亀田興毅はボクシング界の救世主になれるか
「亀田」という名をニュースサイトで頻繁に見かける。でも、何が注目されているんだろう。「初心者に説明できないかなぁ?」と声をかけていると、後輩から原稿が・・・
* * *
文=伊達秀行
亀田興毅(かめだ こうき/協栄ジム)、今、日本ボクシング界でこれだけマスコミに取上げられているボクサーはいない。「新・浪速のロッキー」「辰吉二世」「浪速の闘拳」(現在はこれらしい)とも呼ばれる、若干18歳の男である。亀田がこれだけ有名な理由は、最近まで放映されていたTBS系「ZONE」に「父親に鍛えられたすごい亀田3兄弟」として取り上げられたからだ。しかし、ランキング・戦績と言えば、日本フライ級の10位・6戦6勝(5KO)(5月時点)に過ぎない。
■世間での亀田に対する興味は?
世間の亀田に関する興味は何だろう?「威勢のいい兄ちゃんだけど、世界チャンピオンになれるのか」ではないだろうか?
これに対して、はっきり言うと、ボクシングファンの間でも「絶対なれる逸材だ」という声がある一方、「そこまではいかない」という声があるのも確かだ。つまり、未知の部分が大きく、判断しづらい。これに尽きる。私も試合を見るには見ているが(それも「ZONE」で)、どうとも言えない。もともと、一ボクシングファンの私にそこまで見る目があるわけでもないのだが。
実力が未知数であるのは、相手がみんなタイ人ボクサーであり、相手自体の実力が全然分からないからだ。タイ人ボクサーは、現役のナショナルチャンピオンなら大丈夫だが、「元○位」などと肩書きがあっても、半分引退状態だったり、まったく参考にならない事例が多い(インドネシアや韓国もたまにいるが)。彼らは、出稼ぎで日本に来ているのであり、「試合をすればいくら」というファイトマネーが得られるので、試合をするだけである。そして、見事な倒されっぷりを披露しないと、次回また日本に呼んでもらえないことになる。しっかりトレーニング積んでいい試合を見せようものなら、「こいつは手ごわい」と敬遠されてしまう。「倒され屋」として日本のジムに重宝されていたフィリピンボクサーは、タイトル保持者以外は全員が来日禁止になってしまっている。
亀田のこれまでの6試合では、判断できない、ということになってしまう。これは、亀田に問題があるのか、ジムに問題があるのか、判断できない(いろいろ噂はあるが)。もちろん、デビュー戦などは、日本人で名乗りを上げる適当なボクサー・ジムがいなかったという気はするが、これほど日本人とできないのは、何らか理由があると思う。
ただ、断言できるのは、「口先だけのからっきし弱い」ボクサーではないということ。映像を見れば、若干18歳であれだけの動きができるボクサーはいない。元WBA・WBC世界チャンピオンの大橋秀行氏(現大橋ジム会長で、WBCバンタム級王者の川嶋を育てた)は「世界チャンピオンになる」と太鼓判を押すくらいだから、只者ではないことは確かだ。
だから、ファン、関係者の間でも評価がまちまちになってしまう。
待ち望まれているのは、実力が確かな選手との対戦、そして勝利ということであろう。
■亀田から考えるボクシング界の未来
現在、日本人・日本のジムに所属する選手でプロボクシングの世界チャンピオンを全て言うことのできる人は、ボクシングマニアしかいないのではないだろうか? 実は4人もいて、川嶋勝重(WBCスーパーフライ級)、新井田豊(WBAミニマム級)、高山勝成(WBCミニマム級)、長谷川穂積(WBCバンタム級)である。
問題はここにある。ボクシングファンしか知らないということである(ちなみに、ボクシングファンと呼べるくらいの私の友人は、2人しか言えなかった)。高山などは、HPにも載っているが、よく通うマッサージ屋のおばさんにも認識されていないというし、長谷川も最近「ジャンクSPORTS」で同様のことを言っていた。
つまり、「世界一」になっても、世間に顔が知られないということだ。それは、4人の世界チャンピオンになった試合が、川嶋を除いて首都圏(関西)ローカル放送しかされていないということであり、「見たい」と思うボクシングファンも、観ることができないのだ。私も、最近チャンピオンになった長谷川に大いに期待していたのだが、放映がないと聞いてがっくりした覚えがある(新井田の防衛戦とのダブルタイトルマッチだったのにだ)。
戦後、白井義男(故人)が日本人始めての世界チャンピオンになり、ファイティング原田、大場政夫など個性的な選手が盛り上げてきたボクシング界。高視聴率を誇ったボクシング中継も、今やあったりなかったりの時代になっている。最近で「ボクシング」という枠から飛び出して認識されていた選手は、辰吉丈一郎、畑山隆則くらいでなないか(在日ということで徳山昌守がいるが)。
これには、ボクシング界のマスコミ戦略の弱さ(格闘技界の「負け組」とも言うべき事態)、ジム制度の弊害、JBCの怠慢がある。
そんな現在のボクシング界で、亀田は久々に現れた、「ボクシング」の枠を出て認識されている待望のボクサーなのである。生い立ち、ビッグマウス等の性格、マスコミが好きそうなキャラクターである。だから、一ボクシングファンの私としては、「大事に育てて欲しい」と思う。
かと言って、やさしい相手と試合をしていればいいというわけではない。結局は、世界チャンピオンになるには、運だけでは絶対無理。実力がないとダメな世界だ。だから、どういう経歴の積ませ方をすれば実力がついて成長していく選手なのかをジム(親)が見極めてマッチメークしていくということが必要だと思う。そろそろ日本タイトル挑戦も考えないといけない。
ビッグマウスであることで、自身にプレッシャーをかけて試合に臨んでいるという彼が、期待通りに成長してくれることを期待している。
■ジム移籍後初試合―――亀田興毅のプロ第7戦
6月20日、亀田興毅のプロ第7戦が行われた。マスコミで話題になったジムの移籍後初の試合。相手はWBCライトフライ級王座を過去10度防衛したサマン・ソーチャトロン(タイ)だ。
亀田は文句なしの1RKO勝ちを収めた。が「実力は本物か?」の問いへの答えは出なかった。サマンが、往年の力を失い、ベテランの懐の深さを見せることなく、トレーニング不足がわかる動きだったからだ。ビッグネームとの対戦という経験、一試合を行ったという経験しか彼はこの試合では得ることができなかった。
次戦では、日本ランカー、できれば対戦表明(オファー)しているといわれる、日本フライ級チャンピオン、内藤大助(宮田ジム)との戦いを見てみたい。
■□伊達秀行
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3月8日に行われる亀田興毅の試合予想をお願いします。予想することで一層面白く観戦できます。
当初の対戦予定だったエドガル・ソーサが負傷(敵前逃亡)したため対戦相手がカルロス・ボウチャンに変更になっています。
この試合の報道に関しては下の参考データ「Yahooニュース」のリンク先をご覧ください。
■開催概要
ボクシング フライ級10回戦
亀田興毅・世界前哨戦第二弾
3月8日 両国国技館「亀田場所」
亀田興毅(協栄)
vs カルロス・ボウチャン(メキシコ)
20時試合開始... [続きを読む]
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