NOSAWA論外復帰の是非~ボクらは厳しい目を向けなければ/活動自粛中メキシコで試合した?
25日の鈴木みのる制作指揮による震災復興支援チャリティー興行にて、みのるがNOSAWA論外(2月に泥酔による無免許でのタクシー窃盗容疑)をリングに呼び寄せ、ケジメマッチを敢行。復帰を認めるという流れとなった。
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読者の方は、このニュースをどう思っただろうか。直観的にいいと思ったか? 悪いと思ったか? そして、その理由を自分の言葉で語れるだろうか? この件は、プロレスへの関わり方をボクらに問いかけているようにも思えるのだ。
プロレスに深くかかわっている業界関係者の意見を3つ紹介。
金沢克彦氏がkamipro携帯サイトで記している。
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チャリティー興行と混同させてはいけないが、鈴木にしたらNOSAWAに復帰への足がかりとなるキッカケを作ってやりたかったのだろう。これが、それなりの団体の主催大会であれば、やはりすんなりとはいかない。しかし、鈴木が音頭を取った興行だからこそ許される。責任は鈴木に掛かってくる。しかし、だれかがキッカケを与えてやらなければ、NOSAWAはこの先もずっと干されたまま。もう充分のような気がする。
2月20日未明に仙台で無免許飲酒運転という“事件”を起こしてから4カ月、NOSAWAのプロレスラーとしての収入はゼロだった。被害者側が被害届を提出しなかったことが救いではあったが、多大な罰則金を支払ったうえ、社会的制裁、経済的制裁も受けた。
それらを踏まえての鈴木の英断であったと思う。
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鈴木健氏がブログで記している。
・ 鈴木健.txt OFFICIAL WEBSITE Ken@suzuki.txt が投稿した記事 2.9から
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NOSAWA論外とのケジメをつけるのは仲間たちが集うあの場以外になかった。どんなにバカで、どんなに「カスみたいな男」だろうともNOSAWAが仲間であることに変わりはないから、鈴木は被った。仲間でなかったら「こんなに早く罪を犯した人間をリングに上げていいのか」「犯罪者をかばうのか」といった想定されるあらゆる声をわざわざ被ろうなどとはしない。その方が、ずっとラクなのだ。
どこかの団体が、NOSAWAに更生の道を用意しようと思っても組織全体のイメージにかかわってくるからできない。鈴木はそれもわかっていた。だから仲間内で道を与え、観客へ立会人となってもらった。客席の全員がNOSAWAの復帰を認めたわけではない。ましてや、その場におらずニュースだけ聞いたファンはむしろ納得していない方が多いだろう。それほどのことをNOSAWAはやってしまったのだから、当然である。しかし彼には、それでも見放さない仲間たちがあんなにもいるのだ。自分が過ちを犯してしまった時に、いったいどれほどの人が残ってくれるのだろうか…自分に照らし合わせて考えてしまった。あの場にいた仲間たちが、NOSAWAという人間の映し鏡でもあった。
本来ならば、3カウントが入って終わっているところだったかもしれない。けれども、仲間たちの存在がNOSAWAをカウント2.9で救った。今大会のタイトルである「カウント2.9~さあ、これから」は、あたかもNOSAWAに対する鈴木からの呼びかけのようでもあった。「2.9という数字はプロレスにしかないもの」と鈴木は言っていた。世間の尺度からすれば3カウント入っているところを、プロレスはそこからの姿を見せられる。だからといって、すべてを無条件で容認する必要などない。むしろ今まで以上にNOSAWAに対しては厳しい目で見ていただきたい。これらのことを受け入れたひとりとして、私も書き手の信用という意味で少なからず被ることになるのを覚悟しているが、だからこそ逆に甘い顔はできないと思っている。中には「見るのも嫌だ」というファンもいるだろうが、それさえもNOSAWAは乗り越えていかなければならない道を自ら選んだのだ。
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佐藤光留(当日の大会にも参加)が記している。
・ 自分|公!!光留塾☆期間限定復活分校☆
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NOSAWAさんの復帰に賛否両論あるのもわかる。だが、刑事的責任も、社会的な責任もとったと思う。「復帰が早い」と言ってる人は、いったいどれぐらいの長さなら良いのかを、具体的な理由と一緒に説明してもらいたい。
僕だって、小さな過ちを山ほど犯しながら生きてきた。この世に過ちを犯していない人間なんていない。プロレスと一緒。負けた事のない選手なんていない。ネットでNOSAWAさんを批判している人間に問いたい。ネットの中の自分像は、どんだけ品行方正なんだ。実際の自分と、どれだけ差があるのか。ネットの中にいる人間が、実際に現実にもいたら、きっと世の中はもっとちゃんとしているハズだ。
NOSAWAさんのやった事を肯定するつもりはない。が、もう刑事的責任はとった。タクシーの運転手さんとも話しがついた。後、何をすれば良いんだ。復帰とは、許されたからするんじゃない。許してもらうためにするんだ。結局、罵声を浴びて批判を受けて、許されていくのだと。それから逃げて、ずっと声の届かない場所にいて、何が反省なんだろうと思う。よく「引責辞任」なんて言うが、あんなものが何の責任もとってない事に、もうそろそろ気付くべきだ。
批判をする人にも仲間がいるだろう。家族も、友達もいるだろう。NOSAWAさんは、僕の大切な先輩だ。今の自分が有るのは、NOSAWAさんの「ある一言」があったから。仲間を信じれなくて、なんで他人が信じれるんだよ。身近にいる先輩を信じてあげれなくて、どうして遠くにいる被災地の人達を助けれるんだ。
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業界関係者は受け入れムード。こうやって意見を読んでいるといろんな観点に気づかされる。そして、鈴木健氏と佐藤光留は(ニュアンスは少し違うが)異口同音に、復帰してからも厳しい目で見られたり、批判を受けたりするべきだと主張している。復帰したからといって、それがゴールではないわけだ。
この復帰問題に関しては読者からメールもいただいた。ブログで取りあげていることで、ボクも受け入れていると思われているかもしれないが、きちんと考えを書きとめることができていなかった。
思うところをまとめると。
ボクはNOSAWA論外の過ちをたった1回とは思っていない。全日本プロレスに穴をあけて欠場ということもあった、これも酒絡みじゃないかと言われている(違うという情報を持っている方がいらっしゃったら教えてください)。仮に全日欠場が酒絡みじゃなかったとしても、酒を飲まないように制限していたはずなのに、2月の新日仙台大会前には飲んでいたわけではある。つまりは問題云々以前に自分をコントロールできていない。だから、このままうやむやに復帰するのには反対だ。
復帰にあたっては、こういう自身のアンコントロールな状態をどう律していくのかの具体的な方法をNOSAWAが宣言すべきだと思うし、それがキャラ上でどうしてもできないんであれば、上がる団体が「こういう約束を本人にしてもらった」と発表すべきだろう。あわせて、団体サイドもシリーズ中の大会後外出の際には必ずレスラー仲間を同行させるなどNOSAWAの行動に制限をかける必要がある。それはずっとかもしれないし、1年かもしれない。
フリーレスラーによる残念な事件もさいきんになってあったばかりであり、とにかくプロレスの信頼回復(あるいはトラブル防止)のためにボクらは厳しい目を向け続けなければと思う。
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なお、読者から“活動自粛中の5月にNOSAWAはメキシコで試合をしていたのでは”というメールをもらった。5月15日(現地時間)、メキシコの「ルチャ・ファン・フェスト4」がその舞台。
・ 誰も来ない部屋:地球の裏側へ3ヶ月 - livedoor Blog(ブログ)
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5月15日。メキシコのアレナ・ナウカルパンにおけるルチャファンフェスト。
メインイベントはカネック&ドスカラス&マスカラス対サイコサーカスという豪華な顔ぶれで、セミファイナルはスペル・クレイジーのハードコアマッチ。
この二つに加えて、すごいものがある。
日本から行った紫雷イオ。ではない。
そのパートナーである。
PWC出身という素晴らしい経歴の持ち主。
メキシコでも成功した世界規模の人。
そう、NOSAWAだ。
日本でタクシー盗難事件でやらかしてから3ヵ月、待ち望んでいた復帰が地球の裏側で実現である。
これはいいことだ。
そして、NOSAWAがルチャファンフェストという場に出るというのは、ファンにも支持される素晴らしい人であるということを意味する。
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ポスターにもNOSAWAの写真あり。
・ Boletos ya disponibles para el Lucha Fan Fest 4 | Superluchas.net: Lucha Libre, MMA y Wrestling
結果速報の中でNOSAWAの名を明記、新チャンピオンになったと記しているサイトも。
・ Lucha Fan Fest Quick Results: Live Event – Naucalpan, Mexico (5/15) | --ROH/Indy Results |
活動自粛中にメキシコで試合をしていた!?
この試合、紫雷イオがミックストタッグ(男女混合タッグ)のベルト奪取に成功したことが週刊プロレス(No.1580)でもレポートされている。不思議なことに、破った相手チームの2人の選手名はあれど、パートナーについての記述はなし…。
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>> NOSAWA - Wikipedia
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