鈴木みのるが「あの時代に関わったヤツラ」への怒りを露わに~進化した受け身と、消えたニタニタ顔
新日本プロレス9・23神戸大会で、鈴木みのるが棚橋弘至を「だから、プロレスごっこって言うんだよ」と挑発。10・8両国大会で両者のIWGP戦が決定している。
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リング上での言葉だけなら、棚橋のプロレスを“ごっこ”と批判しているように見えた。されど、バックステージの言葉や中邑真輔の解釈を通じ、みのるの矛先は過去であり昭和にあることがわかってきた。ここまでのアウトライン。
1日更新分のKAMINOGE携帯サイトで金沢克彦氏がこの件に触れている。
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・ (みのるの)挑戦アピールはごく自然の流れでもある。ただ、顔が違った。鈴木の顔にニタニタ笑いは一度も浮かばなかった。鈴木がニタニタ笑いを浮かべずに対峙する相手は二人だけ。永田裕志と船木誠勝だけである。だから、覚悟の表情、覚悟のマイクアピールに思えた。つねにプロレスを考えて、プロレス頭を全開にしながら業界を見ている男が、いまナマの感情をぶつけてきたのだ。
・ 一方の棚橋は「カラいこと言おうか? あんたはプロレスごっこもできてないよ。イチから受身の練習をしたほうがいいんじゃない?」と切り返した。これは今年の1.4東京ドームで真壁が鈴木に向けて言い放ったシュート発言と同じ。
「バンプのひとつもろくに取れない素人さんよ!」と鈴木をこき下ろした。たしかに、いまの若いレスラーに比べて鈴木は受身が上手いとは言えない。首に爆弾を抱えているし、パンクラス時代は受身を必要としなかった。
ただ、注意してみればわかるだろう。あの真壁発言以来、鈴木はガンガン受身をとっている。「ふざけんな!」とばかり受身をとる。G1公式戦最終戦(両国)の永田戦でも、もの凄いバックドロップホールドを食って、受身をとっているのだ。
・ これはイデオロギー闘争なのか? 平成プロレスvs昭和プロレスなのか? 最後の昭和プロレスの鬼ともいうべき鈴木みのるが、平成プロレス、いや現代プロレスを代表して昔、過去に挑むという、なにか壮大なテーマを感じてしまう10.8両国大会なのである。
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進化した受け身と、消えたニタニタ顔。ここからみのるの変化を指摘する金沢氏はさすが。受け身ではないが、ボクも以前には、みのるが相手のラリアットを横を向いて受けてしまうシーンを見たことがある。今なら違った受け方をすることだろう。
新日本プロレス本格参戦から時間が経って、新鮮さがどうしても失われていく中で、みのるが持つ怖さは後退している印象を抱かれがち。だけれども、今年に入ってからのプロレスであったり、今回の両国大会というものに、みのるが力を入れて取り組んでいることがわかる。
4日更新分の携帯サイト「プロレス&格闘技DX」鈴木みのる日記より。
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・ あの時代(昭和)に生きたヤツラが・・・あの時代に関わったヤツラが…もっと極端に言うと、「今」のプロレスに関わることの出来ないヤツラが口を揃えてこう言うんだ…「今のプロレスはサア…」って。
・ 誰かが何を言っても時代は動いている。誰かが何を叫んでも時代は変わり続けている。とてつもなく大きな物として、「プロレス」は命を授かり生き続けている。だから、どんどん変わっていくのだ。
・ オレはその中で生きている。生き続けている。闘い続けている。
・ 10月8日 両国国技館 オレはタナハシとIWGPをかけて闘う。今回のオレのテーマは…「怒り」だ…
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どんどん変わっていくプロレスの中で、しっかりと情報収集して居場所を大きくし、技術的な進化にも取り組むみのる。いや、自身だけではなく、新日本プロレスに関わる選手たちの進化をみのるは感じていたんだろう。それを“「今」のプロレスに関わることの出来ないヤツラ”にバッサリ言われたら、おのずと怒りは噴出する。
それにしても、興味が沸いてしょうがない。桜庭和志&柴田勝頼が「昭和プロレス」を持ち出して、新日に刺激を注入する意図で両国のリングに上がる。一方で、現場のプロレスの進化をいちばん主張し、どうこう言う外野に対抗しようとしているのが“外敵”であるみのるなんである。
ほとんどのファンは、メインの棚橋勝利を予想しているだろう。だけれども、ボクにはあの試合がダブってくる。横浜文化体育館での鈴木みのる vs 武藤敬司。武藤のベルト奪取が確実かと思えた中で、みのるがヒールホールドなどで武藤を攻めに攻めて三冠ベルト防衛。会場で熱狂できたことが思い起こされる。
下馬評を覆し、みのるは多くの予想をひっくり返す結果を出すことができるだろうか。そして、試合で何を見せるのか。「怒り」を表現するのは簡単なことではないし、棚橋の出方も注目される。
2009年の秋の両国、ストロングプロレスを強烈に主張し始めた中邑真輔に対して棚橋は真っ向から対抗。ロープワークがほとんどないUWFを髣髴させる試合を繰り広げ、観客を興奮させたもんなぁ。
■新日本プロレス10・8両国国技館大会全カード
・ 10/08(月) 17:00 東京・両国国技館|NJPW 40th anniversary KING OF PRO-WRESTRING|Match Information|新日本プロレスリング
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■新日本プロレス「KING OF PRO-WRESTRING」
10月8日(月・祝)東京・両国国技館 開始17:00
[スカパー!PPV完全生中継/ニコニコ動画インターネットPPV配信/「Ustream(日本は除く)」「アメーバピグ」でも配信]
▼中西学復帰戦
[1]中西学&永田裕志&ストロングマン vs 石井智宏&飯塚高史&矢野 通
▼IWGPジュニアタッグ選手権
[2][第33代王者組]アレックス・コズロフ&ロッキー・ロメロ vs [挑戦者組]アレックス・シェリー&KUSHIDA
※王者組2度目の防衛戦
▼IWGPジュニアヘビー級選手権
[3][第64代王者]飯伏幸太 vs [挑戦者]ロウ・キー
※王者3度目の防衛戦
▼IWGPタッグ選手権
[4][第60代王者組]小島聡&天山広吉 vs [挑戦者組]デイビーボーイ・スミスJr.&ランス・アーチャー
※王者組初防衛戦
[5]内藤哲也 vs 高橋裕二郎
[6]井上亘&真壁刀義 vs 柴田勝頼&桜庭和志
▼トリプルメーンイベントI 東京ドームIWGPヘビー級王座挑戦権利証争奪戦
[7][権利証保持者]オカダ・カズチカ vs [挑戦者]カール・アンダーソン
▼トリプルメーンイベントII IWGPインターコンチネンタル選手権
[8][第4代王者]中邑真輔 vs [挑戦者]後藤洋央紀
※王者2度目の防衛戦
▼トリプルメーンイベントIII IWGPヘビー級選手権
[9][第58代王者]棚橋弘至 vs [挑戦者]鈴木みのる
※王者4度目の防衛戦
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