長州力が前田日明を一刀両断【週刊 前田日明】
pick up PRIDEラスベガス[大会速報/DSE榊原代表総括/速報写真@長尾迪]┃26日(月)18:10~ノア小橋建太出演予定 東京FM(80.0MHz)「Evening File」(18:00~13:30生放送)┃須山浩継伯爵の身勝手日記[DDT後楽園~アパッチ新木場/ポーゴさん見舞い]┃K-1トライアウトにGRABAKA・山宮、ライズ・百瀬、チームドラゴン3名など、9名が合格┃3・4K-1開幕戦横アリ全カード┃観光大使にプロレスラー・崔さん起用 和歌山┃永田克彦選手格闘技セミナー/新日本プロレス2007年度入門テスト┃中村ノリの中日入団が決定
前田日明が足りない世の中に、とことん前田日明を発信してみる。毎週日曜日は、前田日明関連の動きをできる限りカクトウログが追う「週刊 前田日明」の日です。連載第51回のラインナップ▼長州力が前田日明を一刀両断▼前田日明が語る、第2次リングス・・・
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情報をキャッチしていながら、最新1週間(月曜から土曜まで)で取り上げなかった前田日明の話題、あれば翌週送りせず日曜にまとめる。あと、1週間で取り上げた前田関連記事、主要記事リンクも再集約しておくことにします。
(週刊前田日明バックナンバー →「週刊前田日明」参照)
この連載を毎週見ておけば前田関連の動きは逃さない! 理想はそこですが、どうなるか。
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2月19日に収録、サムライTV対談番組『Versus』で前田日明と長州力が対談を行った。
・ 前田&長州がプロレス界にカツ!(スポニチ)
・ 長州&前田 顔面襲撃事件語った(デイリー)
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番組の放送日程
■3月18日(日)22:00~23:00
■3月19日(月)8:00~9:00
■3月19日(月)19:00~20:00
■3月20日(火)25:00~26:00
■3月22日(木)15:00~16:00
■3月30日(金)10:00~11:00
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詳細は放映されますし、『週刊ゴング』にも出るんでしょう。されど、一部を携帯サイト「モバイルゴング」から引用。当コーナーなりの検証をしておきたい。
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=2人の初対面=
■長州「(入門したばかりの前田を見て)身長はあったんだけど、ひょろっとしてて。でも色男で可愛い顔はしてましたよ」
★前田「(そのまま同じ車で移動することに)自分は助手席に乗って、後ろに長州さんが乗ってて。僕も挨拶しようとチラ見したんですけど、こんなゴリラみたいな体型をした人が世の中にいるんだなって思いましたね(苦笑)」
=長州はジャパンプロレス、前田はUWFへ=
■長州「(UWFができたころの前田は)ギスギスしたものが出てきましたよね。俺たちはリングの中で自分たちが持っているものを全て発揮しないと我慢できないという独占欲があった。ギスギス感とはちょっと意味合いが違うんだけどね。日明の場合は身体からそういう匂いが出てきてたよ。それがUWFにつながっていったというものがあると思います。日明の匂いがいいものだと思う感覚の選手が、日明を起点に出てきたというのは間違いないですよね。
その匂いは僕たちにとっては意味のない匂いだったんですよ。もっと言い方を変えれば受け入れられない匂いですよね。日明の場合は独占欲という感覚がなかったと思うんです。日明が求めた匂いは俺が一つの流れの中で作った集団とは全く違ってましたよね。その辺から新日本の分かれ目が出てきましたよ。猪木さんが言っていることと自分から出ている匂いの矛盾さを感じたんじゃないのかなと思うんですよ。
猪木さんも先駆者なんだけど、自分が言ってることと“今のものを変えなきゃいけない”ということでやっていることにギャップがあったような気がするんだよね」
★前田「猪木さんはいつも足元を見て言ってましたよね。上を見上げて言わないで。だから同じところをぐるぐる回っているんだと思いますよ」
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長州が自分のもっていたものを“独占欲”とし、前田がもっていたものを“匂い”と表現したのは、なかなか言い当てている。すでにあるものを占拠するのが長州の闘い。ないものをつくりあげてきたのが前田の闘い。
長州にとっては、独占しようのないジャンルを前田が新たにつくりあげようとしたように見えた。従来にはない、それは脅威だったんでしょうね。
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=長州&アニマル浜口組について=
★前田「2人のコンビネーションを壊すことができないんだよね。途中から頭に来て、浜口さんに思い切り右ストレートを入れても、平気な顔してるんです。普通だったらこの野郎って来るじゃないですか。浜口さんは無視してずっとやるから。何にもさせないっていうような。今の若いヤツにあの時代のあの雰囲気を経験させたら、プロレスはもっと変わりますよ」
■長州「今のヤツらは今のヤツらで考えてますよ」
★前田「優しすぎますよ! えらい好好爺ですよね」
■長州「俺はもともとこうだから(笑)」
=後楽園ホールでの顔面襲撃事件=
■長州「俺たちが出たり入ったり、日明たちも出たり入ったりしてて、最終的に違ったものが新日本にタイミングよく集まったときに、あの後楽園があったんだよ。
日明たち匂いを持った集団と、俺たちの独占欲の強い集団と、また相まみえたときはまったく違ってましたよ。これはあくまでも自分の感覚ですけど、“絶対俺たちが一番なんだ”という中で、これは譲れる、これは譲れないというものがまったくなかったですから。それが後楽園でぶつかったときにああいうものが起きたという」
★前田「自分と長州さんは純粋だったんですよ」
■長州「その(顔面襲撃事件の)インパクトを俺は糧にしなきゃいけないなって。そういうものを付け加えながら来たのが長州力ですよ。この存在になるまで無事故無違反で来れるってことはないですね。だから今でもうるさく思われる存在でいられるというか。無事故無違反でこの業界を通り過ぎるのは無理だと思いますよ。
日明、よく考えてみな。無事故無違反で名を残した人間はいないよ。お前の免許なんか免許でストップなんだから。でもそうじゃないとこの業界は作れなかったって」
★前田「でも、そういう選手が今は全然いないじゃないですか?(その後も厳しい言葉を続ける)」
■長州「お前、俺の世界に入ってくるな(苦笑)」。
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今のプロレスを、長州は肯定。前田は否定。
ふつうは自分のこと(浜口とのタッグ)を持ち上げてくれてるんだから、受け身を長州がとるはず。それを想定して、前田も振ったはず。なのに、長州は真っ向反論。これはもう、言いたいことをちゃんともってこの対談に臨んだってことなんでしょう。
突っ込まれて「入ってくるな」って言うのは、ちょっと子供の喧嘩のようでもあり、自分のジャンルを跨がせないという威圧でもあり・・・・。長州ってすごいぞ。
対談の中での戦火は拡大していく。
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=今のプロレスの是非=
■長州「(新日本の今シリーズは)怪我人が多いから大変な思いはしたんだけど、みんなよく頑張った。ちょっと小さな風は吹いているなって感じがするんだけど、そこでお前がちゃちを言うとこの風がなくなるんだよ」
★前田「(プロレスは)なんかこんなことせんでもいいのにっていうのがいっぱいあるんですよね。誰でも彼でもマイクを第1試合から持って、もっと考えて言えって」
■長州「日明はめちゃめちゃプロレスファンだから。たぶん深夜毎日プロレスばかり見てると思うよ。WWEからインディー、新日本、全日本、NOAHから楽しんでるんだよ。なんでそんなにプロレスが気になるんだよ」
★前田「潰れたら嫌じゃないですか。俺の中でもプロレスの思い出とかイメージは一番楽しかった、毎日が修学旅行みたいな感じなんですよ」
■長州「俺たちも昔は楽しい時も苦しい時もあったわけだよ。今の選手だって楽しい時も苦しい時もある。それは間違いなく世代で変わったんだよ。
日明たちの業界はまだいろいろな変化をしていくんだろうけど、この業界も変化してきたんだよ。その良い悪いは分からないけど、(今は)大変厳しいですよ。その中で、俺は俺なりに役割として仕事をやっているのがあるし、選手はみんな頑張っているんですよ。凄いなって思う部分もある。
自分たちのイメージで考えてそれを見ると、物足りないなって思う部分があるんだけど、それは俺の方の間違いだろうと思うよね。今はリングの中も間違いなく変わっている。そうするとファンも変わっている。その世代のファンなんだよね。だから古いことをどうのこうの言うつもりは全くないんだよ」
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長州と前田が揃って新日本にいた時代。そして、今。いちばん変わったのは何か。やはり総合格闘技やK-1というジャンルが存在するようになったこと。リアリティのない攻防は、目の肥えたファンにはすぐに見抜かれてしまう。
そんな中でリアリティのある攻防と、試合の組み立てをつくっていく今のレスラー。昔とは違うコンディションのよさとプロレス頭が求められることは間違いない。長州は今のプロレスのど真ん中にいるからこそ、雑音が気になるし、ダメージとしてキャッチするのが長州の感覚なんでしょう。
こういう矢面に立つことができる長州という存在を、新日本のレスラーたちは感謝しなければないないなぁ。
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=第2次リングス、結婚のススメ=
■長州「(第2次リングス)協力できるものが何なのか、自分には分からないんですよね。日明の方からこういうものができますかというものがあれば、それはぜひ協力したいですよ。言葉に出して言わなくても、お互いのコミュニケーションの中で連絡を取り合ってやることになりますよ。
作り上げていくというものが今の日明にはないじゃないですか。それを今の若いうちにやらないと。歳を取ったら自分の身体じゃできなくなるから。今でも遅いぐらいで、船木や日明たちはそういうものを作って、そこに相応しくない選手はリキプロの方に。お前はこっちの道の方がいいよってね。若い選手はそういうものちゃんとしてくれると思うんで、僕がそういうものが楽しみですね」
★前田「一番元気だった頃のアニマル浜口&長州力組を連れ戻して、今の若い奴ら全員にあのコンビネーション地獄を味わせたいですよ。(長州さん)丸くなりすぎじゃないですか?」
■長州「お前は頭が固いよ。だから結婚すればいいんだよ。女房は変えてくれないけど、子供が変えてくれるよ」
★前田「今は冬の時代で自分らの頃よりも大変なことがいっぱいあると思うんですけど、でも根本は昔と同じだと思うんですよ。(船舶で)大波が来た場合、外洋に行ったら波と波のスパンがあるんで案外楽なんです。湾や狭いベースアリーナになっちゃうとスパンが小さくなるから船の操縦が大変なんですよ。そういうちょっと気づくようなことがいっぱいあると思うんですよね。長州さんも一番厳しかった頃を経験している人だから分かると思います」
■長州「俺から見れば日明は東西南北が分からなくなっていると思う。もしそういう匂いを出さないで、俺も独占欲を出さないで、新日本に残って今になっていたら、たぶん日明は今を仕切っているだろうし。だからどこかで後悔しているのかなって思うような対談でしたよ。こうやって会って話すと、プロレス界で日明は取り残されたんだなって印象を持つんですよ。でも今日ここで別れたら日明は自分の向かう方向に進んでいくんだろうけどね。日明は日明が作ろうとしているものをやって欲しいなと思います。作り上げなきゃダメですよ。いつまでも総合格闘技が今の時代があるとは日明は思ってないですよ。その時に何を打ち出すかは何か作り上げていかないと。とにかく日明には期待してますよ。
あと一つ。あまりプロレス界に昔を懐かしがってああだこうだ言うのはやめろと。そう言うんだったら、嫁でも探せって(苦笑)。力がなかったら、それぐらいの力は俺が発揮してやるからって」
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「もし(前田が)そういう匂いを出さないで、俺も独占欲を出さないで、新日本に残って今になっていたら」という言葉は、長くプロレスを観ているファンからすると、ものすごく重い。長州が抜けて、前田日明が抜けて、新日本プロレスの求心力はどんどん落ちていった。スポンサーは離れ、ファンも離れ、地上波放映もゴールデンタイムから転落。
新日本を抜けることで、今の長州や前田があることは間違いない。ただ、ガマンして調整をしていたならば、ゴールデンタイムのままにジャンルとしてプロレスは繁栄を続けていたかもしれないのだ。
対談を通じて・・・とにかく長州の前田への“口撃”は強烈! うーん、やられた。記事を読むかぎり、対談を通じて長州の発言の方が長い。これは意外な展開だ。そして、顔面襲撃事件へのリベンジをこの対談で果たすくらいの意気込みを長州に感じてしまった。「これに反論してたら、番組が成り立たなくなりそう」と前田は察知したのかもしれない。それほどに厳しい攻め。
特に、前田はいま自分の手を直接使って何かをやっているということが見せられていない。第2次リングスに動いているように発言はしているが、行動レベルで見えてこない。前田は現役時代に誰よりも行動派だったように、これからも行動で示していくことは必要だろう。
対談って、いろいろあります。懐古や社交辞令あるいは悪口のオンパレード。素顔の露出というのもある。この対談は、長州からの前田への真っ向勝負。スタッフの期待以上の働きをしたんじゃないでしょうか。この化学反応は楽しめた。
そして。長州力と前田日明の人生を使った“闘い”はまだ続いている。はっきりとそう感じられた対談だった。
▼▼▼ W E E K L Y A K I R A ▼▼▼
2006年大晦日以来、ずっと公の場にあらわれる機会がなかった前田の1月。2007年に入って、前田が最初に公の場に姿を現したのは2月8日。サムライTVの番組で高阪剛と対談を行った。
・ 2007.02.09カクトウログ: 前田日明、リングス再興は「年内に発表」/コメントほぼ全文
そして2007年、2度目の登場は記者会見。2月15日、都内のホテルで3・12『HERO'S 2007 開幕戦~名古屋初上陸~』に関する会見が、前田立ち合いのもと行われた。
・ 一度は流れた幻の好カード、所vs.永田が実現=HERO'S/米国大会ではブロック・レスナー、ホイス・グレイシー参戦か!?
(スポーツナビ)
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前田日明スーパーバイザー
「今アメリカでは総合格闘技が“バブル状態”、UFCを中心にブームを起こし、どんどん拡大しています。日本で生まれたHERO’Sも今年5月か6月にアメリカに進出していくことを目標に、韓国などでもワールドワイドで拡張展開していきたい」
「アメリカに進出し、UFCとしのぎを削りながらHERO’Sを大きくしていきたい。ブロック・レスナーを総合デビューさせるべくマッチメークをしています。ホイス・グレイシーもその大会に出ると思います」
「レスナーとあててみたい選手はいっぱいいる。すでに交渉に入っている」
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・ angle JAPAN: HERO'Sが3・12所vs永田戦&レスナーとホイスを武器にアメリカ進出を発表!
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前田日明スーパーバイザー
「UFCにはホイスを貸したっていう貸しがあるので、面と向かって敵対することはないようにしたいが、しのぎを削り合っていく以上いつかはそうなる(敵対する)かもね。ただ、うちはまだ出していないものがいっぱいある。まだヘビー級もスーパーヘビー級もやっていない。日本では年間4大会しかやれないんで、アメリカでやることで回っていくんじゃないかな。自分もいま(第二次)リングスの立ち上げをやっているが、とりあえずK-1に協力しながらUFC対策をやっていくしかない」
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会見で「今アメリカでは総合格闘技が“バブル状態”」と発言した前田。もちろん、新興団体や新スポンサーの多さを受けてのものではあるが、もっと深い意味合い・背景を前田は込めていたことがわかった。
2/23発売の『ゴング格闘技』、前田日明インタビュー「前田日明が語る、第2次リングス」から。
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何でバブル状態かというとね、不確定要素なんだよね。彼らはボクシング業界を敵に回しているでしょう。一度UFCと、総合格闘技にバッシングがあって沈静化したけど、この頃また始まっているでしょう。要するに、教育的にどうなのかということを問われているわけだよね。
(レーガン大統領の時代に4年間の教育改革。R指定をつくったり、雑誌販売に規制をかけたり)それをやり始めて、アメリカは子供の学力が上がったりとか、青少年の犯罪率が下がったという実績があるから、国家的にすごく厳しいんだよね。
日本はいま何でもオープンじゃない? 俺らの時代の親には子供に見せちゃいけないものが漠然とあった。そういった社会の状況と照らし合わせて、いま親を殺す子供がいて、親が子供を殺し、聞いていられないようなニュースばかり。日本は良くも悪くも、アメリカを20年遅れて追いかけているんだよ。俺が高校時代に、アメリカでこんな犯罪があるんだよというニュースがよくあったけど、日本が今まさにそうでしょ?
(ステロイドや興奮剤など)ドーピング検査機関というのは、日本が一番弱い。莫大なお金がかかるから、日本の団体ではできないんだ。あきらかにそういったものを多用しているなと分かる奴が、いっぱいいる。(経済合理性からやめられないという選手を)団体経営でダメージを被るから公開できないというのはあるかもしれないけど、総合格闘技が50年とか100年とか長いスパンで残っていこうと思うなら、やらないといけない。それでなくてもアメリカでは教育上の問題がどうと言われているのに、1回そういうイメージがついちゃうと取れなくなるよ。だってテレビのプライムタイムの一般地上波で放映しているのは、世界中で日本とブラジルのリオネジャネイロ州だけ。あとはPPVか有線系だよ。まだ総合は過渡期なんだ。そのうち実際問題として、10年以内に日本人のよく知っている選手が、過去の興奮剤使用のために死んじゃったり、障害を負ったりだとか、目にすることになると思うよ。
(第2次リングスはグラウンドでの顔面パンチ無しルールにするのか)リングスのときのジレンマがあるんだよ。これだけ世の中の顔面有りが進んだ以上、無視することはできない。かといって、またアメリカで再燃し始めた総合格闘技へのバッシングという部分で、もし他と一緒に引っ繰り返るつもりはないんだよ。そういうのを、ああだこうだと考えているところ。
顔面有りの試合と顔面無しの試合に分けてやってもいいんじゃないかとか、思っているんだけどね。カーレースは、F1にしても、毎年レギュレーションというものがあるじゃなこの年は有り、この年は無しにするとか、予選は無しでチャンピオンシップだけ有りにするとか、そういう逃げ方だってあるかなと。まだ結論じゃないけどね。
(第2次リングスは、HERO’Sのスーパーバイザーも続けながらやる?)やってもいいというならやるし、困るというのなら辞めるし、どっちでもいいよ。
俺の使命は、総合格闘技というよりもスポーツの一分野として確立させて、存続していくシステムの中に置くことだね。そのうちアマチュアで国の選手権とかやって、オリンピックの競技になるようにしたい。
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まだ過渡期、創生期だからこそ見えてくる諸問題。前田がいちばん怖がっているのは、総合格闘技というジャンルをひっくり返すような事件が起きてしまうこと。そして、前田が一番大切にしているのは、一般地上波に進出したときにも継続可能なものをつくること。
つくりあげるために気にすべきことはあまりに多面的に及び、それができていない現状を「バブル状態」と前田は言う。「総合格闘技を存続させていく」という使命感は、それこそDSE榊原信行氏も、FEG谷川貞治氏も、UFCダナ・ホワイト氏も一緒だろう。ただアプローチがまだまだ甘いし、事件が起きたときに共倒れになってしまうぞと前田は指摘したかったんだろう。もっと言うなら、UFCやPRIDEがこのまま成長してしまったら、総合格闘技が“そういうもの”として社会に固定化してしまう、それを怖れているのだ。
インタビューからもわかるように、第2次リングスを独自ルールにすることに前田がこだわっているわけじゃない。見た目は、リングスもHERO’Sも変わらないものになる可能性もある。前田はHERO’Sスーパーバイザーとしていくつかの主張をしつつも、すべてをHERO’Sには求めない。前田日明のすべてをやる器としてリングスを立ち上げようとしている。
前田の主張はわかったけど、わかりにくい!
「脱バブル」は、DSE、FEG、UFCというそれぞれのプロモーションでもやっていこうとしている。前田が単独でやることが近道なのか遠回りなのか、実感がわかないのだ。
何よりファンはリング上が白熱したものを観に行ってしまう。限られたお財布だから当然だ。だから選手の顔ぶれはとっても大切だし、前田もそれは重々分かっている。だから、現実問題としてK-1やHERO’Sとの共闘体制はとっていく。
前田が経営母体として立ち上げようとしているジム、そして第2次リングスについて、インタビューから補足しておく。
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・ もともとどうやったらヘビー級で勝てる選手を育てられるのかというのを、いろいろ突き詰めてやっているうちに、スポーツリハビリというのは応用できるなとわかった。
・ (前田さんのジムにはオスカー・デラホーヤのトレーナーだった方が付くと聞きましたが)アメリカ国籍の日本人の方です。トレーニングしに来た一人ひとりにカルテをつくって、その人に応じたトレーニングをやりますよ。
・ (ジムは)年内に、出来れば夏ぐらいにオープンしようと思って、いま動いているよ。(リングス)興行のほうも、とりあえず年内にアナウンスしようと思っている。
・ (第2次リングスの興行はいつ?)次の年になるのか、年内にちっちゃい大会だけでもやるのか、どっちかだね。リングスのときの反省として、(放映料以外の)資金的な基盤で言うと、興行のチケット販売に頼ることしかできなかった。今回は経営基盤としての母体(ジム)がほしかったんだよね。
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2007年は、前田日明が行動で示す年になることは間違いない。より具体化していくことを待ちたいと思う。
現在の前田の意図、主張がギッシリと詰まったカラー5ページ分のインタビュー。ぜひ、ファンの方は購入して全文を読まれることをお勧めします。今回のゴング格闘技、DSE榊原信行氏、FEG谷川貞治氏、UFCダナ・ホワイト氏、全員の主張が入ってますから。実は、前田のルール面での主張とか、けっこうUFCが実現していると思える箇所もありました。この号は勉強になった。
↓アマゾンにも出てますので貼っておきます
今週の【週刊 前田日明】はここまで。
次週も前田日明を追いかけます!
↓週刊前田日明バックナンバー、カクトウログ前田日明記事、関連サイトリンクはこちらで
・ 週刊 前田日明 ~unofficial~
■□T.SAKAi
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