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2006.03.11

日韓映画『力道山』レビュー

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文=CrossHeelHold 3月4日に日本公開となった日韓合作映画『力道山』。日本プロレスの父を描いたプロレスファン注目の作品をカクトウログ管理人知人がレビュー・・・

                * * *

↓参考サイト・記事
・ ソニー・ピクチャーズ - 力道山
・ 激動の生涯を描いた映画「力道山」 (ゲンダイネット)
・ カクトウログ: 映画『力道山』


 主演の役者ソル・ギョングは力道山役のために30キロ近く体重を増やしたとか、日本語をマスターしたといった苦労話が話題になっているが、うーん、イマイチかなあ。故橋本真也のファイトが大スクリーンで観られたことで星ひとつプラスで5点満点で星3つというところか。

 とはいえプロレスファンならぜひとも観ておくべきではあると思う。

 自分は大学の卒論で力道山をテーマにしたので、彼に関する伝記はほとんど読んでいる。95年には平壌で行われた「平和の祭典」も観に行った。それゆえ期待しすぎたのか、事実との食い違いが気になった。

 上映前にパンフレットを読んだら「朝鮮半島出身と言われているが、定かではない」とある。そんなことないだろうが。力道山が北朝鮮出身であることは今や常識だろう。北朝鮮に子どもが居るというのに(このあたりの話は力道山は金日成にベンツをプレゼントしたエピソードなども載っている「もう一人の力道山」が詳しい。これがそのベンツ)。パンフレットからして怪しい。

 「変だなあ」と思いながら観てたのだけど、最後に事実と異なりますとの字幕。最初に出してくれればよかったのに・・・。

 力道山が場外にプランチャするのをはじめ、ブレーンバスター、ラリアートなど当時は存在しなかった技が続々出てくる。(まあ、これは映画を面白くするための手法ということで許せる。試合のシーンはさすがプロレスラーが演じているだけあって迫力がある。ソル・ギョングのファイトもなかなかいい)

 息子百田光雄が協力してるとのことだが、百田光雄が出てこない。自宅のシーンが多いが子どもが全く出てこないのだ。死の前年に現闘魂ショップ店長の田中敬子と再婚していることも触れていない。百田光雄はパンフレットの中で「事実と異なるところがある」と繰り返しコメントしているが、自分がいないことになっている映画によく協力したものだ。

 死の直前、人気低迷のためテレビ中継の打ち切り話が出てくる(実際には力道山が死んだ年に行われた力道山対デストロイヤーは視聴率64%だったのだから信じがたい話だ)。

 特に事実と異なることでいかがかと思うのが、大木金太郎(キムイル)と力道山のやりとり。

 大木は力道山から一度たりとも同胞であることを聞いてなかったし、朝鮮語でコミュニケーションすることもなかったと朝日新聞のインタビューで告白している。

 死ぬ間際、病室で力道山は大木に夢を語るが、実際、力道山が死んだとき大木はアメリカ修行中で日本にいなかった(猪木がずっと看病してたそうだがこの映画には猪木も馬場も出てこない)。韓国の映画だから韓国で人気レスラーだった大木をプッシュしたのだろうと推測するが、日本に居なかった大木との会話をラストシーンにするのはいかがなものだろうか。

 と、事実と違うこと満載。

 プロレスに関することのみならず、力道山存命時には発売されていなかったオロナミンCの看板が出てくるなど、ほかにもたくさんあるので、事実と違うところを見つけるのも一興かもしれない。

■□文=CrossHeelHold
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