木谷高明会長インタビューをイッキ読み「(ドーム)チケットの売れ行きは去年の倍。8年ぶりの入り」
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デイリースポーツ紙に先日掲載されたとみられる新日本プロレス木谷高明会長のインタビューがネットで無料公開されている。読みやすいようにまとめ。では、どうぞ。[記事全文]
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・ 新日本100億円稼ぐ・木谷高明社長1/いまこの人/デイリースポーツ online
今年1月31日、マット界に激震が走った。トレーディングカードゲーム(TCG)メーカーのブシロードグループパブリッシング(本社・東京都中野区)が、ゲームメーカーのユークス(本社・堺市)から業界の盟主・新日本プロレス(本社・東京都世田谷区)の全株式を取得し、傘下に収めたのだ。あれから10カ月。新日本の会長に就任したブシロードの木谷高明社長(52)を訪れてみると、らつ腕経営者は何と100億円ビジネスの可能性を新日本プロレスに見いだしていた。(聞き手=藤澤浩之)
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‐ブシロードの売上高は10年7月期が32億7100万円、11年7月期が64億9100万円、12年7月期が単体で126億3400万円でグループでは150億1400万円。倍々で増えています。なぜ今、実際にカードを購入して実際に対戦するTCGが人気なのでしょうか。
「みんなアナログなコミュニケーションを求めているってことじゃないですかね。そこが一番だと思います。プロレスファンも、もっと集まりたいし、つながりたいんですよ。そこを用意してあげてないんですよね、今までは。人は楽しそうなところ、面白そうなところ、にぎやかなところに集まってきます」
‐ブシロードを設立する際にTCGを選んだ理由は何ですか。
「それしか僕は勝ち目があると思えなかったんで。それがなきゃ、このジャンルでもう1回起業することはなかった」
‐新日本を買収するきっかけは。
「ブシロードレスリング(11年5月5日、後楽園ホールで開催。10年K‐1ワールドMAX日本王者・長島☆自演乙☆雄一郎のプロレスデビュー戦が行われた)がうまくいったことで、もしかしたらいけるのかなっていう。あとはキャラクターコンテンツとして受けるかどうか、やっぱり試してみないとわからないわけで、実際にグループ化して今回キンプロ(新日本のTCG『キング・オブ・プロレスリング』)を出して初めて『あ、いけた』っていう。キンプロ失敗してたら、何のために子会社化したの?みたいになってましたね」
‐キンプロは20日で発売1カ月です。
「年間で言えば第4弾まで出して、年間出荷で5億円くらいの商品に育ってくれればいいなって。今期はね。来期は10億円とか目指したいな。まだ第1弾だけですから何千万円ですけど。プロレスの関連商品で億単位売り上げれば、それもプロレスのマーケットと考えれば、マーケットの末端が増えるのはいいことですよ。キンプロのオンラインの登録会員は今1万3000人くらい。こないだ1回目のリーグ戦があった時に2500人参加してくれている。実はすごいことで、アナログカードゲームの大会で2500人いっぺんに同じ会場に集まって『せーの』ってやった例はない。これ(登録)が10万人になったらものすごい力になりますよ」
・ 新日本100億円稼ぐ・木谷高明社長2/いまこの人/デイリースポーツ online
‐1つのソーシャルネットワークのような。
「ソーシャル機能も付いてるんで、キンプロを広げること自体が新日本の2次的なファンクラブをつくってることになる。こういうものを使ってプロレスファンのすそ野を広げるとは、誰も想像つかなかったんじゃないですかね」
‐TCGをプロレスでやろうという考えはかなり早い段階から…。
「ありました。会場に人をいっぱい呼ぶことが一番だけど、マーチャンダイズをふくらますことと映像などの配信とか2次展開、コンテンツ収入を上げること、この3つがセットになって初めてビジネスってふくらんでいきますから。WWE(世界最大のプロレス団体。年間の売上高は5億ドル近い)のビジネススキルがそうじゃないですか。本当に勉強してんのかって話ですよ」
‐日本マット界はおそらく勉強していない…。
「全く勉強していないですよ。意外なんですけど、WWEのレッスルマニア(世界マット界最大のイベント)を見に行ったことがある選手とか社員がすごく少ない。もっと言っちゃうと、あれだけ盛り上がっていたPRIDEを見に行ってないわけですよ。だから最盛期の盛り上がりも知らないし、K‐1とか何でダメになったかとかいうのも、本当のところはやっぱりわかってないような気がする」
‐買収後、取り組んだことというと。
「時間をかけて社員を全員面接しました。選手との全体ミーティングも持ったりとか、そういうベースのことをやりつつ、当社としてやれることはまず宣伝に力を入れることなので定期的にプロレスの記者会見とは別個に発表会をやったり、あとはメディア展開。個別で言うと夏のG1クライマックスと1・4東京ドーム大会は世間に広げるチャンスなので、かなり広告宣伝を入れたりタイアップをしたり、世間にどう広げるかを意識しつつ…」
‐新日本に浸透させたかった考えは。
「1つはもっとWWEに学ぼうよって話ですよね。選手に言っても仕方ないと思うけど。リングの中は明らかに新日本の方が面白いから。スタッフ、もしくは業界全体に、もっと謙虚に学べるものを学ぼうよと。もう1つは音楽ビジネスで言えば、ライブの開催回数も観客動員も5年前の倍になっているんですよ。ライブって成長産業。プロレスもライブ中心にふくらませていくビジネスモデルじゃないですか。だから今の日本のほかジャンルの感覚で言うと成長産業。それが何で15年間衰退産業になっちゃってるのか。やり方が悪い」
・ 新日本100億円稼ぐ・木谷高明社長3/いまこの人/デイリースポーツ online
‐11年度の売上高は。
「11億4千万円です」
‐それをどこまで伸ばせるとみていますか。
「この半年で1回決算してるんですよ。前年で言ったら3~4割上がってたんですけど。ちょい黒字にもなっていて。今期は17億円くらいにはしたい」
‐長期的には。
「可能性としては100億円まであると思う。ベイスターズくらいは抜きたいですよね。阪神タイガースは300億円あるんですよ。今J2のチームと大して変わらん。まずJ2のチームを全部抜きたい」
‐100億円くらいになれば、1億円プレーヤーも出てきそうです。
「1億円プレーヤーが出るには、やっぱり100億円ないと無理でしょうね。5000万円プレーヤーは30~40億円で出るんじゃないですか」
‐新生新日本が軌道に乗ったと言えるのは、どの段階でしょうか。
「ドームに(チケットを購入した観客の)実数で3万人入ったらでしょうね。ドームでウエーブ起こすには3万人はいないと無理でしょう」
‐去年よりは上積みされるんじゃないですか。
「チケットの売れ行きは去年の倍。8年ぶりくらいの入りに」
‐最大の原因は。
「1つはこのカード(棚橋弘至‐オカダ・カズチカ)自体が今年の大河ドラマになっていて。最初の試合もリターンマッチも大阪の人しか生で見られていない。東京の人は生で見たい見たいと思いながら、実は1回も見ていない」
‐ほかには?
「あとはこっち(中邑真輔‐桜庭和志)。もちろん桜庭さんは総合格闘技の人というよりもプロレスラーとしても同じくらいに見ているけど、(プロレス)ファンからすると総合に1発でもいいから殴り返してくれよと思ってる人は潜在的に実は多いと僕は思っている。そういう需要があるってことを、実はプロレス界の人はあまりわかっていない。この試合はそういう意味合いも含んでいると思う。やっぱりどっちが勝つかわからない、ファンの間で論争にならないとダメだと思う。世間的な話題にしないといけない」
木谷高明(きだに・たかあき)1960年6月6日、金沢市出身。星稜高、武蔵大卒。84年、山一証券入社。94年、退社。ブロッコリーを設立した。07年、退社。ブシロードを設立した。今年1月、ユークスから新日本プロレスを買収し、会長に就任。好きな選手は70年代がアントニオ猪木、80年代がタイガーマスクとスタン・ハンセン、90年代が故橋本真也。ベスト興行は90年、新日本の2・10東京ドーム大会。家族は妻と1男2女。趣味はプロレス・格闘技観戦、映画鑑賞。血液型A。
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ワンマンとしての強引なイメージを持っている人も多いかもしれないが、このインタビューからは、しっかりとやることをやっていこうという当たり前で「謙虚」なスタンスが見える。WWEのみならずPRIDEやK-1、音楽のライブに学ぼうと。
もう一つは、「大局」でモノを見れているなぁと。暗黒時代に悔しい思いをしてきたプロレスファンに“総合に1発でもいいから殴り返す”シーンがあってもいいと。
ドームのチケットの売れ行きは昨年の倍だという。新日本プロレスの成長の集大成であり、復活への狼煙となるドームがますます楽しみになって来た。
■□T.SAKAi
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