1・4と1・8をTV観戦
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個人的にとにかくこの3連休、毎日会社に足を運ぶほど仕事が立て込んでいる。暦どおりにはちっとも休めない。だけれども、せめて観戦記を書いた「1・4」と「1・8」くらいは録画でも確認したいと思い、テレビの前に座る。
1・4新日本プロレス東京ドーム大会(基本的にメーンイベントの中邑真輔vs棚橋弘至のみをピックアップ)と、1・8NOAH日本武道館大会を順番に観た。
新日本の中継『ワールド・プロレスリング』(1・4深夜放送分/テレビ朝日)は、高山善廣(フリー=高山堂)と武蔵(K-1)をゲストに迎えた解説席。新春の特別感を醸し出し、期待が高まる。だけれども、聞いている質問がいただけない。「今日のアルティメット・ロワイヤルはどんな試合になると思いますか?」「格闘技でバトルロイヤルで闘うことなんてないですよね?」このような質問を浴びせて、高山や武蔵がどう答えようというのか。武蔵は困って半笑いしているほど・・・。
高山がかろうじて「道場でのスパーリングでも、複数の闘いで頭をぶつけそうになりますから、注意しないと、といったところでしょうかね」と武蔵に振ろうとする。これが精一杯の見解らしきもの。高山に大人を感じた。闘魂祭りオープニングということで、実況および解説陣と闘魂ガールズが一斉に「イチ、ニッ、サン~」と声を合わせて猪木の掛け声ダーをやろうとする。高山はここで付き合い「なんだよ、高山もやるのかよ」と視聴者に思わせておいて、ひとりムリヤリ「ノーフィアー」。
中邑vs棚橋。この試合、実況アナウンサーが技を言うときのミスが目立った。その都度、高山が「うんざり」口調で指摘する。腕十字で棚橋を仕留めた中邑は、リング上で喜びを爆発。すると画面にはスーパーで「このあと発表、格闘ロマン1位」と出る。この日の番組を通じて発表してきた新日本の過去の格闘技戦を、ランキング形式で発表しているわけだ。それをメーンの後ろに持ってくる番組構成。
視聴率を上げるための工夫なんだろうけど、この構成は以前にもあったし、ちょっと・・・。本領を発揮できない解説陣、技の名前のミスが多い実況、“格闘ロマン”至上主義の構成。それが重なったことで、何とも闘いに想い入れが持てない。せっかくの拡大枠が、もったいない限り。
メーンの試合後のセレモニーやインタビューも一切放映がない。テレビ朝日や新日本は、本当に新・闘魂三銃士で勝負したいのか。ガッカリした中で、こんどはNOAHの録画(1・9深夜放送分/日本テレビ)へと進む。
余計なものがない番組。時間が短い事情もあるが、小橋建太vs鈴木みのるで真っ向勝負。こちらも、解説は高山。足に地が付いたしっかりとした実況に呼応して、高山もいいタイミングでコメントを出す。ボクが「これは若き日の猪木の構えに似ている」と書いた小橋の試合開始時のポーズ。これを高山は、「オレが持っていたプロマイドの馬場さんのポーズ」と評した。フィニッシュ前にバックドロップを連発していく小橋。「もう右腕が使えないから、ハーフネルソンを使えないんだよ。だから鈴木の腕を借りてバックドロップに行っているわけ」などと、試合の説得力を盛り立てる。
なんだか新日ファンとして悔しいぞ。これが、NOAHの勢いというものか。
では、肝心の試合内容はどうだったのか。小橋vs鈴木。鈴木がチョップをかわすスピード感、腕十字を変幻自在に仕掛ける身のこなし、技から技へつないでいく展開。オーバーアクションなところはあったけれども、それも含めて見せつけて盛り上げることができていた。さすが、このあたりは2004プロレス大賞で技能賞を取った本領発揮か。
小橋も、打撃の打ち込みが半端じゃない。一発一発の重みも、そして数も。こういった動きはマニアにも一般視聴者にもしっかり伝わる。
こんな比較が成立するかはわからないけれど、「小橋vs鈴木」が「中邑vs棚橋」を上回って面白く感じた理由を、考えてみる。
打撃合戦。これは試合によっては「安易な盛り上げ」とファンに取られることもある。特に張り手合戦は派手な音を放つから、なおさらだ。それを裏読みしてか、中邑も棚橋も音のしない膝蹴りやエルボー主体の打撃合戦をピンポイントで繰り広げた。打撃の入り方はかなりキツイものであったが(一部の張り手を除く)、なかなかドームにも視聴者にも伝わりづらかったか。
そのこと自体が主張の一つなんだろうけれど、特に強い因縁がない中邑と棚橋だからこそ、相手を倒す意気込みを示す機会を自分たちで奪った格好となった。
ポイントごとに使う技の威力。すべてとは言わないけれども、観客が盛り上がってきたところで仕掛ける中邑のタックル(スピアー)やボム系の技は、こだわりがある入り方をする分だけ当たりが弱い。こういった「自分たちだからできるスタイル、闘い」にこだわったことが、少しずつ試合を観客にわかりにくいものにさせていた。これが2人の“発展途上”な部分だと生意気ながらボクは思った。
そんなところを除くと、中邑vs棚橋には正直言って、かなり見ごたえのある攻防が多かった。総合格闘技の動きをプロレスに取り入れることでオリジナルを確立しようとしている中邑。そういったレスラーとしては、藤田和之やケンドー・カ・シンがそこそこいいところを行ってる。あとは打撃の出し方やポイントで繰り出す技に説得力があれば、かなり完成していくんじゃないか。
中邑のことばかり書いてしまったが、棚橋もドラゴン殺法を軸にスタイルを構築しようとしている。
第1回GIクライマックス(1991年)で武藤敬司を仕留めた蝶野正洋の技は、パワーボム。あのとき、蝶野がふだんのオリジナルスタイルでは使わない、かつ万人が使って威力がある正調パワーボムを使ったからこそ、説得力が生まれた。オリジナルなところと、そうではないところを闘いの中で使い分ける必要があるプロレス。本当に難しい。
だけれども、今回メーンを張った中邑と棚橋の2人には、胸を張ってプロレスの壁に挑み続けてほしい。そう思わせるボリュームは、1・4の試合に十分にあった。
■□T.SAKAi
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