プロレスの医療面は大丈夫か？ ライセンス制度のみならず医事委員会設立も立ち消えになっていた

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　三沢光晴さんが亡くなってから話題となったプロレス界の医療面での整備。そのプランは会見などでも共有されていたはずだが、めっきり聞かれなくなった。

　新日本プロレスの三澤トレーナーがブログで警鐘を鳴らしている。
・　ライセンス制度はどこに？｜三澤トレーナー日記・「七人のボルサリーノ」
＃＃
三団体の代表者が集まり、何度も会議を行った。
私もトレーナーとして参加していた。
このライセンス制度、プロレスラーとしての技術面・体力面だけでなく、メディカル面を絡めるとやっかいなことはたしかだった。
なぜなら、活躍している現役選手に引退勧告をしなくてはならないケースがありそうだったからだ。
しかし、当時の状況からして、メディカル面なくして世間の納得を得られない。
そこで私の提案したのは、

「プロレス医事委員会」の設立。

各団体のトレーナー、リングドクター、その他協力してくれる医療機関・専門家によって構成し、
医学情報の共有はもちろんのこと、選手の欠場や復帰、引退勧告などの協議。
試合中の負傷事故が起こった場合など、以前からのケガはなかったかなどの審査。
などなど、一団体内では収まりきらない場合の、医事を考える場である。
これは、この数年前にも会社に提案していた事案であった。（その時も実現せず）

ライセンス制度は実現手前であった。
というか行われるものだとばかり思っていた。

しかし、いつの間にか話は聞かれなくなった。
なんでなくなったのか、なんの説明もない。
当然、医事委員会の話も立ち消えに。

あれから数年、ノアのトレーナーとは情報をやりとりしているが、全日本プロレスではトレーナー制度そのものがなくなってしまった。

雑誌なども事故が起こった時は散々取り上げるのに、平和なときは提案してもまったく感心を示さない。
厳しいプロレス界の医療面の充実。

せっかく三団体が揃うのだから、うやむやにせずもう一度しっかりと企画してほしいものだ。
＃＃

　この話、スーパーヘイトの件を受けて書かれたものではない。しかし、折しも医療面の充実が気になるタイミングでの発信となってしまった。

　ハッとさせられたのは、「（ライセンス制度を導入すると）活躍している現役選手に引退勧告をしなくてはならないケースがありそうだった」とのくだり。ボクらファンもそういうことを想定したわけであるが、関係者サイドからのこういう話は初めてのような気がする。

　ライセンス制度に関しては、それ自体の話がなくなっているばかりか、一歩手前ともいえる「医事委員会」案さえ立ち消えとなっている状態だという。気になることに「全日本プロレスではトレーナー制度そのものがなくなってしまった」とも。これは、三沢さんが亡くなってから“改悪”されていることなんだろうか。各団体とも余裕はないんだろうが、医療面の整備は進んでいない。

　よく「命を賭けて闘う」なんて言い方をするが、健康診断はもちろんドクター配置やレフェリングによって“安全が確保された”中での闘いだからこそ安心してみれるのだ。業界には進展への一考をお願いしたい。

　なお、三澤トレーナーも推進役となっているプロレス道場でのニュースも。
・　プロレス道場 回数券制始めました｜三澤トレーナー日記・「七人のボルサリーノ」

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