード流れた! 12・23新日後楽園ホール観戦記
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11・22(月)は8~9割の入りだったが、この日は超満員(主催者発表1,732人)。休日という日程も客入りに大きく影響する。「若手がベテランに挑む」図式が恒例となっている特別興行「夢☆勝ちます」が今年も行われ、外敵がいない新日本の闘いが繰り広げられた。
いわば、本当に新日本プロレスが好きなファンが集まって行われた“シークレット・ライブ”ばりの興行。最後に登場したのは、元リングスの2人(成瀬&長井)。
■第7試合(60分1本勝負)■
アジアタッグ選手権試合
○成瀬昌由&長井満也
(23分32秒、ナルセロック)
×垣原賢人&飯塚高史
全日本プロレス管理下のベルトのタイトルマッチ。両チームの選手紹介の最後での「レフェリー、和田京平(全日本レフェリー)」のコールには、新日ファンも一斉に「キョーへー!」。
リングス時代から通算で、この2人には13年の絆があるという。だけれども、両者の主張は微妙に食い違う。成瀬はあくまでもルール遵守で闘おうとし、長井がコーナーに相手を引っ張ってきても攻撃を加えることを拒否。そこに長井が「こうやるんだよぉ!」と叫びながら、顔面かきみしり攻撃。
反則攻撃といえば、いま“平成の上田馬之助”として活躍する矢野通と成瀬は仲がいいようだ。ところが、成瀬のファイトは正統派で、むしろ長井のほうが“盛り上げるためには何でもやる”というスタンスか。そんな長井は今夏のGI神戸大会の第一試合で、矢野の反則殺法を引き出しながら、埋まりきってない観客席をあたためようと必死で声を出していた。
成瀬は真壁刀義と新日革命を起こしたい意向があるが、長井とはまたちょっとスタンスが違う。とはいえ、成瀬と長井はリングス出身という共通点がある。
そして長井は、この日の対戦相手の飯塚高史をコーナーに詰めてのキック攻撃でかつて長期欠場に追い込んだことがある。
垣原はUWFインターナショナル出身で、同団体はリングスのライバル団体だった。この試合で新日本生え抜きは飯塚のみ。
東スポによると、長井は試合前に「アイツら(飯塚&垣原)は地味で地味でしょうがない。唯一光っているのは垣原の頭だけ」と発言していたようだ。
テーマがあるようでないような試合。
この試合がよかったのかどうかは、一緒に観戦した中での初観戦の女性のひとことがけっこう的を射ていた。いわく「最後の試合どうでした? 起承転結がなかったような気がしたんですけれど」。
※新日本は場内デジタルカメラ・携帯カメラ禁止のため、フィルム付きカメラでとったものをスキャニングしています。
これには「そうだねぇ」としかボクも答えようがなかったけれども、成瀬が途中で前田の得意技キャプチュードを披露するなど、リングス勢としてのこだわりや意地は見せようとしたと思う。自らブログを運営している成瀬も、U系出身者らしからぬ反則織り交ぜての攻撃を身につけた長井も、盛り上げたいという気持ちから、できることは精一杯やろうとした。変にカッコつけるよりも、よっぽどいい。もちろん一つ一つの技は強烈にきまっていく。メーンとしての重厚さはあった。
「今日はな、みんなにクリスマスプレゼントがあるんだ。(若手に)例のものを(持ってきて)」
若手が持ってきたのは、“魅惑のスパンコール着流し”。流れ始めたマツケンサンバに合わせてステップを踏む。なんともストロングスタイルを掲げる新日本らしからぬメーンイベントのエンディングだった。“シークレット・ライブ”であるならば普段できないことをやろうよ!ってことを、2人が買って出たということだろうか。リングスでのファイティングスタイルの一端を見せるのかと思いきや、前田日明(この日は徳島でのイベントに参加)ばりの“トンパチ”な部分を最後に持ってきたと勝手に解釈してみる(笑)。
メーンイベントで、ボクがいちばん気持ちが高ぶったのは、実はこのシーン。
多くのファンにとっては聞き流してしまったかもしれないが、メーン・イベント成瀬&長井の入場時に聞こえてきたのは「キャプチュード」。言うまでもなく、リングス創始者・前田日明のテーマである。「キャプチュード」は“さわり”だけが流れて、成瀬のテーマ「ultra soul」へと移行。手拍子が起こる。
かつて通った道には、戻れそうで戻れない。成瀬も長井も自分の役割を見つけようとしている途中で、2004新日本プロレス最終興行のメーンをまかせられた。思えば遠くに来たものだけれども、その中でできるだけのことをやった2人の夢☆勝ち。成瀬&長井のアジアタッグ王者チームは、これからどこへ行く?
■□ T.SAKAi
[次はファンの最新話題をチェック] blog Ranking NEW!
□ 新日本公式HP:成瀬&長井vs垣原&飯塚試合経過
□ 初☆防衛成功♪
┗「思った以上に俺と長井さんのダンスがシンクロしたので、踊っていた俺が一番ビックリしたかも知れなかったです♪」成瀬昌由の自由人ブログより
追記 12・23新日年内最終興行のマツケンサンバに対抗?
□ 12・24NOAH年内最終興行は「コバケンサンバ」
┗スポナビより。なんだか紅白歌合戦に向けて盛り上がって?ます
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