桜庭和志 僕がいちばん言いたかったこと。
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大晦日決戦後、桜庭和志が雑誌に登場するのは初めて。あの試合の一部始終、そして、総合格闘技の未来を語った独占インタビュー。2月1日発売の『Number』671号に掲載された・・・
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ナンバー、日本サッカー監督イビチャ・オシム氏が表紙の号。こちらに桜庭和志の記事が出ていること、読者に教えていただきました。ありがたい!
↓アマゾンにも出てました、貼っておきます
・ Number_070215
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671号 / 2月1日発売 / 定価530円(本体505円)
◆独占インタビュー◆文◎石塚隆
桜庭和志「僕がいちばん言いたかったこと」
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大晦日の一戦後、専門誌が取材しようとしてもできなかった(主催者側が断っていた)。1月17日には、桜庭和志本人が会見を行った。いったん事態が“収拾”されたタイミングで桜庭が改めて口を開いた場。それは、専門誌ではなくスポーツ総合誌だった。
(インタビューはカラー4ページ分)
あの試合・・・秋山成勲戦を振り返る。
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・ 試合後あそこまで怒ったのは、試合を公平な立場でやりたかったから。僕はどちらかと言うと組み技系の選手。体に何かを塗られると、公平な試合はできない。何よりお客さんを喜ばすことができない。
・ (滑る感覚)経験したことのない異常さだった。相手と組むときに例えば肘の関節部分や上腕の筋肉の盛り上がっている部分を引っ掛けたりつかんだりするんですが、まったく指に掛からなかったんです。ベビーローションがほんの少し滑らなくなった感触というか・・・。似ているなと思ったのは整髪料をつけている人とのスパーリングですね。練習で汗をかいて整髪料が全身にまわって掴めなくなることがありました。今回はそれ以上。
・ 踵の部分に触れたんですけど、ふつう多少なりとも指にひっかかるはずなのにスルッと抜けてしまった。
・ (秋山のパウンドを食らいながら)下にいるとき何かしなくちゃいけないと半分は頭の中では思ったけど、もう半分は滑るから何もできないよって。ただ、選手にしてみれば相手が何を言っていようとレフリーが止めないかぎり攻撃を休めることはしないし、あの状況ではしょうがない。
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あの試合をここまで詳細に明かしたのは初めて。桜庭が言いたかったのは「試合を公平な立場でやりたかった」という当たり前の願い。
相手をひっかけてつかみにいく桜庭のコメントには、IQレスラーとしての顔が露出する。と同時に、つかめなかった状況まで詳細に語ってみせた。整髪料が流れたとき以上に滑ったんだという。
試合中に殴られ続けたのも何かの主張では? そうファンから推測されてきたが、その点についてのナンバーの突っ込みは甘めか。ただ、「半分は滑るから何もできないよ」というところから、殴られるしかしょうがなかった様子はうかがえる。それだけどうしようもない事態が起こっていたのだ。
桜庭の話は“これから”へと移っていく。
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・ 彼に限らず、ある選手が体に何かを塗って試合をしたという話も聞いたことがあるし、そういう意味では、まだまだ総合格闘技には課題があるんだなって痛感しました。体に何かを塗るのは、ルール以前にモラルの問題。ゴルファーがスコアを改ざんするようなもので、モラルを守れない人には厳しい処罰を与えるといった規則整備も必要ではないでしょうか。
・ 今回の判断は、世間に総合格闘技がしっかりとしたスポーツという印象を与えるためにはよかったと思います。野球やサッカーがどこの国だろうと同じルールの下で盛んに行われているように、総合格闘技も誰もが納得するルールにしていかなくてはいけない。
・ 僕の選手生命はあと数年で終わるでしょう。だから、やっているうちにしっかりとしたルールはつくっておきたいなって。
・ 第1回の『Dynamite!!』みたいに、HERO’SもPRIDEもUFCも集まって試合をする。絶対に盛り上がるはずですよ。でも、まずは次の試合に向かって練習しなきゃ。そろそろまたブラジルへ修行に行ってきますよ。
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抜き出したのは一部。発言のニュアンスなども含めて、ぜひ購入もしくは立ち読み(?)でご確認いただきたい。ナンバーによる記事のまとめも、見解も、なかなか秀逸でした。
桜庭による「ゴルファーがスコアを改ざん」という例はわかりやすい。モラルの話は、その通りですね。お互いを尊重するものがなければ、闘うことなんてできない。格闘技は、ゴルフ以上に生死にかかわるスポーツ。ふだんと違う感触のまま闘ってしまい、桜庭がとんでもないアクシデントに見舞われる可能性だってあったのだ。
抜粋には含めなかったが、ルールミーティングに出たときのことにもインタビューでは触れられていた。選手側に意見を聞くのは画期的なことなんだという。改めて思うのは、どちらかというとユーモラスでドライな印象もある桜庭が熱くルールづくりに取り組んでいるんだなぁということ。
PRIDEの地上波放送中止、ダイナマイトでの秋山成勲失格。自らの身体を削ってつくってきた世界・・・これがなくなるかどうかのピンチに見舞われているのだ。もうまわりに頼っているだけではダメ。そんな桜庭の叫びさえ聞こえるのである。
ひとつ提案があるのだがどうだろう? 桜庭は1月17日に会見を開いた理由として、「桜庭の本意ではない報道や噂が流布されていた」点を挙げていた。クリーム問題以外の点である。グローブ異物問題への追及も一部ネット上で引き続き見られるが、これ以上ファンの立場からやっても暗いイメージを引きずるだけになりはしないか。そんなことを考えた。
「僕の選手生命はあと数年で終わる」としながらも、「HERO’SもPRIDEもUFCも集まって試合をする」という夢に向かって、「いったんブラジルへ修行に行ってきます」との前向き姿勢をみせた桜庭。インタビュー中は明るさを取り戻す様子がみてとれたようだ。もういちどコンディションをつくり直し、ボクらの目の前に戻ってくる日がやってくる。そのときには、せいいっぱいの桜庭コールを送りたい!
初期のPRIDEには、アントニオ猪木が観客総立ちで迎えられるというシーンもあった。プロレスや総合格闘技の先達たちは、ずっと尊敬される存在でいてほしい。たとえ、引退したとしても。桜庭も偉大な先達となることは間違いないが、ジャンルそのものが消えたりスケールダウンしてしまっては、桜庭が“迎えられる”場さえなくなる。そのために、自戒も込めて、ファンもジャンルに対して「あたたかくも厳しい、的確な指摘」をしていかなければと思う。
■□T.SAKAi
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