恒例となっていた“大晦日格闘技の地上波テレビ中継”が途絶え(ボクシング中継はあったが、盛り上がったのかな?)、ノー地上波で行われた「元気ですか!!大晦日!!2011」。DREAM(総合格闘技)とIGF(プロレス)が合体してのロングラン興行は盛況の中で終了した。
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簡単に感想を記しておきたい。
会場で観戦したが、9時間も観戦していたとは思えない面白さ。軸となったのは、やはり各階級のトップ日本人対決でした。格闘技はやはり、現実を突きつける、残酷極まりないもの。マッハ、川尻、高谷、青木が圧倒的な強さを見せつける。一進一退の逆をいく予定調和破りがあったわけだが、その構図の中で陥落してたまるかという驚異的な粘りを見せた北岡には感動せざるを得なかった。
中盤にアントニオ猪木劇場が繰り広げられる。思えばDREAMの前身となるPRIDEでは猪木の挨拶も行われていた。今大会では、猪木劇場の後に桜庭和志が入場式で登場し、入場式のラストをエメリヤーエンコ・ヒョードルが務める。あのPRIDEの高揚感がさいたまスーパーアリーナに降臨。まるでタイムスリップしたような、なんとも言えない空間に酔いしれた。こういうものから遠ざかっていたから、余計にそう思ったんだろう。
日本格闘技はしっかり“生きていた”のだ! 一夜限りか、いややりようによってはまだまだいける。テレビがつかないのは痛いか…。
テレビがつかない中で大会を実現させたのは、震災復興を目指す日本のためと、石井慧の今後への期待を込めてのヒョードル参戦(2億円だったファイトマネーを2,500万円まで減額)など関係者の尽力もあったが、合体先のIGFの資金力・猪木人脈に頼るところが大きかったのは間違いない。
現実とは皮肉なもので、“助っ人”となったはずのIGFの選手勢の試合がピリッとしない。もちろん最初からハンデはあった。「5分2ラウンド」の試合を連続で見せられた中で、いきなり「60分1本勝負」なんである。これに観客席も、ざわざわ、ざわざわ。
ふだんはプロレスの他団体を「闘いがない」と批判して差別化しているIGFだったが、試合が始まると、観客席から見事なまでに「お前たちには闘いがない」と突きつけられたようなヤジ、リアクション多数。いやはや、恐れていたことが、、、。
昨年12月2日にIGF両国大会を観戦して感じたのは、“名の売れたレジェンド同士の対戦にワクワクする”プラスを、“大味なプロレス”というマイナスが打ち消していく興行だということ。
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大晦日興行は格闘技とのカップリングだっただけに、この大味感が余計に際立った。大観衆の前で「プロレスとはこういうもの」という目で見られたことが、悔しくてしょうがない。
そして大会は、「澤田敦士&鈴川真一 vs 桜庭和志&柴田勝頼」IGFvsDREAM対抗戦(60分1本勝負)へと差しかかる。
まずは「アイアンマン」がかかり、桜庭&柴田がプロレスの名タッグチーム「ロード・ウォリアーズ」に扮しての入場。なんだよ、緊張感ある闘いを見たいのに、桜庭はやっぱりお遊びモードかよ。そう思わせた。ゴングが鳴ると、柴田と鈴川が掌底・ビンタ合戦。これでビンタが得意なはずの鈴川がコーナーに追い込まれる。ん? これは技の競い合いに昇華するプロレスになるか、噛みあわないガチさを伴うものになるのか、どっちかわからないぞ。
ここからの展開は、ずっと噛みあわない。桜庭が料理しようとしてもすぐにブレイクしていく鈴川・澤田。桜庭は「えっ、ロープだと関節技を解かなきゃいけないの?」というリアクションである。技もきれいに決まらず、膠着、小競り合い、主導権争いが延々と続いていくものであった。しかもタッグマッチであるから、カットプレーもあり。誰かが仕掛けてしまうと壊れそうな危うさ。
それでいて、桜庭のトンチ「トップロープを握ったまま、ロープをつたって自軍コーナーまで移動し、柴田にタッチ」。ロープだから攻撃できないでしょ。受け狙いなのか、“逃げが目立った鈴川・澤田”への怒りの対抗手段なのか。何がやりたいのかの答えを観客に明かさない桜庭からの挑戦状。
意図したものなのか、偶然なのか。ここにはプロレスや格闘技という枠組みを超えた予想外の興奮があった!
いやはやわからないものである。もっともプロレスに近い試合になるだろうと予想された試合が、もっともお互いへの嫌悪感・警戒心ありありのリアリティあふれる試合になるなんて。ロード・ウォリアーズでの入場からの大転換である。
結果的にIGF選手が出場した試合では、DREAM勢との対抗戦タッグマッチのみが「闘い」が感じられたものとなった。IGFは自らのレギュラー選手では闘いを生めないことが露呈されたのだ。ひょっとして、IGF選手勢は、自分たちが対抗戦でしか輝けないことがわかっていて、あれだけ他団体を口撃してきたのか!?
興奮させられた対抗戦だったが、最後に柴田がドロップキック着地失敗で手首負傷。これは大きな減点。柴田には、この落とし前をなんらかの場で必ずつけてもらいたい。
とにかくIGF勢の不出来は予想通りだったし、バンナらが受け身での“かばい手”で負傷したりしないか本当にハラハラした。IGFは今年、どこへ向かうのだろう。これ以上、猪木の顔を潰さないでくれ…。
最後に大会会場で気になったこと。マニアなファンも多くいたが、明らかにライトなファン、若者同士の観戦や、カップルも多くいた。まるでトレンドなイベントを見に来る感覚での観戦も多かったんじゃないかと思う。連れて行った男子も、連れてこられた女子も、9時間興行にはびっくりしたろうな。クセになってくれたのか、拒絶感を持ったのか。ちょっとだけ気になったりした大晦日の夜だった。
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