8・4福岡上陸、新日本プロレスG1クライマックス観戦記
「8月4日だけは都合が悪い」と最後まで調整したが、出張が入った。WRESTLE-1両国決戦が観れないのは残念なんだけれども、ここ福岡で新日本プロレス開幕戦という奇跡の日程・・・
* * *
福岡、暑いです。福岡国際センター内では快適に観戦。
仕事を切り上げた後、全選手入場式の最中に会場入り。棚橋が大きな声援を浴びる。前年度優勝者の天山から優勝旗とトロフィー返還。天山にはレプリカが贈呈された。
平日ながら、観客は8割くらい埋まっている。1階席の後方には椅子を並べていない空きスペースがありましたが、満員といってもよいでしょう。
▼G1 CLIMAX 公式リーグ戦・Bブロック 1/30
○吉江豊(12分23秒、体固め)真壁刀義×
両者40回ほど対戦して、ほとんど吉江が勝っているとのこと。巨体を利して攻める吉江、巨体を投げて盛り上げる真壁。わかりやすく、かつ熱戦で観客があったまった。
フィニッシュは、吉江自身が“解禁”したとされるミドルキック(声をあげてから放った、まずまずの威力のように見えました)に続けて、トップロープからのダイビングボディプレス。これを食らったらひとたまりもない。お腹ではなく吉江の胸のあたりが真壁をプレスし、余計に痛そうに見えた。
▼G1 CLIMAX 公式リーグ戦・Bブロック 1/30
△棚橋弘至(30分時間切れ)矢野通△
7・18ノア参戦で負傷したとされるが、強行復帰の棚橋。序盤はコンディションよさそうに見えた。だけれども、途中でミサイルキックを放った際に着地がマズかった。腰を押さえる棚橋。そこを逆エビ固めやブレーンバスターで攻め込まれて悶絶。両者力を出し切って引き分け。負傷明けということよりも、棚橋の腰が心配。G1連戦に黄信号か。
▼G1 CLIMAX 公式リーグ戦・Aブロック 1/30
△西村修(30分時間切れ)鈴木みのる△
コーナーを背負った西村に串刺しドロップキックを打つと見せかけ、フェイントで踏みとどまる鈴木。その後、リング中央に投げつけて、鈴木低空ドロップキック。
序盤の攻防の中で西村に逆さ押さえ込みを食らう鈴木。逃れた直後に声をかけてきた観客の方向に向かって「セーフ」のポーズ。観客が沸く。
西村が得意の“倒立によるヘッドシザース外し”にいく体勢になるも、倒立できないほど締め上げて、西村はガマン負け?ロープエスケープ。
スタンディングでの攻防の際に、西村のリストロックのひっかけをクイッと足で蹴り上げて外し、鈴木がヘッドロックへ。
逆さ押さえ込みにいくと見せかけて、次の瞬間西村のボディに手を回し、そのままゴッチ式パイルドライバー。
西村のジャパニーズレッグロールクラッチホールドを2カウントで返すと同時に、鈴木が下からスリーパーホールドにとる。
コブラツイスト、卍固め合戦。最後は、ドロップキックの相打ちを2度挟みつつの「睨み合い」でフィニッシュ。鈴木ワールドを西村が受け止めたような試合。そして、前試合に続いてのフルタイム。玄人好みでもあり、2人の世界に走ったようでもあって。なんなんだ、この試合は?
▼G1 CLIMAX 公式リーグ戦・Aブロック 1/30
○藤波辰爾(4分50秒、グラウンド・コブラツイスト)ケンドー・カシン×
藤波が唄う「マッチョドラゴン」を入場テーマの“前奏”にしてカシン入場。藤波自身はライジングで入場。シングル初対決だが、休憩前の試合ということで、カシンも手を抜きそうな予感…。
途中まではオーソドックスな攻防だったが、レフェリーともみあったあとのカシンをつかまえた藤波が、コブラツイストからのグラウンドコブラであっさり3カウント奪取。客席「エー」。
▼G1 CLIMAX 公式リーグ戦・Bブロック 1/30
×後藤達俊(3分19秒、フロントスリーパー)藤田和之○
開始早々に後藤をぶっ飛ばした藤田のタックルのスピード、威力…スゴイ。これ一発で会場を緊迫モードにもっていく。一方の後藤も、バックドロップ2連発、場外でのバックドロップで藤田を追い込む。後藤コール発生!
だけれども、フロントスリーパーでつかまった後藤、両手がブラーンとなってしまう。レフェリー、止めました。この勢いで全戦を貫けるか? 藤田はやはりG1台風の目。
▼G1 CLIMAX 公式リーグ戦・Bブロック 1/30
○中邑真輔(14分38秒、三角絞め)中西学×
※フルタイム2試合を通過して、すでにこの試合の最中に夜9時をまわる。
しばらくタッグチャンピオンとしての中邑の姿が中心だった気がする。でも、この試合の中邑は違った。力比べでは中西に圧倒されたし、打撃を食らっては悶絶。何度も中邑のうめき声が館内に響く。だけれども、一時期の中邑の真骨頂「もがいた末の逆転」をみた気がした。中邑コールを引き出しておいての三角絞め勝利。
最後は、三角にいく中邑、ボムでたたきつける中西の一進一退。ついに、スタンディングの状態で中西は仕留められた。ノゲイラがコールマンを大阪で仕留めたときのシーンにちょっと似てた。
やられてやられて立ち上がる。新日本プロレスジュニア時代の大谷晋二郎のスタイルがそうだった。ちょっと思い出す。もちろんこのままでは進化にはならない。でも登り調子のときの中邑が確かにオーバーラップした。「戻った」だけじゃなく「進化」までG1中にもっていけるか、中邑。予兆はあった!
▼G1 CLIMAX 公式リーグ戦・Aブロック 1/30
○蝶野正洋(17分2秒、首固め)永田裕志×
このカード、福岡でIWGP戦、60分フルタイムやっていたと思う。今宵はセミファイナル。
「ナガタナガタナガター!」「チョウノチョウノチョウノ!」という首都圏お馴染み?のかけ声が受ける(ボクが言ったんじゃないですヨ)。珍しいのかな。
キック合戦になるが、ケンカキック一辺倒の蝶野。前蹴り、ミドルキック、突き上げるようなヒザと3種類を使い分ける永田相手に劣勢。
と思いきや、シャイニングケンカキックで逆転していく。三銃士世代の逆襲も期待されているからか、いつも以上に粘る蝶野。苦戦したが、ラストはブレーンバスター合戦を首固めで返した蝶野が勝利。強い蝶野、博多っ子の声援を受けていた。
▼G1 CLIMAX 公式リーグ戦・Aブロック 1/30
×天山広吉(19分8秒、片エビ固め)川田利明○
過去、川田の3戦全勝。持ち越され続ける天山の川田超え。
打撃戦での攻防は7・18での三沢戦での川田を思い起こさせるパターンが多かった。まるで、「三沢戦で使ったテクニックの一端でオレは試合をコーディネートできるんだぜ」とでも言われているような気配。
でも、ドームとは違って細かい攻防もしっかり見える。天山のチョップで唾を大きく飛ばす川田。シーと声とともに天山から振り下ろされた手刀攻撃には「むせて」いた。天山の威力がスゴイのか、川田のハッスルKとしての表現の進化か。
全体的に川田の打撃はやはり強い。足にレガースをつけていることも手伝って、館内に何度もポコッという音が響く。
天山もボクシング殺法に活路を見出さんとする。ブレーンバスター2連発からのダイビングヘッドバット。続けてアナコンダで絞め上げたときには勝利に近づいたかに思えたが…。
絞め上げに“継続”がない。絞め上げた体勢を維持できないのだ。これでは川田には勝てない。武藤ばりにバックブリーカーで川田を寝かせてのムーンサルトを狙うが、かわされた。TTDからのムーンサルト、今度は決まるだけではなく、ヒザから落ちる強烈なもの。だが、ヒザを打ち付けすぎたのか、なかなかカバーにいけない天山。当然、2カウント止まり。アナコンダに再突入するも、打撃戦へと移行していく。
最後は川田のランニングローキックに天山が沈んだ。
天山はおきまりのように「もう1回」のしぐさで川田にアピールしている。何度天山がIWGPを獲ろうとも、川田に対しては挑戦者にしか見えない。川田には実際には余裕はないかもしれないが、きっちり構えているのはやはり川田なのだ。
天山は当然のように、決勝戦で川田と再戦、前人未到のG1クライマックス3連覇を狙っていく。されど、G1というシリーズは、必ず試合内容を残したものが勝ち上がっていく。藤田の破壊力、川田の(やっぱり)余裕、中邑の突き上げ…これらを天山が上回ることができるか。そんな視点で、ボクの「G1クライマックス2005」はスタートしたのだった。
■□T.SAKAi
人気格闘技ブログはこちら /人気BLOGランキング
┏関連記事
□ 8・4新日本プロレス福岡国際センター結果(新日本公式)
↓一夜明け追記 鈴木みのるの書き込みあり!
□ G1開幕(俺が鈴木みのるだ!)
「こいつ、何か?…やりにくいんだよなぁ。なんて言うか…試合に波が無いっつうか…」
= 事実誤認・誤字指摘メール =
左サイドバーのココログマーク下から直通メール→大変助かります。
カクトウログへの苦情やご希望もお寄せください。
===========================
[カクトウログ■TOPページに戻る▲]
« WRESTLE-1 GP 開幕戦カード会見 | トップページ | 8月4日、破壊王はいたのか »
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 8・4福岡上陸、新日本プロレスG1クライマックス観戦記:
» WRESTLE−1感想 [リングアウト]
新日プロレスのG1を見るかWRESTLE−1を見るか悩んだもののやはりW−1をPPVで観戦。(カクトウログさんにはG1分大会の観戦記が載っていました。それを読むとG1も見たかったなあと思った次第) 6時15分から始まった事前番組で会場の様子を見ると結構..... [続きを読む]