桜庭和志はそれでも強さと向き合い続ける/試合前にヒザと指をケガ。試合で左腕尺骨骨折の疑い
ヴァンダレイ・シウバ戦など、いくつもの敗戦やピンチのシーンがオーバーラップせざるを得なかった。降り注ぐパンチ、レフェリーがいつ止めるかを見つめる観客たち。
桜庭和志は、横浜アリーナ大会6・15『DREAM.4』でメルヴィン・マヌーフ相手に90秒で散る。いったい何が起きた?
・ 桜庭和志VSメルヴィン・マヌーフ(スポーツナビ速報)
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※桜庭は左腕尺骨骨折の疑いで病院に直行
──ロープ際からリング内へ戻したのは作戦?
マヌーフ「桜庭選手が以前の試合でロープ際から外へ出て休んでいるのを見たことがありました。ですので、そういう展開になったら休ませないようにしようと考えていました」
──桜庭選手に左腕尺骨骨折の疑いがあるようです。骨折の衝撃はあった?
マヌーフ「はい、自分のキックを桜庭選手がブロックしたとき折れたのではないかと思います」
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桜庭がオシリをつく前のマヌーフの蹴り。あのダウンは脳を揺らしてのものだったのか、腕の違和感からのエスケープだったのか。その衝撃は、蹴りを放ったマヌーフまでも感じるものだった。ここから桜庭はイッキに畳み掛けられた。
フィニッシュ前にマヌーフは、ロープ際の桜庭の足をつかんでリング中央へ強引に戻すという荒技をやってのけている。ああ見えて?ロープ際から外へ出て休ませないことを「作戦」として考えていたことがわかった。なかなかスマートじゃないか。
ある意味、スッキリとしたフィニッシュとなり、桜庭は物議を醸すことのない敗戦に“落ち着いた”とも言える。
笹原圭一イベントプロデューサーの大会総括から。
・ kamipro.com | ニュース | 6.15『DREAM.4』横浜大会終了後、笹原圭一EPが大会総括、今後のフェザー級戦線について言及!!
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・ 桜庭選手については、じつは闘う前からケガをしていたところ出てもらっていました。それでも真正面からぶつかっていくような試合をしてくれて、その姿勢には頭が下がりますね。感謝の言葉しかないです。結果は残念でしたが、この先の桜庭選手のストーリーはまだ続いていくと思うので、桜庭の“夢の続き”を僕たちが考えなければならないと思います。まだまだ桜庭選手には自分の夢を紡いでいってほしいですね。
・ (桜庭が試合前にケガしていたというが、場所は?)ヒザと指をケガしていたと聞いています。
・ (桜庭と試合後に話したか?)本人とは話していませんが、病院に行ってそこで話す機会があるでしょう。いまの気持ちとしてはやっぱり、悔しいと思っているでしょう。その悔しさが次へのステップになるのでは。決して『もう辞めた』というふうではなかったです。さっきチラッと見た感じでは、いつもの桜庭さんでした。次の大会は9月23日なので時間的には開いているので、リザーブマッチでの出場も可能性としてはありますが、個人的にはそういうイメージはないですね。桜庭選手にはもっと別のストーリーがあるのかなと思います。また、いろんなアイデアを考えたいと思います。
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試合で左腕尺骨骨折の疑い。加えて、試合前にヒザと指をケガ。
桜庭は総合格闘技を隆盛させた功労者であり、だからこそ「強くありたい」という姿勢を崩さない。一方で、傷つく桜庭を見たくないと考えるファンや主催者は違ったテーマを用意することも視野に入れる。しかし、最後は桜庭の判断で試合は決まっていく。
笹原氏は、桜庭をこのように“解釈”している。DREAM携帯サイトでのコラム、大会数日前の更新から。
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ファンの皆様の中には桜庭選手が記者会見やインタビュー等でトーナメントに対しネガティブな発言をしていることを気にされている方もいるでしょう。しかしあの発言には、桜庭選手にとっての闘うことの意味や意義が隠されているのです。それはズバリ、いい試合をしてファンの皆さんに楽しんでもらいたい、ということ。そのために1試合1試合に集中して臨みたいと。もっと言えば、その試合で完全燃焼したいということなのではないでしょうか。そのため、どうしても先が見えてしまうトーナメントにネガティブになってしまう…ということなんですね。でもそれと同じくらい、いやそれ以上に、新しくできたこのDREAMを盛り上げたいという気持ちがあるんです。
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いい試合であるために。そこにはいろんなやり方があるでしょう。若手や中堅に胸を貸す、あるいは階級を超えてのドリームマッチで闘うといった“別のストーリー”もできる。
だけれども、ボクらは知っている。桜庭にとって、闘いは、いつもリスクを内包したものでなければならない。強豪に打ち勝つ爽快感がなければならない。そりゃ、ときにはピークアウトする試合をはさむが、彼一流のダダをこねつつも、なんだかんだ大舞台に打って出る桜庭。
口ではシンドいと言いながらも、ケガを押して出場し、試合でも大ダメージを追う。満身創痍で桜庭は、強さと向き合い続ける。そういう生き方は少しも変わっていない。彼を見守れる喜びと苦しみ。「夢」という舞台に移った桜庭劇場。もちろん、まだまだ続くのだ。
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