小川直也はプロレス代表か？ 大晦日格闘技決戦

2005年、大晦日決戦。K-1、PRIDE両イベントにはプロレスラーたちも出場する。プロレスを背負うのは、小川直也、桜庭和志、美濃輪育久、曙といった顔ぶれだ・・・

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　プロレスは言うまでもなく“闘い”が大きな軸になっている。その最高の舞台とも言っていい大晦日決戦（K-1大阪ダイナマイト＆PRIDEさいたま男祭り）に出場するプロレスラーは、基本的にプロレスを背負っていると言っていいだろう。

　曙の「６４（プロレス技＝シックスティフォー）を出す」という発言は、まさにボクが言ってほしかったセリフ。桜庭が「いい試合ができる」として美濃輪を選んだのもひとつの決断だ。

　そして、小川直也。「プロレスラーを代表して」「ハッスルの宣伝のため」･･･彼の口から飛び出す言葉が相手の吉田秀彦を挑発する形になった。吉田の反論は、「本当にプロレスラーを代表しているのか。プロレス大賞にも選ばれていないのに」というもの。

　全盛期のアントニオ猪木なら、ｖｓ格闘技、ｖｓワイドショー、ｖｓプロレスファン･･･誰に対してもプロレス代表として相対していた。だけれども、今は違う。誰に対してプロレスを代表していくかの役割分担ができているんじゃないか。

　イメージとして、レスラー名を挙げてみる。

・　ｖｓプロレスファン
小橋建太、秋山準、三沢光晴、川田利明、武藤敬司、佐々木健介、永田裕志、中邑真輔、高山善廣

・　ｖｓワイドショー
ＨＧ、インリン様、和泉元彌、鈴木健想＆ヒロコ

・　ｖｓ格闘技
小川直也、藤田和之、桜庭和志

　小川直也は、現代においてはじゅうぶんプロレス代表である。フジテレビの映像でも、小川ｖｓ吉田を「プロレスラー（道化）ｖｓ格闘家（真剣勝負）」で煽っている。負けると、プロレスのイメージにかかわってくる。そう思うのだ。（そういえば2004年大晦日決戦の案として出た武蔵ｖｓ健介、今回は話題にさえなりませんでしたね）。

　2004年は特に、ハッスルを背負い続けて「ハッスル・マニア」成功への道筋をつくった重要人物。難航した故・橋本真也さんの合同葬でも、まとめ役を買って出た。そんな意味合いでも、小川には代表色は強い。

　今から5年前。2000年4月7日、新日本プロレス東京ドーム決戦。「橋本真也、負けたら引退マッチ」と銘打たれた橋本真也ｖｓ小川直也の一戦。テレビ朝日で生中継されて、瞬間最高視聴率24％をとった。勝敗に注目が集まったのは、小川に柔道のバックボーンがあったからではある。だけれども、プロレスの試合でまぎれもなく世間の注目を集めさせた。しかも、勝敗にかなりのウエートを置いた形で。

　大晦日に勝っても負けても、小川は「ハッスル」へと普通に戻っていくんだろう。だけれども、プロレスの真ん中に「闘い」があることをときどきはファンにも世間にも示し続けることは必要。それを、小川の役割として勝手に期待してしまうのだ。

　いちばんのハッピーエンドは、小川の勝利。リングサイドから武藤敬司と蝶野正洋を呼び寄せて、天国の橋本さんに向かってハッスルポーズなんだろうが･･･。武藤や蝶野はムリとしても、プロレスに注がれていた5年前の熱いまなざしと、橋本さんの存在を思い起こさせるような内容・結果になってほしい。

　プロレスを背負って出陣する男の試合がこれだけの世間的な注目を浴びるのは、もしかしたらラストチャンスかもしれない。

　23日、小川からメッセージが発信された。
・　「24日、必ず会場には行く。モンスター軍の好きな様にはさせないぞ！」“キャプテン・ハッスル”小川直也より緊急コメント！(ハッスル公式)
＃＃
久しぶり！！みんなハッスルしているか。最近俺は軍鶏侍と一緒に男祭りに向けて一生懸命練習をしているよ。でも俺はプロレス代表として、「男祭り」に出陣する！みんな応援してくれ！！でも、男祭りの前に今年最後のハッスル２連戦がある。こっちも大一番だけ悪いけどリング上は副キャプテンのあちちとHGに任させてもらう。２４日試合には出ないけど、必ず会場には行く。モンスター軍の好きな様にはさせないぞ！来年の大みそかにはPRIDEじゃなくハッスル・マニアを開催できるようにするために、俺は今年の男祭りでハッスルするから応援よろしく！
それじゃ、いくぞーっ！　３、２、１、ハッスル！　ハッスル！
＃＃

　大晦日決戦直前でも、ホームはハッスル。

　「俺はプロレス代表として」･･･当初は「プロレス」と区分する言葉として「ハッスル」が使われてきたフシもある。ハッスルの宣伝や小川の言葉の中に「プロレス」が目立つようになったのは、「ハッスル・マニア」直前くらいじゃないのかな。もうそれだけ、純粋な「プロレス」には「ハッスル」と一線を画すパワーがなくなっているのかもしれない。

■□Ｔ．ＳＡＫＡｉ
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