田村潔司、10か月ぶり復帰までの道/主要発言集
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2月のアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ戦以来、10か月ぶりに試合をする田村潔司。大晦日PRIDE男祭り、美濃輪育久戦を決意するまでの苦悩と決意と謎に迫る・・・
* * *
長い沈黙から一転、大晦日参戦。2006年大晦日に、PRIDE男祭り・さいたまスーパーアリーナ決戦で美濃輪育久戦が決まった田村潔司。決断の裏側にあるものとは? ファンにとってはわかりにくいものの、“答えに近づく”ことは可能だ。
こちらのインタビュー記事、本人ブログをもとに検証していく。
・ 3年ぶりの大晦日参戦、田村潔司は何を思うのか?/「外国人同士のメインなんて、やる必要がない」(PRIDE公式)
・ 田村潔司のフルヌードブログ Powered by アメブロ
・ 携帯サイト「kamiproHAND」隔週連載、「田村潔司のあいのり人生相談」11/4更新分
・ 「週刊プロレス」No.1349(1/3号)
・ 「週刊ゴング」No.1156(12/27号)
・ 「kamipro」103号(9/29発売)「U魂伝承対談 田村潔司×中村大介」から。
・ 「kamipro」106号(12/21発売)田村潔司インタビューから。
さあ、スタート。
▼ノゲイラ戦後は何をしていたか?
[週プロ]ノゲイラ戦後は何をしていたか?
「ダラダラしてました(苦笑)。(ノゲイラ戦は)技術的にどうこうのっていうのはないけど、もうちょっとなにかできたかなって思う。その試合のあとは、本当にとくになにもしてなかった。練習もたまにしかしないでね。色々と葛藤もあったし、決断し切れてないで、流れに身を任せていたんだろうね。試合のオファーはあるようでなかったけど(苦笑)。2月以降は試合はあまりしたくなかったね。だって精神的にイヤでしょ(苦笑)。心境的にはいままでと変わらないんだけど、やっぱり歳をとると、そうなってくるよね。もうオレも、37歳だしね」
[プライド公式]『PRIDE』にはほぼ10カ月ぶりの参戦になるんですけど、この10カ月はどんな感じでした?
「確かに試合はしてなかったけど、こっちもジムの経営とかジム生の指導とか大会の運営とか、いろいろとやることがあってさ。ま、周りには「ウダウダしてますよ」って言ってるけど(笑)」
★カクトウログの検証
田村はノゲイラ戦敗北直後の控え室、若手にキックミットを持たせて練習をしたというエピソードがある。それほどショッキングだったわけで、長く尾をひいたことが「10か月の試合なし」につながったのでしょう。このあたり、かっこ悪さを田村は否定しなかった。いや、「10か月の試合なし」によって、田村はノゲイラ戦の重要性を自らに刻みたかったのかもしれない。
▼美濃輪戦を決めた理由っていうのは?
[プライド公式]今回そのいろいろあるなかで美濃輪戦を決めた理由っていうのは?
「う~ん……、やっぱり毎年、最近の大晦日って一年のなかでもかなり大きなイベントなんだけど、そこに出すメニューっていうか、目玉のカードがなかなか決まっていかなかったでしょ。それが自分の頭のなかにあったし、やっぱりこの世界の流れもあるからズルズル行くのはなぁ…、っていう気持ちもあったし……」
[プライド公式]ヒョードル×ハント戦は、かなり早い段階で発表しましたけどね。
「だってガイジン同士のメインなんて誰も見たくないでしょう!」
[プライド公式]誰も見たくない…、厳しいなぁ(笑)。確かに今年は、なかなか日本人絡みの主要なカードは出てこなかったですよね。
「ま、他の日本人絡みが決まろうが決まるまいが関係ないけど、ガイジン同士のメインなんてやる必要ないじゃん(キッパリ)」
[プライド公式]断言しますねぇ。
「だってそうだよ。ま、最終的には全体のカードが決まって、(自分のカードが)どう見えるかがポイントだと思うけどね」
[プライド公式]なるほど。
「それが伝わってるかは知らないけど、俺にとってはそこがこだわりの部分だから」
[プライド公式]要は年末のカードって、かなり切羽詰っても、決まっていかないことが過去にあったんですよね。
「いや、そうかもしんないけど、俺はまだいいじゃん」
[プライド公式]な、なぜだ!?
「例えば俺じゃなくて、いつも『PRIDE』に出てる常連っていうか、いつも周りから見てて「PRIDE愛」みたいなものを感じるような、イメージさせる選手がいるでしょう。そういう選手はなにをおいても真っ先に決めないとさ」
[プライド公式]てことは、田村さんには「PRIDE愛」はない? ま、LOVEはないか(笑)。
「俺にはLOVEはないよ。LIKEに行くかいかないか(笑)」
[週プロ]
「何人かオファーをもらって、そのなかだったら美濃輪クンかなって。美濃輪クンだから受けたのはあるけど、そこに理由はなくて、なんとなく美濃輪クンだから(苦笑)。いまのマット界の中で、かろうじてUWFを感じさせる選手だと思うし、確率的にいうといい試合になる可能性が高い。U系の試合が見せられるかなと思う」
★カクトウログの検証
敗戦を重ねると、どうしても主張をひっこめがちになってしまう。されど田村は主張を捨てない。スタイルを捨てない。なぜなら、それが使い捨てから逃れるスベであるからだ。勝つ以外の理由にたどり着いている点で、田村は純粋格闘技ファンから嫌われつつも、プロレスファンから慕われ続けている。
こんな発言をプレイバックしてみる。
・ DSEが「U-STYLE」の制作を協力
11・23有明コロシアムで「U-STYLE Axis」旗揚げ
(2005.10.11 PRIDE公式)
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田村「自分がUWFで育って、そのスタイルしか知らないんですが、今プロレスリングと呼ばれるプロレスが少なくなってきて、プロフェッショナルな部分で見ているお客さんに活力になるような試合を提供していきたいと思います」
――ビッグマウスラウドを意識する部分はありますか?
田村「自分は凄く意識しています。マスコミの表現を復唱すると「第3次UWF」と言われていますが、もとに帰れば発想は自分と似ていると思いますので、いい意味でライバル関係になればなと。UWFスタイルを広めるという意味ではすごく刺激になります」――ビッグマウスラウドでは船木誠勝選手が現役復帰するという話もありますが
田村「もしそうなった場合、どういうスタイルのプロレスをやられるのかは分かりませんが、凄い人材になる人ですし、僕と同じUの血が流れると思いますし、比較をしてもらっても構いません」
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あぁ、UWFスタイルとしての「ビッグマウスラウド」、そして「U-STYLE Axis」はどちらも挫折したまま・・・。
▼田村にとって試合に出る場合の一番のプライオリティとは?
[kamiproHAND]ファンの人たちからは「早く試合が見たい」って声は届いているでしょうけど、そういう声にはあまり左右されませんか?
「ファンの人は純粋だから言うだろうけど、業界の人って、たまに変化球投げてくるでしょ?」
[kamiproHAND]直球勝負ばかりではないですよね。
「純粋に言ってるのか言ってないのか判断しなきゃいけなかったり、悪いことではないんだけど金のために出てみようとか、そういうのがちょっと割り切れないというか。純粋な格闘家としてはストップがかかったりするからね」
[kamiproHAND]いろいろと難しいことがあるんですね。
「そうだね。ちょっとまあ・・・え~と、悩みが多い年頃なんで(笑)」
[kamiproHAND]アハハハハハ! 人生相談する側の田村さんが一番悩んでいると?(笑)。
「そうそうそう(笑)」
[kamiproHAND]もう今年も残り少なくなってきますけど、今年中に何試合かは見られると思っていいんでしょうか?
「いや、試合はね、全然やりたいと思ってる。それこそ、純粋な格闘家としての意見だったら調布(西調布格闘アリーナ)でやったりとかも考えたりはするけど」
[kamipro106号]やっぱり桜庭選手でオファーが来てたのと、そうじゃなくなったっていうのは大きな違い(それで今回は「前向き」に決断した)ですか?
「うーん、まあでも関係ないよ。もちろん毎年出るにこしたことはないし、これまでも出たい気持ちはいっぱいだけどねぇ。だから、相手だったり、会場だったりっていうのは、俺の中ではそんなにこだわりはない感じなんだけど」
[kamipro106号]え、こだわりないんですか?
「あるようで、ない(笑)」
[kamipro106号]じゃあ、田村さんが試合に出る場合の一番のプライオリティっていうのはなんですか?
「だから、そのときの状況」
[kamipro106号]それは田村さん個人の状況ですか? それとも格闘技界の流れということですか?
「両方だね。あとは調整もそうだし、状態もそうだし、だから全部かな。こう言っとけば、都合のいいときに試合に出れるからね(笑)」
[kamipro106号]真面目に答えてくださいよ!
「たとえばさ、去年なんかだと小川vs吉田とかがあったでしょ? そういうのがあるんだったら、べつに俺は出ても出なくてもいいんじゃないの? って思っちゃうんだよね」
[ブログ]出場を決めようって思った言葉はあったんですか?
「決めようと思った言葉は無いですが 周りの状況、で決断しました。昨年までは正直腰が重かったのですが、今はとにかく頑張るしかないのです。主催興行を打つって事はかなり、重労働で大変なんです。」
[プログ]何で、大晦日にだけ参戦するんですか?
「そんなつもりは無いのですがそう思われるならそうかも知れません。主催者側の考えもあると思いますが、出場するためにはオファーを頂かないと出場が出来ません。出場出来る事は光栄に思います。」
★カクトウログの検証
けっして自分をブッキングすることの敷居を下げない田村の頑固者としての姿勢がうかがえる。けっして、金銭面での敷居ではない。田村でしか語れないモノサシによって決まっていく。そこに毎年のように付き合っていくPRIDEは本当に立派だなぁ。
▼PRIDE以外にも選択肢はあったと思いますが
[kamipro103号]じゃあ、田村さんが『HERO'S』出るのは?
「いち選手として考えると凄い簡単(アッサリ)。」
[kamipro103号]そっちは簡単なんですか(笑)。
「簡単なんですけど、やっぱり難しい問題は出てくるよね。逆に俺が『HERO'S』に出ることによって、U-FILEにも迷惑がかかる場合があるから。まあ大人の事情はありますよ!」
[ブログ]ファンは、ずっとリングの上の田村さんを待ってました。PRIDE以外にも選択肢はあったと思いますが、PRIDEのリングを選択した理由、今まで沈黙していた理由を教えて頂けたら嬉しく思います。
「PRIDE以外にも選択肢?正直にありました。目的をどの方向に持って行くかだと思います。簡潔に申し上げますとPRIDE以外に行く理由がなかったって事です。」
[プライド公式]いや、ブログにあったユーザーからの質問で「PRIDE以外にも選択肢はあったと思いますが、PRIDEのリングを選択した理由、今まで沈黙していた理由を教えて」ってところに、「PRIDE以外にも選択肢? 正直にありました。目的をどの方向に持って行くかだと思います。簡潔に申し上げますとPRIDE以外に行く理由がなかったって事です」って答えてたり。かなり意味深じゃないですか。
「そう……、言われればそうだけど、あんまり付き合いがいいほうじゃないからさ」
[プライド公式]ど、どういうことですか?
「だから、付き合いがよくないとねぇ、あんまりお誘いもなくなってくるんだよね(笑)」
[プライド公式]田村さんみたいに、自分の世界を持ってたら関係ないような気もしますけどね。
「う~ん…、そうだけど、やっぱり寂しいもんだよ(笑)でもさ、きっと大晦日の雰囲気は『PRIDE』のほうがいいと思うよ」
[ゴング]HERO'Sに出場するという選択肢もありますが。
「基本的にニュートラルな立場にいますが、K-1(HERO'S)とPRIDEに分かれていてアメリカ人のようなドライな面と加えて情も持っていないと。でも現時点では(HERO'Sに)行く理由がないですし、PRIDEに愛着もあります」
★カクトウログの検証
ここには引用しなかったが、「kamipro」を読んでいると、これまで歩んできた場としてのPRIDE、そのテレビが消滅したことが、田村の決意に火をつけたようにも読み取れた。毎年のPRIDEのアプローチは、ここにきてやっと花開いたとも言えるでしょう。
総合格闘技としては、PRIDEがやはり最高峰の舞台。HERO’Sに行ったとしても、HERO’SがリングスルールやUWFルールになっていくわけではない。それが「行く理由がない」ということなんでしょう。
▼桜庭和志について
[プライド公式]去年の大晦日に、美濃輪選手は桜庭選手と試合をしてますけど、それは気になりますか?
「う~ん、気にならないことはないけど、そこはあんまり気にしてない」
[プライド公式]桜庭選手の件でいうと、毎年この時期に対戦が噂されてましたけど、今回は『Dynamite!!』に出るじゃないですか。それって田村さん的にはどう思うんですか?
「どうって…、いや、気持ちは特に変わらんよ」
[プライド公式]もう半年前になりますけど、桜庭選手が『PRIDE』から移籍することを表明した時はどう思いました? アリかナシかも含めて。
「俺はアリなんじゃないかと思ったけど。アリっていうか、それもサクの生き方だと思うから」
[プライド公式]生き方?
「生き方っていうか、ああするしかなかったんじゃないの? あらかじめ「行きます」って言っても誰かに止められるだろうし。結局は行動に移すしかなかったんだろうね」
[プライド公式]大晦日、桜庭選手は秋山成勲戦が決まってるじゃないですか。正直、秋山有利っていう声もあるんですけど、田村さんの予想は?
「へえ~。秋山有利なの? なんで?」
[プライド公式]なんで? と言われても……(笑)。
「俺は全然サクだと思うけどね」
[プライド公式]あ、そうですか!
「普通にサクが勝つと思うけどなぁ。なんで秋山なのかがよくわからない」
[プライド公式]じゃ、なんで勝つと思うんですか?
「やっぱり日本人が相手だと強さを発揮するんじゃないかな、サクは」
[プライド公式]じゃ桜庭戦手が勝ったら、俺が闘うと(笑)。
「なんでよ!(笑)」
[kamipro106号]
「ぜんっぜん桜庭だよ! 俺、予想がハズレたら坊主になってもいいよ!」
★カクトウログの検証
ここまで桜庭の勝ちにこだわるのは、田村流の“仲間”への愛情なんでしょう。もちろん、自分と対戦するまで桜庭の“価値”が落ちないでほしいという願いもあるはず。桜庭戦は、「桜庭が負けたら田村潔司丸坊主マッチ」に決定? まぁ、田村は高田延彦引退試合を丸坊主で闘っているから、微妙な決意かな(笑)。
▼美濃輪戦でのコスチューム、そして大晦日以降は?
[ブログ]赤いコスチュームを禁止されたら、何色を選びますか?
「禁止されたら、青パンでとりあえず入場しておいてミルマスカラスばりのオーバーザ・パンツで赤パンをはいておく」
[ブログ]今回の試合ではヒゲ剃りますか?
「ヒゲはそります 基本的に試合前には 髪も切り ヒゲも剃ります。今の所はソリソリ方向で・・・・」
[プライド公式]『PRIDE』にはいま4階級ありますけど、そのベルトを狙っていくっていう気持ちはないんですか?
「興味はもちろんないわけじゃない。俺に限らず、格闘技をやってる人なら、誰でもベルトはほしいでしょう。ただ、こればっかりは縁じゃないけど、こっちの思いとは別に、そういうチャンスをもらえないとさ。だから、それをもらえるように頑張りますよ」
[プライド公式]それが桜庭戦…、じゃなかった美濃輪戦になると(苦笑)。
「そうだね(笑)。やっぱり格闘技って殺伐とした雰囲気があるけど、そのなかで選手も観客も楽しんで、一体感ある空間がつくれたらいいなって思うから。それが理想かな」
[ブログ]今回参戦するにあたって、PRIDEのベルトに興味はありますでしょうか??
「そうですね 興味は勿論あります。格闘技やってる人はベルトは皆欲しいと思います。勿論自分もその一人です そのようなチャンスもらえるように頑張ります。
反面 格闘技は殺伐とした雰囲気がありますが 選手も観客も楽しんで、一体感ある空間も理想です。」
[ゴング]
「桜庭戦に限らずすべてタイミングです。今までの僕は他力本願でしたが、今はU-FILE田村潔司として仕掛けていかないといけない時期なので、主体的に。今考えているのはウチのプロレスを充実させたい。STYLE-Eや頑固プロレスであったり。若い子も育ってきているし、自分も無責任なところもありますが、頑張っている人に少しでも光を浴びてほしい」
[ゴング]田村選手の活躍で彼らにもより多くのチャンスが巡って来るでしょう。
「そうですね。いろいろ全体的に考えざるを得ないでしょうね。ちゃんとした決断は出そうと思っています」
[ゴング]過去の自分が「わがままだった」と思うようなことは?
「でも若いうちはいいんじゃないですか。生き残るか、生き残れないかの問題なので。生意気言って潰れる人だっているんだし」
[ブログ]大晦日の参戦をキッカケに、U-STYLEの興行を再開しちゃおう、みたいなプランはないのでしょうか?
「そうですね。大晦日のきっかけでの発表はない予定です。
今少し色々と考えてます。コメントの欄にもユースタイルの件でアドバイスしてくれた方います今回のようなコメントは心強いですし、応援してくれている方がいると頑張らないといけない思います」
★カクトウログの検証
田村はまだまだ潰れていない。田村の一戦のために、今回も記者会見が開かれた。田村を応援するために駆けつけるファンも多いだろう。ただ、田村ファンっていざPRIDE会場に駆けつけると、アウェー感を感じてしまって楽しみ切れないんですよね。
* * *
発言を振り返ってきたが、ちょっとした発言も、媒体を変えると突っ込んで発言されていたり、ニュアンスが変わっているから面白い。そして、自らの価値を安売りしない頑固な姿勢、総合としての第一線とプロレスラー魂の両立を追究する姿勢は、さすが、田村潔司なんである。
時代は残酷までにリアルであり、UWFという灯火はもう極限まで小さくなってしまった。“真っ当”に生きちゃダメなのだ、頑固すぎるくらいにいかないと。一方で、試合はやらないとあらゆる説得力がなくなってくる。田村が仕掛けるムーブメント、2007年に再開なるか。待ってます。
■□T.SAKAi
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