橋本真也vs栗栖正伸
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1990年8月3日後楽園ホールでの橋本真也vs栗栖正伸戦。『週刊ゴング』が資料用に撮っていたものだそうで、まるで“隠し撮り”映像のように不安定、そして試合はゴツゴツ・・・
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今週のゴングはDVD付き。DVDを付けるとなると、ページへの貼り込み作業が必要になる関係上、締切日が早くなるんだとか。なので、DVDが恒例になるわけじゃない。でも、新しいものにチャレンジする姿勢、いいと思う。
↓週刊ゴング公式サイトより
週刊ゴングNo.1084/8月10日号
今から15年前の映像。当然かもしれないが、橋本の技の使い方が最近のものとは違う。垂直落下式ブレーンバスターではなく「ブレーンバスター」を繰り出していた。ニールキックは身体の回転が素晴らしい。ミドルキックも破壊力がある。DDTに物凄く体重が乗っているのがわかる。
今のプロレスの攻撃がやさしいものに思えてしまう。こんなことを後楽園ホールでやってたのか!
海外修行時代に、対戦相手をぶっ壊すほどの技を連発して橋本がホサれたという話を思い出す。けっして相手にナメられない、観客にナメられないプロレス。華麗な技の応酬があるわけじゃない。でも、ひとつひとつの技に思い切りがある。橋本が栗栖に。栗栖が橋本に。ゴツゴツと容赦なく浴びせていく。
体力的に劣勢にある栗栖にも、ファンから「遠慮せずいっちゃってください!」なんて声が飛ぶ。生々しい。試合のポイントは、映像にかぶせられた金沢克彦氏の声で解説されていく。
余談だが、この試合後の記者のやり取りに関して、最近ちょっとした抗争(?)が。『週刊プロレスモバイル』での「安西漂流記」(安西伸一氏)より。
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(橋本-栗栖戦)試合後、控室に向かう花道の奥で、栗栖さんは泣いていた。というか、泣き声のようなものが聞こえてきたので、あわてて栗栖さんのあとを追ったら、控室の前のベンチに座って栗栖さんが泣いていた。ひとしきり試合のコメントをすると、栗栖さんはこう言った。
「でも俺、なんで泣いたんだろうね」
「はい」
「やっぱり嬉しかったからだよね」
「そうですね」。
そう受け答えしている、私の隣に立っていた他者の記者の声も、うわずって、ひっくり返っていた。この記者こそ、ゴングの金沢記者である。これまで明かさなかったのは友情というか、仕事中に泣きそうになっていたと書いたら彼が困るだろう、かっこ悪いだろうという私なりの配慮である。私はと言えば、なにか栗栖さんに言葉を返したら、絶対涙が出るのがわかっていたから聞き役に回ってしまった。黙ってしまった私は卑怯だったかもしれない。逆に、受け答えした金沢記者は男らしかったかもしれない。しかしながら、彼は最近、誌上にて
「呆然と立ち尽くす私の背後から鳴咽が聞こえてきた。振り返ると、安西記者が泣きじゃくっていた」
「私だって泣きたかった。だけど栗栖の口癖である『なめられたらおしまいよ!』という声が聞こえてきたような気がして、グッと涙を堪えていたのだ」
と書いてある。まさか他人をダシにして、自分だけベビーフェイスを気取ろうとするとは、思いもよらなかった。最近やけに彼からの着信履歴があり、必ず掛け直していたのだが、応答はなかった。あのときのことを書くよと、ひとこと言ってくれるつもりだったのだろうか。
泣けるような試合に出会えたことは、本当に幸せだったと思うけどね。
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2人がその後“仲直り”したかは不明。まぁ、どう対応したか記憶があいまいになるほどに、感動的だったんでしょうけれど。
控室は神聖な場なんですよね。たまに言われるのが、インディー団体が増えて、控室への敷居が低くなり、レスラーとマスコミの緊張関係がなくなっていったということ。リング上から控室まで“真剣勝負”してたプロレス団体は、そりゃいいモノをみせてくれるに違いありませんから。
この試合。名勝負というのではない。激しさは、とことんあった。なぜそこまでにやりあったのか。必要以上に技をたたみかける橋本。グロッキーになった栗栖のうえに正座してフォール勝ち。その様子が、当時の新日本プロレスファンの本物志向をくすぐっていく。あらためて、新日本プロレスをつくっていた橋本という男が映像で確認できた気がした。
(なんか試合を織り交ぜると、「橋本さん」と書くことに違和感があるので・・・敬称略としたことをご了承ください)
■□T.SAKAi
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