金沢克彦著『子殺し』レビュー~プロレスを守るために闘ったプロレスラーたちのノンフィクション
pick up 西村修が8・30両国での長州力戦を要求@伊賀プロレス通信24時さん┃ノア8・2汐留街頭プロレスに1700人が熱狂、小橋ら激烈バトル/三沢さんの四十九日から一夜、齋藤が潮崎をフォール GHC挑戦か=ノア8・1有明/邪道&外道がノア乱入、金丸に20周年興行への参戦を強要┃アントニオ猪木デビュー50周年トークライブサイト開設┃風香、アイスリボン・タッグ王者組に勝利=風香祭10┃栗原あゆみアメーバブログに移転┃【27時更新】戦極8・2さいたまスーパーアリーナ結果┃船木誠勝が第二回タレントシーバスT参加/青木真也、確信犯のミドルキック┃ダナ・ホワイト「ロシア流なのかもしれないがここでは通用しねえ」@OMASUKI FIGHTさん
元「週刊ゴング」編集長・金沢克彦氏初の書き下ろし作品『子殺し 猪木と新日本プロレスの10年戦争』を読んだ。
▼new!子殺し 猪木と新日本プロレスの10年戦争 7月17日発売!詳しくは[コチラ]元「週刊ゴング」編集長・金沢克彦氏初の書き下ろし作品。98年以降のマット界の暗黒はなぜ起きたのか。大仁田参戦、小川VS橋本、総合格闘技の「プロレス喰い」、幻の「ヒクソンVS長州」。団体の迷走と読者の狭間に立たされた苦悩を軸に、プロレスの「本質」を描き切る
##
■子殺し 猪木と新日本プロレスの10年戦争
著者/訳者名 金澤 克彦
出版社名 宝島社 (ISBN:978-4-7966-6987-0)
発売予定日 2009年07月17日
予定価格 1,500円(税込)
元『週刊ゴング』編集長が世に放つ衝撃作。98年以降のマット界の暗黒はなぜ起きたのか。専門誌編集長として業界のすべてを知る立場にあった著者だけが書ける、橋本vs小川戦、藤田と永田の格闘技挑戦、武藤、長州の新日本退社、『週刊ゴング』の休刊劇。団体の迷走と読者の狭間に立たされた苦悩を軸に、プロレスの「本質」を描き切る。
【内容】
▼まえがき
『週刊ゴング』への墓碑銘
▼第1章 「邪道」の流儀
大仁田厚、新日本マット乱入の舞台裏。長州戦実現までの1年8カ月に及ぶ苦闘と葛藤。
▼第2章惨劇 橋本vs小川の真実Ⅰ
猪木UFOvs坂口&長州体制の確執。橋本vs小川セメント事件の真相。誌面には載せなかった小川の謝罪電話。
▼第3章濁流 橋本vs小川の真実Ⅱ
幻に終わった橋本の全日本ドーム復帰戦。橋本解雇事件の波紋と三沢が示した男気。
▼第4章プロレス喰い 永田裕志の戦い
ミルコに敗れ去った21秒の人間ドラマ。幻のノゲイラ戦を決意させた猪木の一言とは?
▼第5章「飛び級」志願 野獣・藤田の実像
『リングス』入り内定から『PRIDE』出陣へ……前田日明が掛けたある言葉。プロレスと総合を股に掛けた野獣の本音と苦悩。
▼第6章「強さ」を追う者 石澤常光の心象風景
パンクラス移籍を断念した長州との会談。カシンvsハイアン戦をめぐる猪木vs新日本の水面下闘争。
▼第7章ヒクソンの亡霊
ヒクソン迎撃要員に指名されたライガー、中西、藤田の心情。“最後の一矢”は小川ではなくヒクソン戦へ……長州力の覚悟と挫折。
▼あとがき
闘うプロレスラーたちに敬意を表して
##
1999年1月4日の新日本プロレス東京ドーム大会。「佐々木健介VS大仁田厚」「小川直也VS橋本真也」という二つの試合が行われていた。あれから10年、“格闘技より弱い”“筋書きがある”といった評価を浴びながら、プロレスは転落していった。
中でも、小川直也を盾としたアントニオ猪木の介入、猪木による格闘技界への新日本プロレス選手貸し出しはプロレス界に大きなダメージを与える。“子殺し”“10年戦争”とはよく言ったものだ。
金沢氏が単行本を出すという話を伝え聞いてから、やはり“格闘技大会へと駆り出された男たちの葛藤”が主軸になるんだろうと想像していた。その点もどっぷりと描かれて必読なんであるが、ボクが気になったのは大仁田厚と小川直也である。
まずは、大仁田。本書では、大仁田がFMWを離れて新日本プロレスに上がっていくまでの舞台裏が克明に描かれている。それは、そうだ。はっきりとは知らなかったのだが、大仁田サイドサイドから新日マット参戦の打診を依頼された金沢氏が、あり得るかどうかの感触を新日本現場監督・長州力に直接聞くということをやってのけているのだ。
長州番として知られる金沢氏が、まさか長州とは犬猿だった大仁田とこれほどまでに関わっていたとは驚き! なおも、長州と金沢氏(ゴング)がリンクした作業は続く。そこで仕掛けられる大仁田のパフォーマンス、コメント、試合は実にプロフェッショナルであった。これが金沢氏のみならず、長州の心を動かして、新日本と大仁田の蜜月が続いていくことになる。
ボクは大仁田のことが好きではなかったが、これでもかというエピソードの数々に圧倒されて、見方が変わった。反省もした。
新日本の内部では、ものすごく大くくりに言うと、“大仁田との抗争を押し出したい長州”と“小川を主軸に介入したい猪木”の対立が浮かび上がる。こう書くと、アンチ金沢派は「小川否定派の金沢だから大仁田についたのか」となるだろう。だけれども、そんな単純な話ではまったくない。
小川が橋本真也に仕掛けた(小川の暴走でノーコンテスト)試合後、猪木は完全に腰が引けたコメントしか発さず、小川は電話口で橋本に謝る始末。それでいて、『フライデー』には取材記者の意図通りにコメントを利用されるという失策をしてしまう小川。当時の『週刊ゴング』には書かれなかった生々しさが、実に説得力をもって迫ってくる。
金沢氏の「小川直也は馬鹿である」をはじめとする当時の記述は、このすべてを見切った上で書いていたものだったのだ!
思えば、プロレスが迷走しようとした一方で、ボクらは小川に確固たる強さを期待した。だけれども、小川はその強さを披露する術をもっていなかったし、逆にプロレスの不透明さを助長する試合を量産していくだけだった。なのに小川に“正しい”ものを見いだそうとし、新日本を不甲斐ないものとして見ていた時期があったことは確か。
プロレスというのは、本当に難しい。
それでも、『週刊ゴング』編集長だった金沢氏は、ペンの力で闘い続けた。それは、実売数で競合『週刊プロレス』誌を初めて上回るところまでの風を吹かせる。
「格闘技」という異ジャンルが越境して仕掛けてくる。「親」が理不尽に干渉してくる。こんなジャンルはなかなかない。それでも、不器用なプロレスラーたちは、真っ向勝負で闘おうとした。そこには、他ジャンルには絶対にあり得ない、珠玉のノンフィクションが存在した。
ノンフィクションの主役であるプロレスラーたちとの共犯関係にあった金沢氏。彼にしか書けない話が、『子殺し』にはこれでもかと出てくる。当時に戻って、金沢氏やプロレスラーたちと一緒に闘っている気分になる。ぜひ、ご一読を。
人気ブログランキング記事を読む
■□T.SAKAi 当サイトでの事実誤認・誤字の指摘、感想・苦情等は左下・ココログマーク下「メール送信」から。大変助かります。
« 健介VS森嶋、中嶋VS望月 2大シングル戦~健介オフィス後楽園ホール、速報観戦記まとめ | トップページ | 戦極がヒョードル獲得交渉へ »
« 健介VS森嶋、中嶋VS望月 2大シングル戦~健介オフィス後楽園ホール、速報観戦記まとめ | トップページ | 戦極がヒョードル獲得交渉へ »















































