「田村さんに集客力がないだけじゃないの?」さくらえみが挑戦/5・3NEO『MAY HISTORY 07』
NWA認定女子パシフィック&NEO認定シングルを保持する“絶対王者”田村欣子に、さくらえみが挑戦。この試合には、小さいながらもイデオロギー闘争が確かにあった・・・
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『MAY HISTORY 07』
5月3日(木祝)後楽園ホール(12:00)
▼『NEOvsJWP新時代突入』15分一本勝負
[1]勇気彩&野崎渚 vs 中島安里紗&大木香
▼『ピュアソウル全力投球』15分一本勝負
[2]栗原あゆみ vs 希月あおい
▼『メカマミーNEO初上陸!』15分一本勝負
[3]三田英津子&真琴 vs メカマミー&豊田真奈美
▼インターナショナル・リボンタッグ選手権ノーロープ・デスマッチ30分一本勝負
[4](王)タニー・マウス&宮崎有妃 vs "リアル・ラーメンマン"趙雲子龍&トッチャン・チャン(挑)
※『キン肉マン』の串田さん、生歌披露!=5.3NEO後楽園
▼NEO認定タッグ選手権60分一本勝負
[5](王)元気美佐恵&松尾永遠 vs 木村響子&ベネッサ・ザ・マウンテン(挑)
※“カナダの女・人間山脈”ベネッサが参戦=5.3NEO
▼NWA認定女子パシフィック&NEO認定シングル選手権60分一本勝負
[6](王者)田村欣子 vs さくらえみ(挑戦者)
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女子プロレス関連のニュースはほとんどスルーしてしまうが、絶対王者的な存在として“田村”って選手がいるくらいは知っている。だけれども、業界としては盛り上がっているとはいえない。そんな中で、ひとりの選手が噛み付いた。
・ さくらドタキャン田村「ふざけんな」(デイリー)
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NEOの5・3後楽園大会で争われるNEO女子シングル&NWA認定女子パシフィック選手権の調印式が24日、都内で行われたが、体調不良を理由に、挑戦者さくらがドタキャン。代役で会場に姿を現した真琴に、王者の田村が「ふざけんじゃねぇ。やる気がなくなった。甲田(社長)、元の婚約者だからといって甘やかしてんじゃねぇ」と激怒し、会見途中で席を立つひと幕もあった。また、5・3でメカ・マミー、豊田組-三田、真琴組が対戦することも発表された。
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参加選手一人ひとりが大会に向かって全力投球しないと、成功なんてありえない・・・そんな常説に背を向けたさくらえみ。
決定の経緯はこちら。
・ タムラ様、無理矢理さくらとタイトルマッチ=5.3NEO後楽園(スポーツナビ)
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しかし、さくらが「田村vsさくらじゃカードが弱い。私なんてアイスリボンで40人のお客さんの前で試合するような選手なんですから」と断固拒否。それを聞いた田村が「あんたはずっと40人でいいの?」と迫ると、さくらも態度を一変し、「田村がタイトルマッチやるからって会場に入りきれない人が来るの? 田村さんに集客力がないだけじゃないの?」と逆に挑発した。
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もっと詳しくはこちら。週刊プロレスモバイルで須山浩継氏が「要約すると」ということで、さくら発言をコラムで紹介している。
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・ さくら「アタシたちはたとえ40人でも、その会場を満員にするために努力してるんだよ。会場の大きさが問題じゃないんだよ。じゃあNEOの後楽園、いつ満員になりましたか? 田村様のタイトルマッチで、いつ後楽園が超満員になりましたか? アイスリボンは40人でも、いつも満員ですよ。これって田村対さくらのカードが弱いんじゃなくて、田村対誰かのカードが全部弱いってことじゃないですか? 要するに田村さんに集客力がないんですよね!」
・ たしかに昨年開催されたNEOの後楽園大会で、最も観客動員が多かったのは、田村が出場しなかった大晦日のジュニア・オールスター戦。逆に田村がタイトルマッチをおこなった後楽園大会は、観客動員1,000人を超えた大会はなかった。
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改めて言われると、会場が満員になったときの張り詰めた感じは何物にも替えがたいし、会場の大小関係なく観に行く大会を決めている自分もいる。プロレスをとことん考えているさくらから、本気の発言が飛び出した。
この発言が飛び出す背景、そして直前の攻防を同コラムから。
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・ 甲田社長が挑戦者としてさくらえみを指名したとき、真意を図りかねた。勝負は時の運とはいえ、カードを見て勝ち負けの次元でこの試合に興味を抱くファンはごくわずかだろう。百歩譲って板橋や東京キネマのタイトル戦ならまだしも、後楽園ではありえないカードである。さらに田村とさくらはプロレスに対する考えが水と油ほども違う。どんな無茶であろう技であろうが全て受けきって、それを上回る攻撃で相手を叩きのめすのが田村のプロレス。対するさくらは潰し合いのプロレスには否定的で、自分自身はもちろん弟子たちにも受け身が取れないような技は禁じ手にしている。リングを使わないアイスリボンを始めたのも、ボディスラム一発で終わるプロレスを復活させたいという理想があったからだ。
・ NEO4・14板橋大会。この日の第3試合でさくらは希月あおいとのコンビで田村&石井美紀組と対戦。予想通りさくらは可能な限り田村との対戦を回避。ようやく5分を過ぎたあたりで、さくらは田村の技を徹底的にかわし、田村の動きをほぼ完封してしまった(最終的に石井を丸め込む)。
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イデオロギー闘争あり!
「ベテラン選手に頼りっぱなし」というべきか、「ベテラン選手が幅を利かせている」というべきか。女子プロレスの閉塞感は、なかなか破られていく様子がない。そんな中で、NEOは新境地を開こうと頑張っているんでしょう。ただ、“若い選手”を出せば盛り上がるってわけでももちろんない。ボクらが観たいのはリアリティのある図式であって、今回の対立は面白そうではないか。
男子プロレスでも似た図式はいくつも思い当たる。たとえばNEO甲田社長はブログでこう書いた。
・ 5月3日NEO女子プロレス後楽園ホール:日刊【田村欣子vsさくらえみ】さくら会見ボイコット
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(会見ドタキャン)それにしてもタムラ様のピリピリした感じは尋常ではありませんでした。いつもと様子がちがいました。
本当に怒っているのです。
田村は今回の二冠戦が今までと勝手が違うことが日に日に身にしみてきているようです。本当にいらいらしています。どんどん、試合が“さくらの土俵”になりつつあるということでしょうか。
さくらがそこまで計算して、田村が一番いらいらすることを仕掛けたのかというと、そうかもしれないし、本当に行くのめんどうだったのかもしれない。ただ、さくらは田村を怒らせる天才だなと思ってしまいました。
水と油。ふと、全くスケールがちがうかもしれませんが、かつて男祭りで闘った小川直也と吉田秀彦がこうだったのかもなと思ってしまいました。小川がさくら、吉田が田村のイメージ。
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では、吉田・・・じゃなかった、田村に欠けているものは何なのか。
・ 5月3日NEO女子プロレス後楽園ホール:日刊【田村欣子vsさくらえみ】さくらいとの見方
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言葉でプロレスができる女子プロレスラー。少なくとも私たちの時代、と宣言した世代より下で、それができる人はごく僅か。特に田村、元気について不満を言えば、致命的に欠けているのが、この言葉でプロレスするということです。
プロレスに必要なのは“いい試合”であって言葉なんて必要ない。その考え方は真実の一部分かもしれません。でも広い大衆相手にプロレスを発信することを考えると、それは言い訳に聞こえてしまいます。
そこだけでも、さくらが二冠戦にまで絡む存在になったのはなぜかという部分はあると思うし、今回闘う田村は、さくらのプロレスを否定するのでなく、さくらにあって自分にないものを感じてくれれば、勝敗に関係なく、田村のプロレスラーとしての成長にもなると思うのですが。
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プロレス自体が盛り上がっていなければ、プロレス雑誌も売れない。だけれども、男子格闘技&プロレスを追っている『kamipro』(紙のプロレス。格闘技を主に扱っていることももちろんあるが)のように、観点がひじょうに面白いものもある。プロレスラーの言葉に、プロレス者の言葉に力を! いろんなものをこの試合は問いかけていく。
そして何より、試合内容自体が雄弁に“語り”そう。
ゴールデンウィーク、時間がある方はぜひ観戦されてはいかがでしょうか。新日本プロレスとの後楽園ホール・ダブルヘッダー観戦という手もありますぜ!
そして、こちらも“プロレスファン”にとって見逃せないビッグサプライズ。
・ 『キン肉マン』の串田さん、生歌披露!=5.3NEO後楽園(スポーツナビ)
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これは、串田さんの代表曲でもあるアニメ『キン肉マン』のテーマ曲を、NEOマシンガンズ(タニー・マウス&宮崎有妃)が入場テーマとして使用していることが縁となってのこと。そして大会当日のNEOマシンガンズの入場は、なんと串田さんの“生歌”によるものに決定した。
リング上で串田さんが歌うのは『キン肉マンGo Fight!』と『炎のキン肉マン』の2曲。(どちらも2005ver)。しかもフルコーラスということで、アニメファンにとっても垂ぜんの“ミニ・ライブ”となること必至だ。
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生歌でフルコーラス、2曲!
■□T.SAKAi
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