KID、右腕負傷で病院直行。2回戦で敗退/全日本レスリング選手権
総合格闘技HERO'Sミドル級王者がレスリングに挑戦。昼間に地上波で放映された。
・ KIDに緊急事態!! 救急車で病院へ直行(K-1公式)
・ KID、アテネ銅の井上に16秒で敗戦、腕を負傷=レスリング(スポーツナビ)
・ KIDアテネ銅に完敗/レスリング(ニッカン)
##
天皇杯全日本レスリング選手権大会最終日が28日、東京・駒沢体育館で開催され、全21階級中4階級が行われた。フリースタイル60キロ級に出場した山本“KID”徳郁は、06年全日本社会人選手権3位の土田章博(自衛隊)と対戦し、初戦をストレートで勝利するも、2回戦で当たったアテネ五輪銅メダリストの井上謙二(自衛隊)にわずか16秒負け。2回戦で敗退という結果となった。
井上の巻き投げが完ぺきに決まり、KIDはマットにたたきつけられると苦しい表情で右腕をかばった。骨がずれ、脱臼のような状況で痛みをこらえながら控室へ。その後、救急車に乗って会場をあとにした。
8強入りした山本は9月の世界選手権(アゼルバイジャン)の選考会となる6月の全日本選抜への出場権を獲得した。
##
テレビを観たが、減量したKIDは精悍さを増した表情でマットに立つ。赤のアマレスタイツがなかなかカッコいい。1回戦では第2ピリオドに片足タックルからの豪快な投げ、アグレッシブな勝利で見事だといえた。
2回戦。KIDは相手の井上にスピードが乗った巻き投げを食らう。食らいながら手をついて、曲げてはいけない方向へとヒジが曲がっていった。手のつき方は正確には違うが、かつて吉田秀彦が柔道家時代に手をついて負傷したシーンを彷彿させる。そのまま抵抗することなくKIDはフォール負けとなったが、同時に左手で相手の背を叩いており、「タップ」の意思表示。
立ち上がったKIDが左手で下から支える右ヒジ。外れているように画面越しに見えて、長期欠場の可能性を感じさせた。セコンドの父・郁栄さんが駆け寄る。まさに悪夢だ。
KIDのコメントがテレビで伝えられる。「軽くケガしちゃったんで、ガッチリ治してきます」
8強入りしたことで、「9月の世界選手権(アゼルバイジャン)の選考会となる6月の全日本選抜」への出場権を獲得したKID。ここで優勝すればプレーオフで代表権を争うことになるんだという。道は閉ざされなかったが、険しくなったことは間違いない。
レスリング界に起こったKID旋風は、まさかの負傷劇で始まった。実力的に通用していくかどうかは、わずか2試合ではわからない。負傷がどれほど長引くかも未発表。
ふつうに考えたらありえない挑戦に、真摯に取り組んだKID。身体的にも、抱える野望という点でも、やっぱり、モノが違う。レスリングの他の試合は地味だったが、そこにKIDがいる光景には確かな興奮があったのだ。■□
« 第3者が削除、前田日明ブログに何が!? | トップページ | 1・28無我ワールド後楽園ホール、速報観戦記まとめ »
« 第3者が削除、前田日明ブログに何が!? | トップページ | 1・28無我ワールド後楽園ホール、速報観戦記まとめ »