1年前の「HappyHour!!」練習生・野村美和子さん死亡事故で遺族が提訴(ほぼ全情報まとめ)
1年前に、練習中の事故でデビュー前に亡くなった野村美和子さん。“正式な死因は年明けに発表”との情報もあったが、団体サイドからの発信がないままに今日を迎えていた。
・ 女子プロレス「HappyHour!!」の練習生・野村美和子さん、練習中に倒れ急死していた: カクトウログ
・ HappyHour!!練習生・野村美和子さん、練習中に倒れ急死~正式な死因は年明けに発表 | ブラックアイ2
今月に入って、遺族が提訴に踏み出している。キャッチできたもの全てを列挙します。
11日、「拳論!GEN-RON」より。
・ 拳論!GEN-RON★ プロレス死亡事故 野村美和子さん遺族が提訴
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昨年12月、練習中に倒れ急性硬膜下血腫により亡くなったプロレス練習生の野村美和子さん(享年21)の遺族が、プロレス団体ZERO1の主催会社ファーストオンステージに対し、約8100万円の損害金を求める提訴を行なうことを11日、表明した。
野村さんはソフトボールの元学生日本代表投手で、昨年9月にプロレスラー転向を目指し練習を開始。11月、元女子プロレスラーHIKARUの主催団体Happy Hour!!の公開プロテストに合格した。今年1月1日のZERO1主催興行に出場予定があり、それに向けて同団体の管理する道場で同所属選手による指導を受けていたが、練習中に頭痛を訴え病院で診察を受けていても、練習スケジュールは続行されていたという。原告の代理人である藤勝辰博弁護士は取材に対し「格闘技未経験の美和子さんに練習たった3ヶ月で試合をさせようとした中で被告は安全に配慮する義務を怠った」としている。
08年に筆者が取材をした由利大輔さんの事故死も、たった2度のリング練習経験しかなかったにもかかわらず試合優先でリングに上げ、先輩選手と無理な大技を練習したことで首を折って亡くなったものだった。これは遺族が過失致死で先輩選手2名を刑事告訴をしたが不起訴、現在は民事で損害賠償を求める裁判が続いている。
状況は違えど2つの事故で共通するのは興行のためプロレスラーを急造することに焦り、安全管理という大前提が失われたことである。危険な運動にもかかわらず、大手団体のような保険への加入すらなかった。また、両遺族とも関与した団体関係者が事故後に正面から向き合わないような態度をとったことに怒っており、業界側のモラルも問われる。(片岡亮)
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13日、デイリースポーツより。
・ 練習生急死でゼロワン運営会社を提訴/ファイト/デイリースポーツ online
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昨年12月、道場でトレーニング中に倒れて死亡した練習生の遺族が12日、安全配慮義務違反で、プロレス団体「ゼロワン」を主催する興行会社「ファーストオンステージ」に約8100万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁民事部に起こした。亡くなったのは今年元日に同団体の後楽園大会でプロレスデビューを予定していた野村美和子さん(享年21)。訴状では本人が頭痛を訴えていたにもかかわらず、団体側が練習を続けさせ、急性硬膜下血腫から死亡に至らしめたとしている。
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12月13日発売分の東スポ「女子レスラーの卵死亡事故から1年 遺族が民事提訴」より(ポイント抜粋)。
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・ 遺族らが中村氏らを訴えるのに至った経緯は、練習場所はファースト社の道場であること、さらに同社が主催するゼロワンの1月1日後楽園ホール大会で美和子さんのデビューが決まっており、集中的にトレーニングをさせていた時に事故が起きた、と主張している。
・ 愛する娘を失った明代さんは「事情説明もなく、(中村氏は)逃げっぱなし。申し訳ないの一つもない」と怒りを抑えきれない様子だ。また娘が倒れた道場を見たいと申し入れてもファースト社の社員に「他の選手が動揺するから」と断られた。
・ 裁判で争点となりそうなのは、ファースト社と美和子さんの関係だ。契約書は交わしていないというが、遺族サイドはデビュー戦がゼロワンに内定したことや所属選手にトレーニングを受けていたことから、雇用関係にあったと考えている。
・ 「(中村氏に対戦相手は)どなたを想定していたのですか?と聞いたら、男だけど中年の温厚な人だから大丈夫だと。コスチュームも出来上がっていました。(美和子さんが亡くなったら)私と話したこと自体否定する。逃げる一方で許せない」と明代さん。「ゼロワンの道場で、ゼロワンの指導者によってこういうことになったのですから、追及したい。真相を明らかにしたい。第2の美和子が出ないようにしてほしい」
・ 真相究明、そして責任追及のため、中村氏らを相手取り慰謝料、死亡逸失利益の合計8000万円超の民事訴訟を、12日に提訴した。
・ 一方の中村氏は「内容が分からないので、確認してから善処したい」とコメントしている。
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14日、日刊スポーツより。
・ 女子レスラーの卵死亡で遺族が提訴 - プロレスニュース : nikkansports.com
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昨年12月にプロレスデビューに備え練習中の城西大4年の野村美和子さんが死亡した件で、遺族が慰謝料8000万円を求め東京地裁に民事提訴したことが13日、分かった。訴えられたのは株式会社ファーストオンステージと中村祥之同社代表取締役(46)。同社は、野村さんがテスト合格した元女子レスラーHikaruプロデュースのプロレスイベントに練習場を提供していた。
野村さんは昨年12月16日にファースト社の練習場で倒れ急性硬膜下血腫の疑いで手術、21日に急性心不全で死亡。遺族はファースト社所有の練習場であり、今年1月1日のファースト社主催の大会でデビュー予定だったことから、ファースト社と事実上の雇用関係にあったとしている。中村取締役は「無償で練習場を貸していただけで、練習の管理責任者はHikaruさん。デビュー戦に大会の1試合を融通する提供試合だった。弁護士と相談して、事実を明らかにする」と話した。
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遺族側の主張は「(野村さんは)ファースト社と事実上の雇用関係にあった」「ゼロワンの道場で、ゼロワンの指導者によってこういうことになった」という点。
中村氏側の主張は「無償で練習場を貸していただけで、練習の管理責任者はHikaruさん」。
Wikipediaによる、イベント「Happy Hour!!」に関する記述。
・ Hikaru - Wikipedia
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▼経歴・戦歴
・ 引退後は家庭に専念していたが、2011年4月1日にアド・インターナショナル・ブレインズ(AIB)に入社しイベント事業部に配属。同社が主催するプロレス興行及びイベントの企画・運営を任されることになり、プロレス界に復帰。第1弾として女子プロレスを中心としたイベント「Happy Hour!!」を立ち上げる。
▼HappyHour!!
・ Hikaruプロデュースにより2011年に旗揚げしたイベント。主催はAIB。興行面でファースト・オン・ステージ、選手面でワールド女子プロレス・ディアナの協力を受けている。
・ 第1回は9月4日に「真夏のHappyHour!!」と題して新木場1stRINGで開催。
・ イベントではプロレスの試合の他、ディアナ興行でも組まれていた清水勝利の「緊急討論 これでいいのかニッポン!!」やミニコンサートなども盛り込まれている。
・ 第3回は2011年12月18日にベルサール六本木で開催予定だったが、主催者側の都合のため延期。
・ 2012年3月デビュー予定だった練習生(21:当時、城西大学在学中)が練習中に倒れ搬送、脳溢血と診断され手術で一命はとりとめたが、容態が急変し亡くなってしまう事件が起きる。死因は急性心不全。
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多くのプロレスファンにとっては、興行面でファースト・オン・ステージ協力という認識はあった。されど、遺族が主張(中村氏は否定)する「ゼロワンの道場で、ゼロワンの指導者によって」という点があるとすれば、印象は変わってくる。また、Hikaruのかかわりもよくわからない。
こういう話題を扱うのはイメージダウンになるという点で嫌うファンもいるだろうが、プロレスが好きだからこそ向き合っていかないといけないと思います。プロレスを発展させていくために、向き合うことが必要です。安全管理は重要なテーマであり、事故が繰り返されないような対処が行われるようお願いしたい。
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