前田日明、旗揚げ大会発表・・・そのときプロレス週刊誌は?
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週刊誌じゃないやんけ!という感じだけれど、写真は総合格闘技イベント「HERO’S」旗揚げ戦が発表されたときの『東京スポーツ』紙(3/2発売分)。上井氏がプロデュースするのはプロレスイベントだと伝えられていたところに、「総合(HERO’S=3・26旗揚げ)」と「プロレス(WRESTLE-1=4・23旗揚げ)」の両方が発表されてきたのだ。
当サイトを見ているような方は、プロレス界の最新ニュースをニュースサイトで確認していることだと思う。サイトはテキストと写真によって構成されるから、こうして改めて東スポの誌面で再確認すると、ニュースが持つニュアンスが強くなったり、違って見えたりする。
東スポのこだわりは、かつてのリングス旗揚げ戦での前田日明vsディック・フライの“絵”を使って「リングス復活」を大きく謳うこと。上井氏が会見で使った「奇襲」という言葉も見出しに含めることで、業界への“仕掛け”であることを匂わせている。見出しの組み方や書体、大きさによっても印象がだいぶ変わっていく。
この紙面そのものが東スポにとっての前田旗揚げ大会の“解釈”。ニュースを紙(誌)面にするということは、ニュースに対する読解力が必要だし、見解を持つことも求められるわけだ。
そんな中、プロレス情報を毎週深く追っているプロレス専門誌はどう取り上げたか。
当初噂されていた週から発表がズレ込み、3/1(水)、3/3(金)という日程で「HERO’S」会見は行われた。プロレス専門誌にとって“料理”する時間は十分にあったはずだ。
このニュースの料理の仕方について、『週刊プロレス』1249号(3/23号)と『週刊ゴング』1064号(3/23号)を勝手に対決させることにする。
週プロとゴングでは、記事の“枠組み”からして違った。
週プロ記事、全体4ページ。「強さを追求する、2つの闘いが始動!」との見出しに始まる。「この2つを併行していくことに疑問を感じるムキもあるかもしれないが、当初から上井氏が言っていた理想の中には『総合でも通用するプロレスラーを育てる』というものがあった。今回の総合とプロレスの二刀流も、不自然なことではない」と記事は結ばれている。
一方のゴング記事、全体2ページ。「3・26興行戦争勃発!」という5ページ分の記事の一つとして提供されている(他の3・26興行は、新日本プロレスと大仁田厚「卒業」興行だ)。そのため、「WRESTLE-1」の扱いは薄め。スペースがないこともあったのか、記事の結びはこうだ。
「前田がどんな未知の強豪を送り込んでくるのか・・・大会の核となる日本vs世界・中量級対決のカード発表が待たれる。」
記事としては、週プロの圧勝でしょう。今回のニュースは前田日明旗揚げのコンセプトが踏み込んで発表されたことなのであって、「3・26興行戦争」として扱われるのはちょっと違う気がした。週プロには「WRESTLE-1」のイベント写真や、前田日明vs山本宜久の試合写真も押さえられていた。ファンに対して「このニュースの意味合い」をきっちり伝えるための整理をしていたと思う。
今週は週プロに星をつけます。おめでとうございます!
=通算MIP獲得数 週プロが星11個目の受賞です!=
週刊プロレス >>> ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
週刊ゴング >>> ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
というわけで、プロレス週刊誌MIP的決着はついたのですが、ニュースの料理の仕方としては踏み込みが両誌とも甘かった印象はある。どうなんだろう? プロレス界の救世主的に扱ってきた前田が、「プロレス」とは少し離れて「K-1」と合体。プロレス記者としては、そこに肩透かしを感じたのかもしれないなぁと思ってみたり・・・。
ボクがこのニュースから感じたのは、前田日明という人間の道のりであり、歴史、その重さだった。ファンの思い出と言い換えてもいい。
前田日明の過去。そこには、「格闘王」というネーミングで危険な匂いのある本気のプロレスがある。さらに、プロレス界から飛び出してつくった総合格闘技の元祖「リングス」がある。
プロレスファンが追いかけた前田日明の過去はいくつも輝いていて、プロレスラーのところを切り取ったら「格闘王がいた怖いプロレス(WRESTLE-1)」になる。総合のところを切り取ったら「リングス復活(HERO’S)」になる。それほど前田日明が生きてきた道のりには、ファンが過剰に期待したものがあった。
1つではなく2つの闘いが今回発表されたのは、それだけ前田日明の過去に“本気”が常にあったことの証明・・・ボクならそんな料理をこのニュースにしたような気がする。というか、今してるか。
今週の『ファイト』紙だったと思うが、新格闘技「HERO’S」に対する取材申し込みが100社を超えたという。この盛り上がりには、「前田日明がいる」ことが大きく貢献しいる。当初、上井氏プロデュースがプロレスと特定されていたとき、サイトニュースで「前田日明プロレス」なんて言われていたが、ボクはけっこういい線をいっている表現だと思った。
「長嶋ジャパン」(この言い方には賛否両論あったようだが)や「なでしこジャパン」といった意味合いを強く打ち出す表現は、業界のニュースを活性化させたいときにうまく作用する。新日本プロレスの「GIクライマックス」も、第1回のときはサブネーミングでしかなかったが、第2回から本ネーミングになったんじゃなかったかなー。うまくハマる言葉は、市場でのブレイクも早い。
正直、プロモーションとして主催者から「前田日明プロレス」という言葉を使ってもいいとボクは思う。長いか? でも「前田プロレス」はイマイチだし。格闘技の方は「前田日明の新格闘技」とか。
そんな前田日明が関わったリングスは、地上波放映ではなくWOWWOWだったから日が当たらなかった面もあった。だけれども、TBSやK-1という味方を得て、日が当たる場所へと動き始めた。ひとりぼっちのアキラが、上井氏やファンと一緒に歩き始めた・・・そんな今だからこそ「前田日明の新格闘技」なのである。
■□T.SAKAi
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ボクは見逃しているのですが、チケット発売についての広告のキャッチコピーは
「今、世の中には前田日明が足りない」とのこと。
とてもいいんじゃないかと思います。
↓
□ FINAL DOWNさん:【ばとる】生ゴン2005/3/7 サップ対ミンスー発表会見【HERO'S】
┏カクトウログ関連記事
□ ドールマンも協力か・・・前田日明 3・26HEROSで再出発
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