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2005.02.20

観戦当日報「残り11秒で王座移動!」2・20新日本プロレス両国決戦

050220ryogokuただいま、両国国技館より戻ってきました。観戦記を残しておきます・・・メーンイベントから。

             * * *

 弱さが見つかると、ここぞとばかりに批判も増幅するのが世の常である。格闘技に押されるだけではなく、自ら不完全燃焼興行を繰り返してきた新日本プロレス。プロレス復興への起爆剤として決定した「IWGPvs三冠」のWタイトル戦も、「唐突だ」「盛り上がれない」といった反応をファンが口にする。

 そんな中で開催された2・20両国決戦は、試合開始時こそ8割程度の入りだったが、中盤からは満員と言ってよい観客の入り。PRIDE(さいたま)を裏に回して大健闘。

 だからこそ、あとは試合内容。肝心のWタイトル戦から振り返ってみる。

■第8試合(60分1本勝負)■
IWGP ヘビー級・三冠ヘビー級~ダブルタイトルマッチ
天山広吉vs小島聡

 天山が動かなくなったのは「残り時間3分」というコールがあったあたり。三冠ヘビー級最多奪取選手の三沢光晴が乗り移ったのか、小島が天山にローリングエルボー。場外にころがり落ちる天山。何かがおかしい。西村修がペットボトルの水を手に駆け寄る。リング上に上がっても動けない天山。飯塚孝史が寄り添う。全日本側のセコンドが猛抗議。

 「ダウンカウント、取れよー」観客から怒声とブーイングが起きる。厳格なレフェリングなはずの和田京平も、なぜか様子をみるばかりでカウントは取らない。

 ダウン状態の天山を小島は何度も起こそうとする。まるで小島のほうが「天山、最後まで闘い抜くんだぜ、何をやっているんだ」とでも言いたいような様相。だが、どうしても立ち上がれない天山。

 誰の目にも明らかだった。今からダウンカウントを取り始めれば、天山はノックアウトになると。「残り時間30秒!」のコール。不透明決着を嫌がる観客から、より大きなブーイングが出る。和田レフェリー、覚悟を決めてダウンカウントをあっさり10数える。

 ひと呼吸置いて、コーナーに駆け上がった小島。勝利のアピールだ。

■第8試合(60分1本勝負)■
IWGP ヘビー級・三冠ヘビー級~ダブルタイトルマッチ
○小島聡(59分49秒、KO)天山広吉×

 はっきり言って、観客は「60分時間切れ引き分け」を覚悟していた。いや、その結果に向かって盛り上がっていた。

 起きるか起きないかわからない不安定な動きの小島に向かって、天山がトップロープからテイクオフ。体当たりが決まったのか、コジコジカッターで返り討ちにしたのか、微妙な状態から両者ダウン。天山が立ち上がったところに、小島が放った渾身のラリアート。「ダウン状態からラリアート」への静から動への動きは、この日最大の盛り上がりとして両国を揺るがした。直後に「45分経過!」のコール。

 アナコンダバイスで締め落とされそうな小島に、大「コジマ」コール。なんとか小島がラリアートで立ちなおすも、両者ダウン。ブレイク後に両者ダウン状態も、直後には天山が完全なジャーマン・スープレックス・ホールドを決める。ブリッジしてフォールへ。天山のドラゴンスリーパーは不完全に終わり、ラリアート・・・これがラリアート同士の相打ちへ。「50分経過!」に大きな拍手が起こる。

 そう、この内容でなら時間切れはやむなし。そんなムードになる。

 フィニッシュ直前(カウントを取り始めないレフェリーに)こそブーイングが飛んだが、結末には納得していた観衆。残り11秒という勝負タイムとは異なり、実質最後の3分くらいは天山は“死んで”いた。

 試合序盤は小島が押していたといってよかった。天山の腰を攻めていくシーンも多く、これは勝利への当然の方程式といえるだろう。中盤は天山の反撃が中心。攻め込まれていたにもかかわらず果敢に動く天山は、無尽のスタミナを感じさせた。やはり、天山が有利なのか。

 終盤は一進一退。この段階になると、これまで闘ってきた相手、ベルトを彩った歴史上のレスラーの技も出てくる。小島・天山は「天才型」ではないから、こなし切れる技とそうでない技がある。それがまた、この2人らしい闘いとなっていく。

 勝ったのは、小島聡。

 リング下で中邑真輔・棚橋弘至・永田裕志が集まっている。永田から「オレと一緒に決起しろ」と促されたのかもしれないが、天山の意外な負けに固まっていたのかもしれない。3人はリングに上がって、小島と相対していく。永田が蹴りを小島に放っている。リングから降りて、抱えていたベルトのうちIWGPだけをリング上にポイッと投げた小島。

 それを拾い上げて脇に抱えた中邑が、怒りの猛スピードで花道の小島を追いかける。かつて在籍した新日本のベルトを、なぜポイッとできたのか。携帯サイト「プロレス/格闘技DX」によると、「挑発の意味。別にベルトを軽く見ているわけじゃない。新日本に10年間いて取れなかったベルトですから」と発言しているようだ。

 続くのは、噂されている「全日本のチャンピオンカーニバル」と「GIクライマックス」の合体によって行われる、春・夏それぞれの拡大版GIクライマックスでの抗争か。少なくとも、小島が中邑(この日、中西学と長井満也を連破)と交わる可能性がこの日出てきた。

 試合内容のレベルの高さ、不透明決着になりそうでならなかった結末、試合後の乱闘。なんだか今夜は、“弱かった”新日本プロレスが力強くドキドキ感を現出してくれた。いや、全日本プロレスとの合作と言うべきか。いわゆる、観客を掌に乗せるというやつ・・・。

 まるでメーンに向かっているように「好試合ながらもテンポよく進んだ」興行全体の流れからも、プロレス復興への起爆剤になりそうな予感はした両国大会。ベルト流出という無念さ、天山が救急車で運ばれたことの心配はあるけれども、観た価値は十二分にあった。

■□T.SAKAi
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=関連記事を追記=
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=試合結果・試合経過=
□ 新日本プロレス公式HP:2・20両国試合結果・経過
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