前田日明vs佐山聡、20年ぶりの遺恨試合【週刊 前田日明】
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前田日明が足りない世の中に、とことん前田日明を発信してみる。毎週日曜日は、前田日明関連の動きをできる限りカクトウログが追う「週刊 前田日明」の日です。連載第29回のラインナップは▼前田日明vs佐山聡、20年ぶりの遺恨試合▼1992年に前田が語った佐山との因縁▼前田インタビューに、上井氏「反論しませんよ」▼さらに、ビッグマウス・石川専務が復帰!・・・
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情報をキャッチしていながら、最新1週間(月曜から土曜まで)で取り上げなかった前田日明&ビッグマウスの話題、あれば翌週送りせず日曜にまとめる。あと、1週間で取り上げた前田関連記事、主要記事リンクも再集約しておくことにします。
(週刊前田日明バックナンバー →「週刊前田日明」参照)
この連載を毎週見ておけば前田関連の動きは逃さない!
理想はそこですが、どうなるか。
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1月末にポリスジャパンにこんな記事が出ていた(記事URLはすでに削除されていました)。
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・ 現在の格闘技ブームを創った創始者のふたり前田日明と佐山聡はあの歴史的なUWFでの最後の戦い以来タモトを分かち、15年以上も顔を合わせることがなかったが、このほど梶原一騎の実弟で元極真空手師範代で作家の真樹日佐夫氏の映画(「ワル―FINAL」監督・三池崇史)に揃って出演。
・ 絡みのシーンがないため、撮影で顔を合わせることはなかったが、真樹氏が「そろそろふたりでじっくり話したらどうだ」と個別に声を掛けると、ふたりとも同意したと言う。
・ 真樹氏「どこかの媒体でふたりの対談を実現したい」。
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それが本当に実現。『週刊文春』4/20号に「佐山聡vs前田日明 20年ぶりの遺恨試合」と題された対談記事が出た。モノクロ3ページ。立会人は真樹日佐夫氏。
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・ (文春による解説)実は2人は、ある試合を契機にこの20年間言葉を交わしていない。1985年9月2日、大阪・臨海スポーツセンターでの試合は「伝説の遺恨試合」。前田の金的蹴りによる反則負け。ファンの間では「格闘技に対する考え方の違いが原因」「UWFの経営方針を巡る対立」と諸説入れ乱れている。
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・ 前田 今日は何十年かぶりにこうやって会わせてもらいましたから、思い切って言わせてもらいます。自分には、今振り返ってもすごく不思議なことがあるんですよ。例えば、猪木さんの激変ぶり、そして佐山さんの激変ぶり。一番最初に17歳で佐山さんに出会ったときに、「ああプロの選手ってこんなに爽やかで、こんなにすごい人たちなんだ」とすごく感動したんです。(猪木に対しては)「わあ、猪木さんの眼って綺麗だな」と思っていた。
・ 真樹 猪木の眼が変わったから、UWFに行ったのか?
・ 前田 そもそもは猪木さんと新間寿さんにUWFに行ってみろと言われたんです。当時の猪木さんは、実は、今のK-1のようにTV局ニ局による放送をめざしていた。周囲は「こいつらを使って金儲けができる」とわかっていた。佐山さんもそういう目にあった時期があるし、俺もそうだった。でも、自分が自信をもって言えることは、大阪から出てきた時と何も変わらないということです。
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・ 前田 ところで佐山さんは、何で修斗を離れたんですか。
・ 佐山 修斗はね、滅茶苦茶になっちゃったの。
・ 前田 実は、佐山さんが修斗を離れた1、2年後に、修斗の人が訪ねてきた。「ロシアの70キロ、80キロ級の人間を紹介してくれ」って。当時俺は、「佐山さんと俺は確かにいろいろあった。でもあの人だって、プロレス界を敵に回しても、修斗のために一人で頑張ったのに、追い出すのは酷い話じゃないか」と言った。それをちゃんとした形に戻したり、修斗から他団体に対しての中傷発言を改めたらタダでブッキングしてあげるよ、そこまで言ったんです。
・ 佐山 修斗にも色々な派閥があったから「もうやってられない」となった。スポンサーも絡む、みんな修斗という名が欲しいだけで集まってくる。でも、前田は今いいこと言ってくれたよね。
・ 前田 自分もリングスでブッキングをやっていたので、わかるところがある。でも、色々な人に会うと、今でも佐山さんとのいい思い出をみんなに言うんですよ。
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・ 真樹 二人の身近な目標は何だ?
・ 前田 自分のやってきた部分に責任を持ちたいですね。総合格闘技の創成期に関わった人間なんで、みんなが死んだ後も続いていくようなものにしたい。
・ 佐山 私は格闘技を一心不乱にやってきたから、今は精神的な部分をやりたい。戦後60年いまだに自立できない日本の精神的復活です。
・ 前田 佐山さんのお子さんも、もう大きいでしょう?
・ 佐山 今度高校1年だね。もうバスケットばっかり。でもよかったよ、前田とこうやって話せて。
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前田は出だしでピシャリと「佐山さんの激変」と言いつつも、佐山の格闘技界への貢献へのリスペクトを終始称えるような発言連発。特に、佐山が抜けた後の修斗に対する発言エピソードには驚いた。
対談の中で、後輩としての気遣いもみせた前田。佐山は前田の好意的な発言を素直に喜ぶ。全体的に因縁を引っ込めた対談となっていた。
かつて、前田は因縁の長州力の引退試合にかけつけたことがある。あのとき、2人の握手を表紙にした『週刊プロレス』、そのコピーは「時は神なり」。今回もまた、「時は神なり」という気がした。
ただ、2人の握手がないばかりか、一緒に写ったカットさえ1枚もないことが、この対談の緊張感をかえって伝えてもいる。
なぜ因縁が生じるかというと、強烈な主張と責任感があるから。対立してでも守らなければいけないものがある。貫かなければいけないものがある。そして、前田の「自分のやってきた部分に責任を持ちたい」という発言には、どこまでも自分を追い込もうとしている前田を感じてしまうのだ。
携帯サイト「プロレス・格闘技DX」での4/13更新分「大殿が斬る」には、前田のこんな発言が。
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Q.なぜ前田さんのような、リングスのような素晴らしい動きが、エンターテイメント主義に負けてしまうのかわかりません、悲しいです。頑張ってください!
A.パイオニアの悲しさで、その部分では織田信長と同じといえるんじゃないでしょうか? パイオニアは一番労力を使い創業した物を形にするため資金も使わないといけない。体力を溜め込むことができず、ある意味自転車操業だった。そこを豊富な裏資金を引っ張ってやっている人達に食われちゃったんでね。今に見ていろと思っていますので、これからも見ていて下さい。
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総合格闘技を興行として成り立たせる道、最初に示した団体がリングスだった。そこに倣うことができた後発団体は、確かにやりやすい点もあっただろう。ただ、リングスが参入障壁をつくりきれてなかったとも言えるし、パイオニアとしての“先進性”は、残念ながら途中からPRIDEに奪われていた。
リングスは市場原理に敗れた・・・しかし、一部のファンは前田とともに釈然としないものを引きずっている。「今に見ていろ!」過去を背負いつつも、未来へ向かって立ち上がろうとしている前田に、また触れることができた。
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ここで、前田日明側からの“佐山聡との因縁”を振り返っておきたい。
1992年11月23日、岡山大学祭「時代のカザムキは格闘王が変える! 前田日明メガバトルトーク」から。
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・ SAKAi(現・カクトウログ管理人) 当時もリングスで今やっているランキング(制定へ向けてのシリーズ)の日本人バージョン、やってましたよね(UWF実力ナンバーワン決定戦のこと)。
・ 前田 そうですね。あのとき、佐山のバカがどさくさに紛れてね(場内爆笑)。当時なんだかんだ言っても名前のある選手が彼なんで、UWFの人脈全部使って彼のスーパータイガージムの設立からバックアップして・・・そうやっているうちの興行成績は散々で、後楽園でやるぶんにはいいんですけど、地方では散々なんです。彼はユニバーサルによって作ってもらったスーパータイガージムというものによって、生活がとりあえず安定しているんですよ。だのに試合数がどうだとか(佐山は月1回を主張、前田は借金返済という現実派として対立)、ルールがどうとか・・・それはいいんですけど、パッと急にやると狂ってしまうんですよ、会社潰してしまう。彼はそういうことわからないもんだからすったもんだして、「俺はゴッチより強い」とか言い出して。それだったら俺が試してやろうと試合すると「前田、冷静になれよ」って。「アホか」ってって(会場笑い)。
・ S 佐山選手もプロレス界から去っていってしまったっていうのは(それだけのものだった?)
・ 前田 それよりも人間的な意味でね、ああいうゴミはいなくなったらいいんですよ(会場笑い)。例えばこういうことがありましたよ。佐山聡がプロレス界を去ってシューティングっていうものを作りました。そのシューティング自体は素晴らしいものだと思います。(佐山が)自分の著書として『ケーフェイ』っていうね、プロレス界の隠語を題字にした本を出したんですよ。プロレス界にとっては「何を言ってるんかなぁ」って本なんですよね。当時の週刊プロレスの山本さんが書いたんですよ。山本編集長もいろいろ問題のある人なんだけど、そういった点では純な人だから、本当、山本さんあのとき全員敵にまわして、「山本、ぶっ殺してやる」っていったような、危険を冒して書いた。それを去年くらいに本で(佐山が)「山本編集長、問題ありますよね。自分の言ってもないことを・・・あの中の話の10分の1も言ってない。あれ山本が勝手に書いたんですよ」って(山本氏は1991年東京大学、堀辺氏とのタッグ講演会でこれを否定)。
・ S 責任逃れ。
・ 前田 責任逃れで、誰も自分のケツ全然拭けないですよ。
・ S 今ごろ、急に言われてもね。
・ 前田 そうですよ。今、佐山さんのところでやってる、ユニバーサル時代の浦田さん。ユニバーサルが解散して、みんなで新日本に行くとなったとき、新日本から支度金が500万ずつ出た。それを誰も一銭も取らんと、5人で全部で2,500万円、浦田さんにあげたんですよ。それも忘れて(佐山は)最近UWFはどうのこうのとか言ってる。
・ S それでまた、佐山選手が「これからは客寄せパンダにもなるんだ」とか言ってます(『格闘技通信』)けれども。
・ 前田 パンダにもなれないでしょ(観客爆笑)。パンダは可愛いじゃないですか。やっぱりどんな選手でも、自分ら階級っていうか、階級というとおかしいけど、自分らの商売とか職業(プロレスラー)は世の中にあってもなくてもいいような職業なんですよ。別に何かを生産しているわけじゃないしね。誰かに役立っているわけじゃない。そのぶん、俺ら、まっすぐ生きないと、生きてる意味もないと思うし。そんな(まっすぐできない)人はやめてほしいですね。
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なんかボク、佐山との因縁を煽るような司会運びでしたね。反省。
当時は、前田が佐山のことをコテンパンに言った印象しかなかったんですが、シューティングをつくったこと、佐山提唱のルールの方向性は当時から認めている。『ケーフェイ』を書いた姿勢も、認めているようにも読み取れる。人間性を否定するかのような発言のオンパレードっていうイメージが大きいんですが、ボクらは行間を読んでいかないといけません。
「前田、冷静になれよ」って佐山が試合中に言った試合は、『週刊文春』にも登場した1985年9月2日、大阪・臨海スポーツセンターでの試合のこと。前田vs佐山、一騎打ち。
『無冠 前田日明』(佐々木徹著/集英社 1998年)では、前田の当時の心情がこのように記されている。
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・ 佐山さんが金的だとアピールした膝蹴りだけど、あれは金的には入っていない。ただ、佐山さんが金的だとアピールしないことには収拾がつかなかった。俺は本気で、あの一戦を最後にプロレスをやめるつもりだった。藤原さんに『やめます』と言ってすぐに大阪に帰ったんだ。
・ 俺が決意の“私闘”を仕掛けることで佐山さんの目を醒まさせたかった。ユニバーサルの将来を考えた場合、知名度からいっても俺より佐山さんをトップに据えた方が展開は広がると思ったわけ。
・ (しかし、藤原をはじめとする他の選手たちが)全員大阪に来てくれてね。『俺たちは佐山じゃなくお前とやっていきたいんだ』と言ってくれた。高田も『今度は俺が佐山さんを潰します』と言い出して。
・ それにしても、寂しかったのは佐山さんの心がちょっと変わってしまったことだよ。タイガーマスクに変身する前、新日本の道場で一緒に汗を流していた頃の佐山さんはまさに好青年、腰が低い人だった。それなのに・・・悲しいよね。
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選手の結束とは裏腹に、第一次UWFは佐山離脱とともに力尽く。新日本と提携へ。こうやってみると、『週刊文春』での対談と同じように、佐山の変身ぶりをなげいていることがわかる。
熱くなると、「因縁」が顔を出す。冷静になると、「寂しさ・悲しさ」が顔を出す。それが前田日明なんである。
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↓1年におよぶスーパーバイザーとしての活動、そしてビッグマウスとの決別。『週刊ゴング』No.1120(4/19号)巻頭インタビュー90分、全8ページ。前田日明が全てを語った・・・
・ カクトウログ: 前田日明「手を挙げたからにはさ、ちゃんとやりたいから真剣に動いたよ」
・ カクトウログ: ファンの感想、前田日明インタビュー
正しすぎる前田の発言の数々。“決別された側”のビッグマウス・上井文彦氏のリアクションは?
『週刊ゴング』No.1121(4/26)から。書き手は前田インタビューを担当した小佐野景浩氏。
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・ 上井氏「私は前田さんが言うことについては何も言うことはないですね。何を言われても構わない。前田さんを引っ張り出しておきながら、こういう事態になったのは私のせいなのは事実ですからね。私は・・・前田さんになら、何を言われたとしても反論しませんよ。まあ、いろんな方面で叩かれて・・・ここまで打たれ強くなったし、3・22後楽園があったから頑張れる。カッコつけられるまでやり続けます。
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前田インタビューのシメにあった「上井文彦、もっとしっかりせい、全責任は自分で負え、逃げるな、選手に責任負わせるんじゃない。歳とったらもっとカッコつけんかい!」に、上井氏なりに応えた格好となった。
前田インタビューは、前田と上井氏の関係における前田の正当性を裏付けるものだった。だけれども、前田流の上井氏へのエールのようにも感じたし、前田の最後の“やりたかったことの説明”のようにも思えるんですよね。ファンに対するものでもあり、上井氏に対するものでもある。
それに対して、上井氏は反論する必要はない。実験結果を出していくしかないでしょう。4・19ビッグマウスラウド後楽園ホール決戦まで、待ったなし!
・ BIG MOUTH LOUD OFFICIAL SITE | 試合情報
・ 4.19BML、対戦カードを当てろ!(スポーツナビ)
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対戦カードは選手が登場して初めてわかるという趣向のビックマウスラウドの東京・後楽園ホール大会「BIG MOUTH ILLUSION 4」で、「対戦カード当て抽選会」が行われる。
試合開始前の午後5時30分から1時間で、先着100人が対象。メーンイベントの柴田勝頼のシングル戦のほか、セミ以降3試合(シングルとタッグ)を予想する。当選者5人に選手の使用グッズかTシャツをプレゼントする。
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選手が登場して初めてカードがわかる! こりゃ選手一覧を逐一チェックしながら観戦ですね。速報するのタイヘンそうだ・・・。
そんな中、4/16更新分「プロレス・格闘技DX」でのビッグマウス・上井文彦氏の日記に嬉しい記述が!
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やっと、待ちに待った石川(弊社専務)が復帰して来ます。4・19には会場で動き回る元気な石川が見られるでしょう! 皆さんにも大変ご心配かけましたが、元気になりました。片腕がいなくて本当にシンドイ4ヶ月間だったですが、これで自分も百人力!
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石川専務、復帰おめでとうございます! 上井氏も熱いが、石川専務も熱い。ビッグマウスの巻き返しは、この名タッグから始まる!
今週の【週刊 前田日明】はここまで。
次週も前田日明を追いかけます!
● 前田日明&ビッグマウス関連 ●
□ ファンの感想、前田日明インタビュー 2006 4/14
□ ビッグマウスが会見! 2006 4/11
□ 休憩後に高山善廣vs柴田惣一氏トーク対決。対戦カードは当日発表?/4・19BML後楽園 2006 4/11
・ 前田日明、桜庭和志も祝福・・・宇野薫、昨年11月結婚していた(スポニチ)
↓前田日明も会見。5・3HERO'SでKIDvs宮田、秋山成vs永田弟、曙vsX
・ KID、秋山、過去を払拭する戦い=5.3HERO’S/ミドル級トーナメント開幕、ライトヘビーは8月から(スポーツナビ)
↓週刊前田日明バックナンバー、カクトウログ前田日明記事、関連サイトリンクはこちらで
・ 週刊 前田日明 ~unofficial~
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