大晦日PRIDE今週発表は幻想か/検証第2弾
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秋から噂されてきた旧PRIDEスタッフによる大晦日興行(夜のさいたまスーパーアリーナを使用して、格闘技興行を開催する説)。事実かガセかを巡ってのメディア全面戦争も、いよいよ今週クライマックスを迎える。
大晦日復活なら即訴訟ありの買収元UFC。
・ 2007.11.01カクトウログ: 大晦日格闘技決戦の行方。秋山成勲vs吉田秀彦はブラック・ジョークか?
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・ そのようなこと(旧DSE残党による独自イベントの開催)が決行されようものなら、UFCにとって格好の訴訟条件になるのは必至。実際ズッファ社は、「我々は騙された」という法廷闘争に持ち込む戦略。
・ ズバリ、吉田秀彦が大晦日にどこかで試合したら、米国PRIDE FC WORLDWIDE Holdings LLCデラウェア州本社が即座に動き、裁判所から即刻中止の仮処分を食らうことになる。
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PRIDE崩壊問題総括。
・ 2007.11.07カクトウログ: PRIDE消滅 なにが最強のプロモーションを自滅させたのか?/書評
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アレを放置したから、闇社会との結びつきが拡大した。アレを放置したから、社会からの信頼失墜が加速した。そんなことがいっぱいあって、業界として自らを浄化できなかった。PRIDE潰しをやらなかったと短期的には思えたことが、実は最大のPRIDE潰しになってしまった。業界ぐるみでハマってしまった当たり前の結末・・・PRIDE問題を総括すると、そこにたどり着く。
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事実かガセか、検証第1弾。
・ 2007.11.16カクトウログ: 大晦日報道は事実かガセか/PRIDE×シュート活字、再び
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・ ベビーフェイス志向の記事に対して、ボクらはとことん甘い。かつて榊原信行氏が「身売りはしない」と言った際には絶賛したし、身売り後の「PRIDE対UFC対抗戦、MMAワールドシリーズ構想」にも胸を躍らせた。それがすべて裏切られた。なのに、どうだ? 「それでも、身売りしまいと頑張ったじゃないか」「対抗戦実現のためにテレビ局にアプローチしたじゃないか」と甘くなる。客観的にみれば「デマ」だったはずなのに、「デマ」とはけっして言わないファンが膨れ上がる。
・ この鉄壁の思考パターンが見えていれば、商売はカンタンだ。PRIDE系の煽り・飛ばし記事を書けば、雑誌でもスポーツ紙でも売れる構造ができあがる。
・ UFCは訴訟を事務所解散時にあえてチラつかせたという事実。すでに有力選手はUFCに奪われた。吉田秀彦らトップ勢には複雑怪奇な契約の中で大晦日のストップがかかっている(だからこそ、FEG谷川貞治氏がいくら希望しようが、噂されたHERO’Sにも出れなかった。公明正大なワールドビクトリーロードは2月旗揚げとしている)。突っ込んだ取材をもとにした客観的な報道なら、PRIDE大晦日決戦はありえない。
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さすがに「ちょっとオカシイんじゃないか」と、多くのファンが気づき始めたPRIDE大晦日復活報道。まず、正式発表の時期が遅れていると彼らは言う。
『kamipro』は11/16(金)発売号(雑誌)で「この号が発売されてる頃には、何かしら大きな発表」と記し、発売日前日には丁寧に「来週にも記者会見」と“訂正”した。
ライター高崎計三氏はブログで「本当に開催するとなればいくら何でも、今月(11月)上旬には発表し始めなければならないでしょう」と記し、後日「やはり発表のリミットは来週(11/19の週)あたりではないかと」と“訂正”している。
訂正された末の“今週”は、業界メディア側からさらなる言い訳が見られるのだろうか?
率直に言うと、PRIDE問題を引っ張ったメディアが業界内で“英雄視”される構造になっているのだ。もしかしたら新聞社オフィスではこんな会話が繰り広げられているのかもしれない。
「先輩、こんな直接ソースのない記事を書いていいんでしょうか?」
「PRIDE関連を書いた記事は、ブログからふだんの5倍、10倍のリンクが貼られるんだ。我が社の存在価値を示せる記事が他にあるとしたら書かなくていいが、どう?」
もう「赤信号、みんなで渡れば怖くない状態」。書かなければ、仲間ハズレにされるだけではなく、将来的に“(あるかどうかもわからない)PRIDE系団体”の記事が書けない不安まで襲ってくる(PRIDEから取材拒否されていたスポーツ報知と同じ運命に?)。
たとえばこういう記事が業界メディアによって書かれているが…。
・ ヒョードル日本で大みそかに試合!?(デイリー)
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PRIDEヘビー級王者エメリヤーエンコ・ヒョードル(31)=ロシア=が所属するレッドデビルが主催するロシアの総合格闘技大会「M-1」の公式サイトが15日(日本時間16日)、ヒョードルが12月31日にさいたまスーパーアリーナで試合に出場することを報じた。
ヒョードルの日本でのファイトが実現すれば、昨年大みそかにさいたまSAで開催された「PRIDE男祭り」でマーク・ハントを相手にPRIDEヘビー級王座を防衛して以来。今年は大みそかにさいたまSAで「ハッスル祭り」が開催されるが、午後1時の開始とあって総合格闘技の大会とのダブルヘッダーがうわさされている。
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M-1サイト元記事が削除されたとのフォローさえもない。また、元記事の報道を裏をとることもなく、そのまま垂れ流しているだけのようでもある。
本来、事実を知りたいボクらはこういう記事を目にしなければいけないはずだ。
・ ヒョードル日本で大みそかに試合!?(カクトウログ作成代行)
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PRIDEヘビー級王者エメリヤーエンコ・ヒョードル(31)=ロシア=が所属するレッドデビルが主催するロシアの総合格闘技大会「M-1」の公式サイトが15日(日本時間16日)、ヒョードルが12月31日にさいたまスーパーアリーナで試合に出場することを報じた。ところが同日中に記事は削除され、ファンは混乱した。
ヒョードルのベルトを認定しているPRIDEは、暴力団との関係が取りざたされた昨年にフジテレビが放送を中止。事実上のブランドとしての死を迎えた。ところが、マニア層によるPRIDE復活渇望はまだ根強く、PRIDE復活が感じられる動きにはネット上を中心に過剰な反応が絶えない。
マニアからの売り上げを失ったら終わりと必死の各新聞・専門誌からは、業界ぐるみでのPRIDE大晦日復活(同日ハッスルとのダブルヘッダー)飛ばし報道が今も相次ぐ。しかし、事実として確認されているのはPRIDE関連会社が当初さいたまSAを押さえていたという点だけ(これさえもハッスルに譲渡されたとみるのが妥当)。今回のヒョードルの騒ぎは、それでもPRIDE大晦日開催に信憑性を持たせようとする誰かが“仕掛け”たものではないかとの見方が広まっている。
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こうしたシュートな記事が書ける人がいたらどうしますか? 社内でも敵視され、締め出されますよね。悲しきアイアンマンさんが「タダシ☆タナカ氏って『紙のプロレス』時代はよく書いてたんだけどねぇ」としているが(知らなかった)、専門誌カミプロからも締め出される動きがあったのかもしれない。
なのに、ボクら無力なブロガーはもろ業界どっぷりの新聞サイトにリンクを張ったり、専門誌を引用したりして、PRIDE復活報道を無条件に受け取って、それらしいコメントを書いてしまう(当サイトも含めて)。
その罪を他のブログに問いたいとは思わない。既存のメディアや専門誌を信じてしまうのはボクらに長年染み付いた習性である。だけれども、そろそろ気づかなければいけない時期にさしかかっているんじゃないかというのが、今月ずっとやっている問いかけなのだ。
できるだけ事実に近いところを知りたくて、以前の『週刊現代』も、ミルホンネットでのシュート活字シリーズ(タダシ☆タナカ+シュ-ト活字委員会)も自分なりに目を通してきた。わずか格闘技記事が2ペーシほどしかない怪しい実話誌を買ったこともある。それでも、なかなかボクも自分の見方が変わりきらなかったわけであるが、タナカ氏のミルホンネットPRIDE系最新4作品も大きなきっかけとなり、今回のPRIDE報道はさすがにオカシイと現時点では考えている。
なんでボクらは既存メディアから離れられないのか? その検証は第1弾でも行ったが、理由はボクらが熱狂したPRIDEの中にも見出せそうな気がする。
PRIDEには煌びやかさと同時に、残酷すぎるまでのシュートな空間があった。
『kamipro』などの既存メディアには、カラーグラビアや見出し・企画の斬新さという“煌びやかさ”がある。電話取材でしかないダナ・ホワイト氏インタビューも、あれだけ写真をデカデカと載せられると、本当に強いつながりがあるんじゃないかと扇動される。ところが、PRIDE身売り否定や買収先UFC=救世主論、MMAワールドシリーズ構想、PRIDE復活などすべてが不発に終わっている。ここに“シュートな空間”はないに等しい。
一方のシュート活字(電子書籍や実話誌)には、グラビアやユニークさはないが、詰め将棋のような事実列挙と残酷なまでの考察があった。ここには、身売り前に「のれん代」価値がなくなっていたこと、税金対策としての会社転がしが進んでいくプロセス、スポンサーがつかない理由、UFCがPRIDEを積極運営してなかった事実などが全て明かされている。
“煌びやかさ”はないものの、“シュートな空間”はシュート活字の方にしかない。なのに、口では「本当のことを教えろ」と言いながらも、煌びやかな方しかみなかったり、タダでみれる掲示板に走ったりする程度のファンが圧倒的大半なんである。
ここ数日で当サイトに寄せられた“確からしい”シュートな追加情報を列挙しておこう。
・ PRIDE大晦日開催を煽る青木真也はDSEと正式契約したことがない。参戦アピールや、他団体交渉をちらつかせてのダイナマイト等への売り込みもあって当然。
・ 企画書を持ってきた相手に会って興行の話をするのは、仕事だから当たり前。ただ、実際に興行をやるかどうかは別の話。仲のいいファンに対しては“話があった”ことを大げさに膨らませて吹き込むことは横行している。それがコンドルから始まる数々の噂の正体。
・ K-1がダイナマイト大阪ドームを発表したタイミングが大規模会場を押さえるギリギリのリミットだった。「来週発表?」等はネタの引っ張り。
・ 大晦日報道がガセに終わっても、すべての業界メディアは「関係者がそう言ってた」で“逃げる”ことができる。
・ それでも可能性をムリやり探るとしたら・・・川尻達也、青木真也といったいわゆるフリー選手(UFCから訴えられない選手)小興行を強行? 売り上げ度外視、道楽で実施にゴーさせるスポンサーが出現? そのときはゴメンナサイ。あなたたちはそれを「旧PRIDEスタッフがついに決起 さいたまSAでビッグイベント」と言うのですね、とPRIDE信者でさえ失望するだろう。選手本人たちは「やるかもしれない、と声をかけられている」くらいは聞かれたら当然言ってるでしょうけど・・・。
ボクらは本来、“煌びやかさ”も“シュートな空間”も自分の中で折り合いをつけて考察できていたはずだ。すべてを見通した大人の楽しみ方をしていたファンが、ネットを中心にいたはずだ。
判断力をにぶらせたのは、大晦日に複数テレビ局が放映するほどに利権が膨れ上がった日本総合格闘技シーンによるツケというべきなのか。それほどまでに絶対的なベビーフェイスであるPRIDEの死は波紋を呼び続けている。
PRIDE大晦日今週発表は幻想か。答えは出る? 言い訳は出る? またまた引き延ばし? 繰り返すが、格闘技を巡る報道のあり方はクライマックスを迎えた。
T.SAKAi■□[人気ブログランキングに参加中>> ]
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