KENTA、柴田勝頼のセコンドにつこうとしていた/プロレス界は柴田を守れ!
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3・12HERO’S名古屋。柴田勝頼は船木誠勝との師弟コンビで出陣したが、柴田のソウルメイト・KENTAはどうしていた? そして、プロレス側は柴田と一緒に闘うことができたか・・・
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山本宜久の左ミドルキックをブロックした次の瞬間、体勢が整わないうちの山本に放たれた柴田勝頼の右フック。山本は前のめりに崩れ落ちる。柴田がパンチ連打で追い撃ち。レフェリーが止める。勝者は柴田! 試合タイムはわずか9秒。
骨折かと疑われた柴田の右の“狂拳”は、レントゲンの結果、無事であることが判明した。まずは、ホッとする。
・ 前田日明SV、9秒TKO殺の柴田を絶賛=HERO'S一夜明け 所英男はシャオリン戦熱望も自信は!?(スポーツナビ)
・ 桜庭がすっきり快勝、所が一本勝ちでメーン締める/総合初挑戦のプロレスラー柴田が秒殺KOデビュー(スポーツナビ試合結果)
・ 柴田勝頼はやはり強かった HERO'Sにヒーロー誕生!!
(HERO'S公式)
試合直後に柴田自身が「プロレスファンみなさん、おひさしぶりです」とマイクで告げたように、柴田はここ数年、メジャーな舞台に上がることなく、小さな舞台で闘ってきた。彼の闘いをねばり強くみるファンは後楽園ホールクラスの小会場、ねばり強く取り上げるのは彼の生き方をつい気にしてしまう熱いファンのブログなどに限られてきた。
それが、どうだ。総合格闘技で唯一の地上波放映、HERO’Sの大舞台で勝利を収めた翌日から、柴田のニュースがサイトを彩っていく。試合が秒殺だっただけに、まだ柴田の実力が測られたとは言いがたい。ちょっとした“柴田フィーバー”は気持ち悪いが、柴田ならば、これを第一歩にしてくれることだろう。
多く報道が出ていることから、ここではあらためて試合や報道・各種コメントを取り上げることはしない。ただ、柴田はプロレス出身であることは間違いない。柴田を好きだったファンも、そうでなかったファンも、プロレスファンであれば柴田の勝利に胸のすく思いがしたんじゃないか。ここでは、“プロレス側”が柴田の勝利を後押しできたかを検証してみたい。
注目されたのは、この男の動き。プロレスリング・ノアで柴田とタッグを組み、柴田を「正パートナー」であり「ソウルメイト」と認めるKENTAは、当日どうしていた?
3・15更新、携帯サイト「プロレス・格闘技DX」でのKENTA日記より。
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ソウルメイトのHERO'Sでの第一歩を目に焼き付ける為名古屋に行ってきました。結果は最高の第一歩を踏み出せたんじゃないかと思います。この試合からとんでもないくらい刺激をもらいました。
柴田さんおめでとうございます。今度ゆっくり祝勝会しましょう!
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柴田のスーパーバイザーをつとめるKIRI氏のブログから。
・ REVOLHOLIC EXCLUSIVE [KIRI'S FLAVOUR]: 第1歩
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当初は柴田君のセコンド予定だったものの、器がウルトラ小さいNOAH関係者によりNGとなってしまったNOAHのR.E.A.L.一匹狼、KENTA君。
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KENTAは柴田を後押しすべく、名古屋にいた! 実はこの日はKENTAの誕生日でもある。ノア側によってセコンド予定をストップされたのは残念だが、KENTAの行動には嬉しくなる。
想像なのだが、KENTAは自分のもうひとつの生き方を柴田に重ね合わせているんじゃないか。ノアマットで危険な匂いをプンプン漂わせているKENTAも、“そうじゃない”レスラーに合わせなければいけないジレンマを抱えている。ノアでメイン級を務めることはもちろん立派なことなんであるが、柴田のように“貫く”そしてついには“プロレスを飛び出す”という生き方はなかなかできるもんじゃない。
なぜ、ノア側がストップしたのか? テレビ局の関係か、GPWAの関係(以前に柴田が懇意にしていた上井文彦プロデューサーと、GPWA加盟の村上和成率いるビッグマウスの対立)といったところ!?
いや、そんなもんじゃない。ここからは想像だが。
KIRI氏の以前の日記から。
・ 2005年12月 REVOLHOLIC EXCLUSIVE [KIRI'S FLAVOUR]: Touch The Sky
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今後心配なのが彼ら(※柴田とKENTA)は他のレスラーとは違った価値観(怪我を恐れない)の試合をするので、このままいくと試合が組まれない、すなわち干されるという事態が考えられるのです......。
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前田日明スーパーバイザー。
・ angle JAPAN: 芸人・塩コショーの塩がHERO'Sでデビュー! 前田SVは二世の話にデレデレ
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前田日明「柴田(勝頼)はプロレス界でも『危ない』とか『堅い』とか言われて、試合の場がなくなってきたんで」
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KENTAがみせた試合スタイルの変化(3・4日本武道館、森嶋猛戦=携帯サイトkamiproHandから)。
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試合直後から、KENTAがキックボクシングを彷彿させる構えから、パンチやキックを連打。
これに対して森嶋はゆったりした構えからベイダーチックなパンチで迎撃すると、早くも場内のテンションは最高潮。
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飛躍しすぎかもしれないが・・・ズバリ、ノアが怖れているのはKENTAのARMS入りだと推察する。「ノアが最高の団体」と公言するKENTAの離脱は、現時点では考えにくい。されど、ARMS始動の場にKENTAがいることを、ノアは食い止めたかったとしたら、これ以上の理由はない。
そんな窮屈な状況の中で、柴田と一緒の練習を続行(船木とも一緒なのかな?)し、柴田のことを日記に書き、名古屋に応援で駆けつけるKENTAは素晴らしい!(ノアに対していろいろ言いたくなる向きもあるだろうが、KENTAの日記や言動をある程度“許容”としている点については感謝してもいいのかも)
練習や思想は闘いぶりにあらわれ、ファンに確実に伝わっていく。思えば、総合にも出陣していたときの中邑真輔(新日本プロレス)はとても魅力的だった。その思想は続いていると信じたい。とんぼ返りしたり、パワーファイター化していくことで、中邑は求心力を失った側面があることは否めない、とも思う。
とにかく、いろんな葛藤があるんじゃないかな?とファンに思わせる点で、KENTAという男のプロレスはめちゃめちゃ面白いと思うんである。柴田のプロレスへの凱旋はぜひKENTAとともに果たしてほしい。
新日本プロレスで“柴田系”を感じさせるこの男も、大会当日にブログにこんなことを記していた。
・ 2007年03月12日 後藤洋央紀「何はさておき、今日のひろおき。」:ヒーロー
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本日は高校の同級生であり恩人(俺が勝手に思っている…)の柴田選手がHERO'S に参戦します。
初めてその意志があるのを聞いたのは俺がメキシコにくる2、3日前だった… 彼の並々ならぬ決意を感じた。
誰が相手だろうと勝ち負け以上の何かを見せてくれるでしょう。
頑張れ!!
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こちらも、新日本を出て行った男を気にしていることを公言している。後藤には意志を明かしていたんですね。
他にも、柴田を応援したプロレス関係者は?
・ 今夜が山田:ヒーロー誕生??
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実は上井駅長、いてもたってもいらずにこの日、急遽名古屋へ試合を観に会場に足を運んだそうです。そして柴田の試合観戦後、また東京へトンボ帰り。星野総裁も大喜びで上井駅長に電話をかけて来られたとか。それと柴田パパのエピソードも。いつもは会場に足を運ぶ柴田勝久氏もこの日ばかりは自宅にいたそうです。元ファイト編集長で故井上義啓氏にも柴田の試合を見せてあげたかったな。喫茶店トークでもたびたび柴田の名前を出して総合へ行け!と書いていたもんなぁ・・・
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決別したものの、上井文彦プロデューサーも応援! 星野勘太郎総裁はどこにいたのか不明だが、魔界倶楽部として柴田を一時期指揮していた間柄。このタイミングでも柴田の動きを気にしているのが嬉しい。柴田勝久パパは・・・結果をみるが怖かったんでしょうか。
大会当日の解説は、元UWFインターナショナル・高山善廣と、UWF時代にマスコミにいて思い入れがある谷川貞治氏(新日本プロレス時代の上井文彦氏との交渉役、新日本・柴田との対戦相手として武蔵らを提供)がつとめた。
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高山善廣「まぁ、もともとプロレスでやってたときもね(柴田から)パンチでよく殴れてたんだけど、効いてたけどね、ここまですごくなるとはね」
谷川貞治プロデューサー「K-1ルールで天田選手倒した(ダウンを奪った)ことあるんですよ、すごいパンチ力があるんですよ」
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こういったことを、きっちりと「証言」することは大切。プロレス界の中にもともとあった凄さを、ここいちばんでさりげなく伝えた高山と谷川氏に拍手。
パンチ力について、トラックバックをいただいた記事から。
・ BLAZING!! | 元空手家、柴田勝頼のパンチについて語る。
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職場の先輩に「将来は黒帯確実」と師範に評された元空手家がいらっしゃいます。結局途中で辞めちゃったのですが、オレも何度か組み手をさせていただいて「これはとても敵わない」と思ったもんです。その方が先日のHERO'Sを観て、こんなことを言っておりました。
「試合前の柴田の煽りVTRでさ、船木がミットを持ってパンチを受けてるんだけど、柴田がパンチを打つ寸前にミットを前に出すんだよね。まるでパンチを押し返すみたいに」
「はあ。それが何か?」
「武君も経験あるでしょ? 稽古でキックミットを持った時、相手の蹴りが強かったらどうする?」
「そりゃあ飛ばされないようにミットを前に……あぁ!」
「わかった?」
「いや……キックなら話は分かりますけど、押し返さなきゃ受けれないパンチって……」
「ましてや受けてんのがあの船木だからね。相当重たいパンチなんだろうねー」
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ボクなんかは柴田に合わせているような(息の合った?)奇異な光景にみえたんですが、なるほどそういうことだったのか。グラウンド状態で柴田のパンチをミット受けしていた船木の映像も見たが、画面越しにも柴田のパンチ力は伝わってきましたもんね。
ちなみに、柴田は携帯サイト「プロレス・格闘技DX」の日記で、試合までの数日間の動きを記していた。どう身体を動かして、いつプロテインを飲んで、何を食べて・・・彼にとって人生最高のコンディション調整をして試合に臨んだのだった。
プロレスラーが1年半にも渡って、しっかりとした時間をかけて、本気で挑んだ大一番を、プロレス界はバックアップできたか?
やはり新日本など諸団体と決別し、ノアと断絶状態にある柴田は、わずかばかりの“個人”としか結びつくことができなかった。柴田の勝利はプロレス界のステイタスを高めるものでもあったはずなのに、残念な気がする。
されど、“個人”はしっかりと反応した。ファンもしっかり反応した。柴田をみつめるファンもこれから増えてくる。柴田の勝利は、近年のプロレス界と格闘技の関係からすると痛快すぎるものだった。その動きは、今後大きくなっていく可能性もある。
そこには、プロレスから“派生”していった格闘技への、プロレス界からの一矢が確かにあった。
プロレス界の宝、柴田をみんなで見守ろうじゃないですか。応援しようじゃないですか。お楽しみは、これからだ!
■□T.SAKAi
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