安生カミングアウト 人格破壊前の自分に戻りたい!
pick up 1・4全カード┃桜庭欠場会見/欠場までの経過┃武蔵vs健介に北斗「待った」┃小川の大晦日は再放送?→シウバ戦あり?(強引)┃日刊MVPは小橋┃スポナビMIPは小川┃GAEA福袋「選手と○○する」権利┃ジョシュ「UWFは死なない!」┃写真名鑑&柴田勝頼インタビュー(欠場理由など告白)週プロ12/28(火)発売
先日「安生vsグレイシー10年前の系譜」について記し、その後もメディアを追うと、安生vsグレイシーの話題が向こうから飛び込んでくる。今日は『SRS特別番組』と『紙のプロレス』から・・・
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24日深夜に放映された『SRSクリスマスどうなる男祭り大討論スペシャル!』(フジテレビ系)。主要試合が語られていく中で桜庭和志の試合のみが一切触れられず、「桜庭、欠場か」とファンは心配。だが、本当に・・・。
桜庭和志が無念の欠場。しかし、桜庭を育てたこの男は、今回ばかりはそんな感傷に浸ることはできないだろう。大晦日男祭り「SADAME」でハイアン・グレイシーとの対戦が決まった安生洋二。
番組の中で展開された安生洋二vsハイアン・グレイシーの話題から、一部を取り上げてみる。
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これは、プライドの紀元前、旧約聖書の物語である。1994年、安生によって行われた「ヒクソン・グレイシー参戦」の交渉は決裂。道場内での雰囲気は殺伐となり、そのまま道場破り。破れた安生はプロレス界でA級戦犯扱いされた。
それから3年。1997年10年11日の「PRIDE.1」。高田延彦vsヒクソン・グレイシーで、PRIDE誕生。
安生が口を開く。「言葉では言い表せなかった。あの場(高田のセコンド)には絶対いられないはずの人間ですから。そういう気持ちも押し殺しながら、経験上、できることがあるのかなという思いと・・・いろんな想いが交錯して。(高田の敗北について)本当に申し訳なくて、自分が防波堤になれなかった情けなさがあったんで。」
そして。「格闘技の選手としては、ものすっごいストイックな方向性(格闘技志向の選手)だったんですけれども、一転おちゃらけキャラにならざるを得ないくらいの人格破壊があそこで起きましてね。だから、10年前の自分にもう一度戻れるチャンスなのかなと。そういう気持ちありますね。」
安生洋二の道場破りビデオの話題へ。
布施氏「2回見ました」。
榊原DSE社長「ヒクソンの自宅で見た。『このビデオ買わない?』 とヒクソンにとんでもない金額を提示されて『いらない』と答えた。もうここで死ぬかもしれないという顔を安生はしていた。まさにPRIDEの種がまかれた」。
ターザン山本!「このカードをもってきたこと自体がPRIDEの勢いというか、時間軸で物事の再現をした、本当のMVPはこれですよぉ~。10年間の我々の血の結晶、記憶の結晶ですよ!」
榊原社長「PRIDEを最初から~紀元前から見続けてくれた人にとっては、それを振り返ることになると思います」。
番組「これぞ、SADAMEの中のSADAME!」
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ボクはてっきり、安生自身のキャラクターを新日本プロレスで開花させたのが「ゴールデンカップス」「200%男」だと思っていた。ハッスルでの「アン・ジョー司令長官」もそう。だけれども、事実は違うところにあった。
パンツを二度クロアチアに忘れた男(ミルコ・クロコップ)は、(2004年に敗戦を喫した)ケビン・ランデルマンとの大晦日の戦いを「忘れ物を取りにいく」と表現した。だけれども、安生の「忘れ物」はもっと遠くに離れたところにあり、ずっしりと気持ちが詰まった青春そのもの。
A級戦犯呼ばわりされたことで「格闘家・レスラー人生」の小さくない割合を棒に振った安生。彼がカミングアウトして臨もうとする試合が、vsハイアン・グレイシーだったのだ。
こんどは桜庭が表紙になった『紙のプロレスRADICAL』82号(1/25号)。8ページに渡って安生のインタビューが載っている(桜庭インタビューもあり。桜庭欠場が決まったいまでも表紙の言葉には考えさせられる・・・)。
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すべてはあの日から始まった! 今、再びグレイシーとのSADAMEの一戦に挑む! 安生、お前は男になれ!
・あの試合って、当時の“プロレス内異種格闘技戦”とは異なる、少なくともUWFやプロレス興行では初めてでしたよね?という問いに安生「U内ではそうかもしれないですね。いゃあ、こんな話してていいのかなぁ(苦笑)。今の時代は何でもありですねぇ」。
・(道場破りから)1年間くらいの記憶ってホントによく覚えてないんですよ。精神的にやばくて別人格になるしかなかった。ゴールデンカップスになって、明るく振る舞って、開き直らなきゃリングに上がれなかった。
この他、次のような話題が盛りだくさん。読みごたえあり!
・今語られる道場破りの真実。そして、決行の時間は週刊誌の○○○○で決められた!
・道場内で起きた事実と、負ったダメージは?
・高田vsヒクソン・グレイシー第1戦でセコンドに指名されたときのこと
・現在どんなトレーニングをやっているのか
・vsハイアン・グレイシーへの意気込みと決意
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ここでのインタビュー、さきほどのSRSが“さわり”と位置づけられるほど、確認できる事実が豊富で、なかなか濃い内容だ。
1989年東京ドームで開催された『U-COSMOS』の中での鈴木みのるvsモーリス・スミス、安生洋二vsチャンプア・ゲッソンリット。既にさまざまな書籍などで語られている通り、この2試合は“プロレス特有の必要悪がなかった”試合として取り上げられるようになった。
それを確認しようとするインタビューアーにどう返事をするか。ここにはプロレスラーとしてのスタンスを要求されるが、語ることを“プロレス側の人間”としてためらった安生は素直である。
プロレスから総合格闘技への移行が模索される中で、いち早く“総合格闘技”を先取りして“ひとりPRIDE”した安生。その生き方から、対グレイシーに当然のように担ぎ上げられた。高田に狂わされた運命とも言えるが、安生は高田に「申し訳ない」という気持ちを持ち続けている。ここのところは、元の人格が続いているとも言えるだろう。
大晦日、安生洋二vsハイアン・グレイシー。最後にさきほどのSRS特別番組から、プロの展望を。
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布施氏「長期戦になったら、安生に十分勝機はある。ハイアンはスタミナがない方だし、ムラっけがありますから。勝負を捨てるときは思いっきり捨てますから。まだハイアン戦のことを知らなかったときに、安生選手に偶然会ったんですよ。藤原ジムっていうキックボクシングジムから出てきて、すごいいい顔をしていた。『何やってんの?』って聞くと『練習してるんですよ』って。言ったときの顔がすごいよかった」。
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安生は、男祭りで男になれるか。そして、あまりに重い「忘れ物」を取り戻せるのか。大晦日まで、1週間!
■□ T.SAKAi
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