桜庭和志の怒りと、命懸けの記事
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ダイナマイトでの桜庭和志vs秋山成勲。クリーム塗布で失格となった秋山だったが、失格裁定が下る前から桜庭の視点に立った記事を書いたライターがいた。藤本かずまさ氏が明かす・・・
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藤本かずまさ氏というと、年明けの『週刊プロレス』で(秋山成勲クリーム塗布失格が発表される前に)桜庭を擁護する記事を書いたことがセンセーショナルだった。また、発表後『格闘技通信』の巻頭座談会では、「皆さんはどうだったんですか? おかしいとは思わなかったんですか?」とのセリフで各記者の姿勢を正すかのような訴えをみせていた。
そんな藤本氏からみた、桜庭和志物語。
桜庭和志という太陽が一瞬でも再び輝かないものか。そう信じているファンには、こちらのエピソードはショッキングなものとなる。
・ 藤本かずまさ かっこいいカラダ:2007年01月
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▼2007年01月06日
桜庭選手は今年で38歳になります。彼はテーピングなしでは正座ができません。すぐにヒザがはずれてしまうからです。ミルコ戦で眼窩底骨折を折って以来、視界の上の部分が二重に見えています。それでも、練習と治療を平行しておこないながら、リングに上がりつづけています。グレイシーを打ち破っていたころのような華麗なムーブは、もうできないかもしれません。
Dynamite大会終了後のバックステージ、ぼくのまえを20歳前後の若者が「桜庭って弱いんだな」とつぶやきながら通りすぎていきました。
ぼくは思います。いまこそプロレスファンに応援してほしい。
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正座すると、ヒザが外れる。視界の上部が二重に見える。過酷な闘いは、かくも桜庭を蝕んでいた!
この桜庭の状態と大晦日の関連を、携帯サイト「週刊プロレスモバイル」で藤本氏がこう記している(1/27更新分)。
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桜庭和志の“座席”は大晦日決戦のメインエベントに用意された。闘いは試合前の準備段階から始まった。桜庭は決して練習のみに専念できる体調にはなかった。ジムと平行して病院にも通った。毎日が治療と練習の繰り返し。痛めた腰に氷をあてながら帰路についたこともある。そういった日々を積み重ねながらコンディションをゆっくりと整えていった、すべては大晦日のために。そして迎えた12月31日、桜庭は珍しく、本当に珍しく現状ではベストと思える体調をつくりあげることができていた。あとは実際にリングに上がって、お客さんに満足していただけるだけの試合を提供するだけではある。メインイベントのゴングがついに鳴らされた。相手の脚が自分の両腕からヌルッと抜けた。その瞬間、桜庭が時間をかけてこつこつと築いてきたものが、すべて台無しとなった。
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毎日が治療と練習の繰り返し。とにかく“基準”を低いところに置かざるを得ない状態。そんな中での大晦日のコンディションは“ベスト”だったのだ。
桜庭の大晦日の感情の高ぶりは、秋山への「怒り」だけではなかったんだろう。せっかく積み上げたものを台無しにされた「悔しさ」。もっていきようのない感情が、かつてない桜庭を露出させた!
ファンとしては、こんなエピソードを読まされたら、ますます秋山への怒りが込み上げてくる・・・。
これを補足するかのような記事が、携帯サイト「週刊プロレスモバイル」で安西伸一氏によって記されている(1/25更新分)。
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(大晦日決戦直後、バックステージ)
藤本「こうなったら、どちらの言い分を信じて記事を書くかですね。僕は桜庭を取材してきて、一度も裏切られたことはない。僕は桜庭を信じますよ」
安西「でも現時点では、秋山の体もチェックされた上で問題ないということなんだよ。それでも桜庭だけのことを信じて記事にするのは危険なことなんじゃないの?」
藤本「それでも僕はやるしかないですね。どちらかを選ぶしかないのなら、リスクをおってでも」
そんなことを言ってるとき、見知らぬ若者がこんなことを言いながら藤本の横を通った「桜庭って弱いんだね、案外」。これを聞いて藤本君は、どう記事を書くかを決意したという。桜庭がこの試合でそう思われることが、納得できなかったのだ。人間、立場的に追い込まれると、逆に物凄いパワーが出るものだ。出来上がった週プロをみると、藤本君の記事は明確に、桜庭を信じて書き上げたものだった。(秋山は後日、クリーム塗布を謝罪)逆の結論が出たら、藤本君は全ての信頼を失いかねないところだった。結局、藤本君の信念は、記事の中で生きた。ひとりのフリーライターが、取材してきたプロレスラーを信じて書ききった、あれは命懸けの記事だったのだ。
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こうして藤本氏は、大会直後の桜庭戦の週プロ記事で「すっごい滑るよ! 滑る!」という桜庭のアピールを大見出しにもってくる。桜庭のアピールが届かなかった点をリポートした。
主催者発表を鵜呑みにせず、信じてきた桜庭の感情と、状況証拠を背景にペンを取った藤本氏。とったプロセスは業界的にはフライングぎみだったが、ジャーナリズムとしてはとてつもなく正しい役割を果たす。
業界誌は何のために存在するんだろう? 主催者との密な連携は欠かせないから、真っ向から告発するような記事は書けない。息苦しい中で、それでもなお、主催者や選手との密な連携を元に出していくことが最適解だと信じている、といったところか。
それ以上に大切なのは、格闘技への愛情があることだ。好きだからこそ書ける記事にやりがいも読みがいも出てくる。けっして売り上げは追い風とは言えないであろう中で続くのには、そうとうな気持ちがあるに違いない。
今回のようなアクシデンタルな場面には、葛藤が生まれる。秋山が何かを仕掛けていたというのは、あまりにも常識はずれ。されど、業界隆盛の立役者である桜庭の主張を退けるのもひっかかる。揺れる中で、藤本氏の背中を「桜庭って弱いんだね、案外」という声が押した。
失格裁定の翌日、ブログで藤本氏はこう記す。
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▼2007年01月12日
ノーコンテスト
裁定はノーコンテストですが、
これは全国の桜庭ファンが勝ち取った“勝利”です。
みんな、よくやった!
「桜庭の勘違い」という結論が出されたらライター辞めなきゃいけないと思っていました。
桜庭和志を信じて本当によかった!
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闘いを取材していたら、自らが闘いを選ぶことは自然なことでもある。何より桜庭が積み上げてきた歴史がものをいった。ファンにとってもそうでしょう。野次馬的な側面もあったが、ファンにとっての感情は「桜庭に謝れ」。ふだん温厚なボクのまわりの知人が何人も、怒りを露にしていた。
好きな桜庭と一緒に闘うという当たり前な行動に出た藤本氏。記者である前に男だったともいえるし、それは「格闘技への愛情」が炸裂した行動でもあったのだ。
※2/1追加記事
藤本氏本人がブログ上でカクトウログ記事にリアクション
・ カクトウログ: こんどはみんなが桜庭和志を支える番です
■□T.SAKAi
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