「TARU以外の暴行判明」から「ヘイト内縁の妻自殺」まで~逮捕報道後の全日暴行騒動まとめ
5月29日、全日本プロレス神戸大会の控室。そこにいたのは、スーパーヘイト(平井伸和)・TARU・MAZADA・KONO(河野真幸)・稔(田中稔)の5選手。ヘイトが暴行を受けたとされた騒動(救急車で搬送され開頭手術)は、TARUひとりが殴った(他の選手は止めていた)として決着していたはずだった。
ところが急展開。ご存知の通り、11月22日にTARUとMAZADAの2人が逮捕という衝撃の報道が出る。
ここでは当サイトでも追いきれていなかった「TARU以外の暴行判明」から「ヘイト内縁の妻自殺」までの、警察介入後にわかった全日暴行騒動についてまとめたい。
まず、ボクらの記憶では「全日本プロレスの調査によると殴ったのはTARUひとりだった」となっている点だが、6月16日には全日本プロレスサイドが警察に事情聴取を受けている(TARU、MAZADAは含まれていない)。
・ ヘイトさんいまだ…半年前「暴行」で逮捕 - プロレスニュース : nikkansports.com
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多留容疑者が6月1日に会見、自分1人で殴ったことを認め、事実上の引退状態となった。他の3人も現場に居合わせたことから、連帯責任で無期限出場停止処分になった。同16日に東京・九段の全日本の事務所で、稔とKONO、関係者が葺合署の事情聴取を受け、多留容疑者以外は暴力をふるってないことが確認されたとして、3人が7月1日に処分解除。その後、試合に復帰している。
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にもかかわらず、全日サイドは自分たちの調査だと強調していたのだから、全日による調査報告に近いニュアンスだったということなんだろうか。この点はよくわからない(日刊スポーツの誤報の可能性もある)。
結論付けられたはずのTARU単独暴行という見解が覆ったきっかけは、ヘイトの母親による告発状だ(次の文章は、時系列にそった書き方に文章を整えています)。
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ヘイトの母親が先月(10月)19日、弁護士を通じて告発状を提出。多留容疑者と正田容疑者は葺合署から出頭を命じられ、弁護士を通じて、この日(11月22日)の出頭を連絡。捜査の結果、多留容疑者は午後1時15分、正田容疑者は同1時41分に逮捕された。両容疑者はいずれも容疑を認めている。
多留容疑者は「日ごろの態度が悪いことを叱ったが、反省の色が見られず殴った」。正田容疑者は2人の仲裁に入ったが、ヘイトの態度に立腹して顔面などを殴ったという。
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確かにいったん「止めた」MAZADAだったが、ヘイトの態度に立腹して「殴った」。この点が全日サイドの捉え方(止めた)と食い違いを見せた。
逮捕報道後の全日・内田社長の記者会見(携帯サイト「kamipro Move」)より。
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「私達なりに調査もしたのだが……。加害者側の認識の違いはあると思う。手が触れただけだったり、(いざこざを)分けようとしただけと彼らが思っても、(見る人によって)違うこともあるし」
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内田社長の言う“加害者側の認識”に相当するものが“ヘイトの母親による告発状”だろう。しかし、母親自身は現場に立ち会っていないわけであるから、告発しようがないはず。ヘイトが明確な証言ができるまでに回復した様子もない。稔、河野、あるいは全日関係者が新たな見解を出した(それを母親が引きだした)ことによる告発状だったのではなかろうか。
河野は今回の件で微妙な言い回し。
・ TARUら逮捕で全日社長が謝罪 - プロレスニュース : nikkansports.com
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現場には稔、KONOも居合わせたが、6月16日に兵庫・葺合署の事情聴取を受け、正田容疑者を含めた3人は“問題なし”として試合復帰を果たしていた。内田社長は「正田容疑者は止めに入っただけと聞いていた。ショックです」。KONOから名前を元に戻した河野真幸は「うかつにはコメントできない。僕は、あの日のことは直後に話している。しかるべき時に、しかるべき場所で話す」と説明した。
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司法の場ですべてが明らかになったとき、河野も何かを明かしてくれるのかもしれない。
逮捕報道から2日後の11月24日、東スポでは「ヘイト内縁の妻自殺」という衝撃報道。
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・ レスラー同士による争い事が事件化した一方で、あまりに悲しすぎる現実が複数の関係者の口から語られた。
「実は今月の10日にAさん(内縁の妻)が亡くなりました。どうやら自殺したようです…。すごくいい子だったのに、残念です」
・ Aさんと平井さんは入籍こそしていなかったが「10年以上は付き合いがあったんじゃないか」(前出の関係者)という。試合会場にも応援に駆けつけ、公私に渡ってサポートしてきた。しかし、事件発生以来、Aさんはなかなか平井選手と面会できなかったという。しかも、記憶障害のため「自分のことをあまり覚えていなかった…」と苦しい胸の内を親しい人に明かしていたようだ。
・ また、一連の騒動については「TARUさんとかに恨みはない。逆にTARUさんもかわいそう。TARUさんが(平井選手を)全日本に残してあげようとしてくれてたんだから」と仲間同士による騒動に心を痛めていたという。
・ 不眠症気味となっていたAさんは睡眠障害改善薬を服用しつつ、その後は精神安定剤を欲しがっていたという。愛する人から自分の記憶が薄れていき、心労が重なり薬を過剰に飲んでしまったのか。
・ さらに「明るい感じだったけど『自殺願望が強くなっちゃって…』と言ってました」と、Aさんから直接自殺をほのめかす電話を受けた別の関係者もいる。
・ そして10日、Aさんは平井選手と同居していた東京・目黒区にある自宅で自ら命を絶った。翌11日には故ジャイアント馬場さんの葬儀も営まれた、品川区にある桐ケ谷斎場で荼毘に付された。
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あくまで推測であるが、自殺という重い決断に至ってしまったのは、Aさんにとってヘイトの状態があまりに絶望的にみえたのではないか。いろんな意味で重すぎる記事である。
母親による告発状とAさんの死を結びつけて考えがちだが、Aさんは記事の中で「TARUさんとかに恨みはない。TARUさんが(平井選手を)全日本に残してあげようとしてくれてたんだから」としている。AさんはヘイトとTARUの関係をよく理解している。
2人の関係とは?
・ 2011.06.03 控室に入って騒動を収めたのは和田京平レフェリーだった~TARU暴行原因について重大証言【追記あり】: カクトウログ
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記事によると、控室に踏み込んで騒動を収めたのは和田京平レフェリー。原因の一つとして「年齢とキャリア的なことがあった」ことを挙げ、5年先輩(ヘイト)と5歳年上(TARU)という関係を指摘。TARUはヘイトの試合数が増えるよう幾多の提案(ヘイトへの変身など)をしつつ、自身でアイディアを出さないヘイトに怒りが積っていた。ヘイトにしてみれば後輩なんだからブーブー言うなとなっていたようだ。
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再び、内田社長の記者会見(「kamipro Move」)より。
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――昨日、TARU、MAZADA両名が逮捕されたが?
「業界全体の印象を悪くしてしまったし、全日本プロレスの不徳の致すところ、反省して、改善していきたい。一番ショックだったのは、MAZADAの逮捕。6月からよくしようという試みもして来たのだが」
――具体的には?
「会社の仕組みを変えたり、バスの移動も(ヒール、正規軍分けずに)一緒にして来た。さらに改善していきたい」
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ヒール・正規軍という明確な区分けは騒動後になくなったが、現在もなおイデオロギーで複数のユニットを抱える全日本プロレス。ユニットが違えど、一緒に移動していることになる。従来の枠組みを捨ててまで、全日本は信頼取り戻しに取り組んでいる。
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