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2009.10.28

へそ曲がりカシンが“初めて”見せた笑顔。柴田勝頼は成長をみせつける~DREAM.12大阪総括

 元新日本プロレスラー対決である柴田勝頼VS石澤常光が組まれたDREAM.12大阪大会(10月25日(日)大阪城ホール)。感動を残して大会は無事に終了した。
・ <速報終了>DREAM.12~桜庭、緊急参戦! 柴田VS石澤が実現/大阪城ホール15:00開始: カクトウログ
・ DREAM.12(スポーツナビ)

 柴田勝頼VS石澤常光、リンク先に試合経過と両者のコメント。
・ 第5試合 ミドル級ワンマッチ 5分3R(スポーツナビ)
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・ 柴田試合後のマイク「ひと言だけ、ほんとに自分がこの世界に入ったのは石澤さんがいたから、あこがれでした。自分が思うプロレス、それを体現していきたいと思います。ありがとうございました」
・ 柴田、控室「石澤さんがボクとの試合をなんで受けてくれたのか分からなかった。(けれども、)ずっとタックルを警戒していたんですが、正面から殴り合って魂を感じました。プロレスの持つ何かを教えられたような気がします。石澤さんはハートが強いです。手応えがあるパンチが何発か行ったんですけど、全く顔に出さなかった。ガンガン来たんで」

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 あわせて、GK金沢克彦氏のコラムをご参照いただきたい。
・ kamipro.com | 金沢“GK”克彦のこちらプロレス村役場ドットコム | 猪木からの電話と試合後の破顔一笑!柴田戦を契機に石澤の時計は動き始めた
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・ 予想した展開とはまったく違っていた。石澤は真っ向から打撃で柴田に対していった。しかも、一度は柴田を金網に釘付けにして連打を見舞うなど、クリーンヒットもあったし、堂々と渡り合っていた。同時に、柴田も成長していた。石澤のタックルのキレとグラウンドに入ってからのコントロールの上手さは知りつくしている。なんせグラウンドで固められたら、あの藤田和之でさえ身動きできなくなるというほど、石澤の腕力は強いのだ。柴田はタックルをしっかり防御していたし、石澤に有利と見られていた金網をむしろ有効に使って、密着しても絶対にテイクダウンを許さなかった。
・ そして、第1R終盤のTKOシーンへ。石澤の左ストレートに合わせるように柴田の左フックがカウンターで顎を捉えた。堪らず尻モチを着いた石澤に柴田がパウンドの連打。勝負タイムは4分52秒だった。終わってみれば、ラウンドの残り時間はわずかに8秒だった。
・ いろいろと周囲に聞いてみたところ、どうも石澤サイドの戦略は違っていたらしい。以前、当コラムでも書いたとおり、石澤のスタミナというのはケタはずれ。試合の映像を観ても分かるように飄々と闘っているし、口を開けることもなければ、ガードも終始下がることがない。41歳という年齢を超えて、この無尽蔵のスタミナは健在なのだ。だから、長期戦に持ち込む戦略を立てていたし、5分3Rのフルラウンドを闘えば勝てると踏んでいた。そこで、石澤サイドにとって想定外の部分といえば、打撃で互角以上に応戦できていたことと、反対に柴田の上手さと粘りでタックルからのテイクダウンを奪えなかったこと。
・ ここで、まず第2Rまで持ち込めば作戦どおりだった。ところが、石澤はセコンドの声を無視して当初の戦略を捨て去った。1Rの終盤に入っても正面から殴り合ったのだ。これがプロレスラーの本能であり、石澤常光の“じょっぱり”だろう。拳を交えるなかで、柴田の気持ちに応えたくなったのかもしれない。

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 成長した柴田の防御に屈したという点と、打撃で柴田と予想外に渡り合えた点。両面があって石澤は打撃勝負を選択。当初の作戦から変更したことが凶と出たわけだが、これは石澤にも悔いなしだろう。石澤の闘いぶりに、柴田本人もGKも“プロレス”を感じた。もっと言うと、生き様だったり人間力を表現できるのがプロレスであって、もうそれを見せつけられただけで最高の試合だった。

 そして、ボク的なクライマックスは、試合直後に訪れる。
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・ そういえば石澤さんの試合後の表情・・・あんな笑顔は初めて見ました。(柴田勝頼 10/28更新分携帯サイト「プロレス・格闘技DX」コラムより)
・ それらすべての感情が、いままで見たこともない試合後の笑顔となって表れたような気もする。勝って号泣する柴田を抱きしめた石澤の笑顔には一点の曇りもなかった。彼を17年見てきたし、プライベートでも付き合いがありながら、こんな顔は一度も見たことがない。まさに、破顔一笑。石澤のなかで、ここ数年くすぶっていたストレスやフラストレーションがすべて発散されたようでもある。(金沢“GK”克彦のこちらプロレス村役場ドットコム)

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 石澤の笑顔と、柴田の泣き顔。この組み合わせが素晴らしかったんであるが、なんと言ってもへそ曲がりなケンドー・カシン石澤が(柴田にもGKにも見せたことがない)素直な笑顔を見せたことには「マジか!」という気持ちにさせられた。あの笑顔一発で、この試合の説得力というか完成度の高さが高まったようなものである。

 柴田が進んでいく道。
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・ 石澤さんと闘う事で、今自分が進んでいる道が間違っていないこと、自分の居場所が間違っていないことを確信しました。自分はこの道をゆくべき人間だ!と。(柴田勝頼 10/28更新分携帯サイト「プロレス・格闘技DX」コラムより)
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 前田日明にスタミナ不足をけちょんけちょんに言われたり、高阪剛に素質を誉めちぎられたり、そんな中で総合格闘技での負けが一時期続いた柴田。本人にとっては勝手なお世話だと思うが、ファンも一緒になって“柴田はどう生きるべきか”を模索しながら応援してきた気がする。だけれども、また一歩本人が今の居場所に確信を持ち、なんだかボクらもそんな柴田をいっそう応援したいと思えてくる、そんなシチュエーションになってきた。

 プロレスラーというべきか、プロレスラー出身というべきか。どっちでもいいんだけれども、その生き方を変えない男がここにいる。あの交通の便が悪い西武ドームまで足を運んでボクらが流した悔し涙(石澤のハイアン戦敗北)。そのスタンスを変えないままに格闘技をみていいんだよということを、柴田は一生懸命に提示しようとしてくれている。誰よりも、そういう視点で柴田が生きている。石澤の笑顔は、「お前もこっちの思考で生きてくれるんだな」という嬉しさだったのかもしれない。

 ボクらのプロレス、終わってたまるか!


*追記
大会全体も、ものすごく格闘技にマジメに取り組んでいる、知名度はないけど経験や実績に裏打ちされた選手たちがいい試合をしていました。テレビと、集客と、質の高さ。バランスをとるのってホント難しいんですね。

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