柴田勝頼の攻めと思い切り
pick up 1・4ロワイヤル出場選手およびルール┃スタートは永田vsウォーターマンか┃1・4全対戦カード┃リック・フレアーの息子デビッドと武藤がタッグを組んだ
毎週火曜日は「前週発売分」から独断と偏見で最も印象に残った記事を選ぶ「プロレス週刊誌MIP」の日です。第16回で選んだのは・・・
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「プロレス週刊誌MIP」は、発売日前日に前週号を振り返っておく企画。したがって、『週刊プロレス』1239号(1/12号)と『週刊ゴング』1054号(1/12号)が本日の対決。
今週は両誌とも大上段に構えた企画の中身がもうひとつだったように感じた。週プロの巻頭の天山広吉・棚橋弘至・中邑真輔対談では、「攻めの新日本」宣言の“攻め”の中身が抽象的すぎた。ゴング巻頭の大晦日格闘技観戦ガイドでは、専門家の見解をこれでもかと並べながらも記事に“思い切り”がない。
どうしてしまったんだろう、両誌とも。プロレスを間近で見続けている記者なら、どう期待させてどういった読後感をもってもらうか、そこんところ組み立てて記事にしてほしい。お願いします!(こんなことを言ったり、このコーナー自体を続けていたりするのは、もちろん勝手に期待しているから)
そんな中、取材対象であるレスラーが踏ん張っていたので、そのコメントを紹介したい。
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週プロ 柴田勝頼インタビュー
※冒頭で欠場理由、また途中でNOAHの印象が語られています(省略)。興味のある方はご購入・お取り寄せを。
・ 新日本のこの1年は「オモチャの兵隊」。一歩一歩前進して、最後は共倒れ、みたいな(苦笑)。
・ 新日本だけがプロレスだと思ってた。全日本系はキライだった。でも(川田と)闘ってみて、「やってみないとわからない」と。新日本らしい闘いができた。なら、ほかの人はどうなんだ?
・ (かつての)新日本の最低ラインがなくなった。だったら「オレは新日本」ってより「オレは柴田だ」って感覚。
・ ボクはブラック・ニュージャパンなのかな? 蝶野さんはリスペクトしているけど、ほかは「なんでその人たちと括られなきゃなんないの?」って感覚。ブラック~が出てきてから、すごい冷めてますね。
・ 新日本は外敵を使わないって宣言して、どうやって新日本というものを見せていくんだろうと思いますけど。
・ ボクが(今回の欠場で)考え方変わった部分で、ただ怒っていればいいってわけじゃないと。(前回)復帰したときの怒っていただけの自分が恥ずかしい。いまは殺気はそのままで、なおかつ相手をどう怒らせようとか、予定調和をどう崩そうかとか。
・ ボクは闘う相手を怒らせてはじめて怒りというものがパワーになって闘いが生まれると思っている。
・ (2005年は)筋道を通して己の道をまっすぐ突き進む。ただ、レスラーとしての幅は広げる。はじめからすべてを否定はしない。ボクの中ではすごい進歩。
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2004年12月の一連の新日本隊vs外敵の闘い(特に大阪・名古屋大会)は、「うまいプロレス」「頑張るプロレス」「マラソンプロレス」だった。満足したかと聞かれれば、満足したと答えられる試合。
だけれども、それが「新日本らしかったか」と聞かれたら、そうではなかった。11・3柴田vs川田利明で観たような“予定調和崩し”が見たくなる。この試合で柴田自身が感じた新日本らしさがほしくなる。
大阪・名古屋大会は欠場していた柴田。やはり新・闘魂三銃士(棚橋・中邑・柴田)は本家・闘魂三銃士(蝶野・橋本真也・武藤敬司)と同様に、3人でバランスを補い合っている。
その柴田は武蔵(K-1)、天龍源一郎、藤田和之、川田と外敵と対戦し続けた2004年だった。ゴングで注目したのは、その新日本常連外敵である鈴木みのるのコメント。
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ゴング 鈴木みのるvsターザン山本!vs金沢克彦対談
・ (山本氏と金沢氏の「自分だったら鈴木をMVPにした、殊勲賞にした」云々発言合戦に)眠くなってきちゃったよ、何言ってんだ。くだらねぇ。別に俺は何賞をもらおうと関係ない。俺の中ではMVPから新人賞まで何から何まで俺。
・ ファンからしたら、自分の町で見たメインエベントが最高の試合で、握手してくれた選手が最高の選手で、目をつけた若手が最高の新人。プロレス大賞が全てだって考え方はない。僕は試合を見せて感想を持って帰ってもらうことが仕事であって、年末や年始に賞を取るのは俺の仕事じゃないから。
・ (20年近く前の名古屋大会、アントニオ猪木との第1試合で猪木に張り手をした件で)だって、しなきゃ損じゃん。リングに上がったら親でも殺せって教えを受けて、目の前に出てきて勝ったらスターだっていったら、殴っちゃう。それが一番ですよ。
・ 闘うチャンスをもらったってことは、勝つチャンスをもらったんですよ。だったらやらないと。
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うーん、どちらのインタビュー記事も、限られた行数でピックアップしたら魅力激減。ぜひ、実物をご覧ください。
新聞紙上で2004プロレス大賞MVPの小橋建太を「俺はあの人みたいに賞を目標に闘ってはいない」と痛烈批判した鈴木。いよいよ1・8日本武道館では、小橋vs鈴木の一騎打ちが実現する。
鈴木が小橋に挑んでいく図式は、両者の線の太さの違いから、柴田が川田に挑んでいくそれに似ている。とすれば、鈴木は「小橋がこれまで見せなかった何か」を引き出してくれる可能性がある。
それはNOAHらしさではない気がするのだけれど、どうNOAHらしくないのか、見当がつかない。そんな楽しみがあるのだ。猪木と向かいあったときと同様に「小橋に勝つチャンス」をもらった鈴木。小橋に何を仕掛ける?
というわけで、注目した週プロとゴングの記事。巻頭記事で足りなかったのは、“攻め”と“思い切り”。補ったのは、この2人だった。
甲乙つけがたいが、発言の新鮮さと、巻頭3選手(天山・棚橋・中邑)に大差をつけての面白さを感じさせてくれた柴田に、今回は星をつけることに決めた。選んだのは、こちらの記事。
「欠場中の柴田勝頼を直撃インタビュー~怒りより幅広く」
おめでとうございます!
=通算MIP獲得数 週プロが星8つ目の受賞です!=
週刊プロレス >>> ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
週刊ゴング >>> ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
■□選定=T.SAKAi
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□ 中邑vs柴田~新闘魂三銃士と近未来プロレス
□ 2004.11.3柴田vs川田観戦記
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