田村潔司は試合に勝って、勝負に負けた~桜庭和志VS田村潔司 大晦日総括/Dynamite!!2008
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桜庭和志VS田村潔司をメインイベントとして、昨年12月31日(水)大晦日に開催された「Dynamite!!~勇気のチカラ2008~」さいたまスーパーアリーナ大会。
・ カクトウログ: 運命の一戦、桜庭×田村が実現「Dynamite!!~勇気のチカラ2008」さいたまSA、速報観戦記まとめ
レポートとしては「大凡戦」と速報するしかなかったメイン。一方で、ホッとした気分にさせられたのはなぜだろう。
桜庭の不調は、観戦していても明らかだった。左腕のギプスを桜庭が外したのは10月中旬。そこからのリハビリだったことで、他の相手であるならば桜庭は出場を辞退していたという見方もある(『格闘技通信』2月号増刊より)。
だからと言って、勝負は勝負。試合に出てきたのであるから、その時点での強さで測定することは自由である。
かくして、世界の強豪を打ち破ってきた桜庭に、田村が勝つ。つまりは「桜庭が強い」のではなく「UWFが強い」「プロレスラーが強い」という“実体”を田村は証明して見せたのである。
だけれども、田村が失ったものもある。「顔面殴って喜んでるっていう感覚が、バカな部分であって」と総合格闘技を批判したことがある田村。回転体などの動きを発明し、実行するだけの技量を身につけたスタイル自体が田村の主張であった。その主張を貫けなかった田村が大晦日にはいた。
桜庭の土壌で勝った田村を喜ぶべきか。
自身の土壌を手放した田村を悲しむべきか。
試合後に、桜庭も、田村も、試合内容に対する不満を表明した。とするならば、ボクらは桜庭や田村と一緒に苦しみ続けることを選択したい。
“顔面を殴る”がすべてではもちろんないんだけれども、田村自身がプロレスラー足り得るものを放棄したうえでの勝利を奪ったのが大晦日であった。強引に整理すると、田村は「試合に勝って、勝負に負けた」ということになる。
逆に「勝負に勝つ」を狙いに行ったならば、「試合に負けた」につながる可能性はあった。だから、田村の選択はけっして間違ってはいない。二兎を追う者は一兎をも得ず。「試合に勝って、勝負に負けた」ことを恥じる必要もない。
まず守らなければいけなかったのは、プロレスラーの強さだったはずだから。
さいたまスーパーアリーナ観戦直後のホッとした気持ち。それは、田村が桜庭に負けなかったこと、あるいは、時間切れになってしまったことによって得られたものだった気がする。
ただ、願わくば、田村には「強い桜庭」に勝ってほしかった。
それにしても、田村の「(この試合を決めたのは)流れです」は的を射ているし、先見性があった。大晦日決戦、けっきょくメインを張れるだけの試合は幸か不幸か他にまったく成り立たなかった。時代をいくつも乗り越えて、このカードが1本の柱として機能したことは、本当に驚愕に値する。
そして、もうひとつ。皮肉のような使われ方であっても、煽りVの中で桜庭がレガースをつけておどけて見せてくれたのは、非常に嬉しかった。
本人たち。後輩選手たち。観戦するファン。UWFはまだまだボクらの中に息づいている。
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