前田日明「手を挙げたからにはさ、ちゃんとやりたいから真剣に動いたよ」
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1年におよぶスーパーバイザーとしての活動、そしてビッグマウスとの決別。『週刊ゴング』No.1120(4/19号)巻頭インタビュー90分、全8ページ。前田日明が全てを語った・・・
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読みました。これまでより踏み込んだところ、新たな事実、ハッとさせられたところなどまとめる。
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・ 2005年5月にスーパーUWFという方向性で上井氏と合意。その後、旧パンクラス、旧リングス系含めて二十何人の選手を自宅に呼んで、俺が飯を作って、上井氏も和田会長も来た。一番最後に帰った奴は翌日の昼過ぎ。「やろうな!」「これは面白いことできるな!」って言って。リングスのときだってさ、選手集めて飯食ったことなんてないよ。
・ 俺はK-1の金で海外連れて行ってもらって、K-1に悪いなと思いながらさ、オランダでドールマンに会ったりしてビッグマウスの動きしてね、ロシアには自腹で行ってさ。「こういうことが始まるから」って自腹切って交渉。連中はそれに備えて練習、試合をキャンセルして待っていてくれた。俺が怒るのは当たり前。
・ 手を挙げたからにはさ、ちゃんとやりたいから真剣に動いたよ、去年1年間。K-1とかやりながらさ。ビッグマウスからは一銭も貰ってませんよ。それどころか彼らにギャラの20%入れていたよ。結局、ビッグマウスは行き当たりバッタリ。「前田は言い出したらブレない」って言われたが、そんなの当たり前やないか。
・ スーパーUWFっていうのは、プロレスの中に総合があるんだよっていうのを証明する団体。今さら柴田や村上に総合を強いても無理だよ。スーパーUWFをやり出しても、多分、船木あたりが凄く苦労して下のモンに合わせるんだろうなって。船木も「それでいい」って言った。元パンクラス、元リングスの奴に柴田、村上が揉まれていったら、いろんな意味でよくなる。2年目から思いっきり回っていくという計算だったんだけどね。
・ 俺は柴田が一番、可哀想だと思うよ。船木に「どうしましょうか」って聞かれたから「可哀想だから、ちょっと練習やってあげてよ」って言ったんだよ、俺は。門馬との試合は見てないが、想像はつく。そういう試合、それ以上の試合を新日本や他団体のトップ連中とできるかが柴田にとっての壁。
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この他、徳島大会の舞台裏、現在のプロレス、自身の過去の経験、マッチメイクのこと、HERO’Sのこと・・・読みごたえあり。
前田日明が登場すると、雑誌も売れる。そんなことが言われるけれども、今回のインタビューは前田業界復帰後の最高傑作。決別への怒りも重なって、前田の情熱が満ち溢れている。このインタビューを提供してくれた小佐野景浩氏、週刊ゴングにも感謝したい。
今までで最も「スーパーUWF」の中身が明かされたインタビューだった。ポイントは2つ。
(1)「スーパーUWF」とは段階的かつ具体的な提案だったこと
(2)実現のために、前田は国内選手だけではなくドールマンらにも働きかけていたこと
ビッグマウスとの決別。そこには、自らの方向性を前田がビッグマウスに押しつけたかのようなイメージがあった。しかし、このインタビューを読むと、無茶を言っていたわけではけっしてなかった。現実に目を向けた上での戦略が「スーパーUWF」だったのだ。さらに、そのために注がれた前田の時間や身銭は大きすぎた。
決別後には、前田側と上井氏側、それぞれに立ったファンの主張があった。だけれども、はっきり言いたくなった。前田の主張は120%正しい。「ありがとう」という言葉しか出てこない。
おそらく上井氏、あるいは柴田勝頼、村上和成らも読んだら思うんじゃないか。「スーパーUWFってそういうことだったんだ」って。そんなインタビュー。もし誤解なく伝わっていたら、決別もなかったんじゃないか。
それほどに、前田が抱えるイメージは硬派で高圧的過ぎる。イメージというやつは、会話の障害となる。前田がいくら歩み寄っても合意には至らない。そこに、前田日明の不幸と、まわりの支援者・賛同者の不幸がある。もうこれは、ずっと繰り返されていること。いくら前田が丸くなってきていたとしても・・・。
歩み寄っても、きっちりプロレス界に厳しいことを言う。それはもう、本当に責任を持とうとしていることだと思う。前田はインタビューの最後にファンに投げかけた。
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・ 今のファンは優しすぎる。「プロレスがなくなったら困る。駄目だけど何とか・・・」駄目出しできなくなっちゃった。駄目出しされないから、「これでいいんかな」ってリング上が勘違いしちゃって。
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考えさせられた。このブログは、自分の気持ちに嘘をつくことなく表現しているつもり。ただ、プロレス界が駄目になるほど、いい面を見い出したいという気持ちが強くなる。自分の変えられないスタンスに対しても、前田から駄目出しを食らった。
プロレスが好きって、どういうことなんだろう・・・。
※後日、関連記事 2006.04.14 他のブロガー感想も
・ カクトウログ: ファンの感想、前田日明インタビュー
■□T.SAKAi
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» スーパーUWFを思う [おまえらの好きにはさせねえ!]
カクトウログさんのアツイ記事に誘われて、週刊ゴングを買ってきて、前田インタビューを読了しました。
前田のBMLからの離脱。まあ、なんとなくそんな感じは見えていたよな、という話で、特にサプライズは無かったです。要は最初から、前田と上井の間に、ボタンに...... [続きを読む]
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