小川直也、誰からも「仕掛けた」とは思われず。プロレスの足を引っ張り続けるIGF=猪木祭り総括
「一寸先はハプニング」がスローガンのIGF。それが悪い意味で炸裂した大晦日の猪木祭り。メインは藤田和之VS小川直也。ボクは会場で観戦した。
「もう1回」コールを送る観客にアントニオ猪木が「ふざけるな、この野郎! かかってこい!」と返答するフィナーレとなる。
・ 藤田和之「バカにしやがって」と涙、猪木は観客にマジ切れ=大晦日・藤田vs小川直也ドキュメント: カクトウログ
ひとつのキーワード「仕掛けた」。
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藤田「オイ、会長! 何だよ、コレ! また仕掛けたな? やるならテメーら2人でやってろ。俺はやめた」
小川「なんなんだ、あのレフェリーは? なんで終わったか、さっぱり分からない。そもそも呼ばれてきたんだよ、オレは。求められてきたんだ。黒幕が誰かわかるだろ、そんなもん。なのになんだよ、それ。仕掛ける側なのに裏切られた気分だよ。納得いかねえな、ホントに!」
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小川がコラムを更新している。
・ オレはオレのやり方でプロレスを高めていく 小川直也「暴走☆レッドゾーン」
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2013年が始まったけれど…
大みそかの試合はいったい、なんだったんだ?
本当にわけがわからん。
オレが、負けたってことだけど…なんで、あんなところで止めるんだ?
あんなにレフェリー多いのは初めてだよ。
だいたい、プロレスルールなんだからカウント5までOKだろう。
総合格闘技じゃないんだから、オレはプロレスのルールに
則ってやったまでなのに。
試合後に藤田はなんかガタガタ言ってだけど、その通り。
オレは始めから仕掛けてやったんだよ。
わかるだろう、そんなもん。
まあ、オレも久しぶりのリングだったし、
体が動くか…という不安はあったけれど。
オレはオレなりのやり方はできたぜ。
だいたい、オレは藤田が同等とは一度も思ったことはない。
でも、やる以上はこのままで終わる気はない。
プロレスラー・小川直也として、やる気にはなったぜ。
もう、猪木さんがどうだとか、まったく関係ない。
オレはオレのやり方でプロレスを高めていきたい。
それが吉と出るか凶と出るかはわからないけれど…
2013年も、オレはやりたいようにやるだけよ!
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元ゴング編集長・金沢克彦氏が振り返っている。
・ 2万9000人までの闘い|金沢克彦オフィシャルブログ「プロレス留年生 ときめいたら不整脈!?」Powered by Ameba
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藤田といえば、大晦日にはとんだ災難に見舞われた(苦笑)。
プロレスのできない自称プロレスラーの再生に付き合わされて、
予想通り、消化不良の不透明決着。
ハッキリ書いておくが、あの試合はプロレスである。
そこに仕掛けるも仕掛けないもない、
プロレスである。
なぜ、ショッパイ試合と結末になったかを、
今さらムキになって指摘するのもアホらしい。
東スポwebサイトで「オレは初めから仕掛けてやった」だとか、
書いている張本人がショッパイからだ。
本当に仕掛けた人間が「仕掛けた」って自慢するかよ。
それに、仕掛けたのに負けたってことは、
仕掛けられた側が勝ったということ。
これって、ものすごく恥ずかしいことだと思うのだが…(笑)。
しかもレフェリーストップ寸前、藤田に頭をボコンと蹴られ、
そのダメ―ジでしばらく立てなかった人間が言うなって。
キミは宮根さんを恫喝していればいいの。
ついでに、「ハッスル!ハッスル!」とやればよかったのに。
そういう方面にしか、救いと存在感を見いだせないのだから。
まあ、藤田が一生懸命、再生に力を貸してくれたのだから、
それを無にしないためにも、今後はギャラでごねたりしないこと。
常連となったリングを離脱する際には、
無関係な第三者に責任を押し付けるような卑怯な言い訳をしないこと。
また、プロレスラーを名乗るのであれば、
しっかりと体を作ることから始めて、
プロレスを舐めることなく、
イチからプロレスに取り組んでもらいたい。
みなさん、そんなに大騒ぎすることはない。
藤田vs小川戦はプロレスである。
プロレスとは、なんでもあり。
なんでもありだから、おもしろいのだ。
それがおもしろくなかったとすれば、
当然、責任は管理団体と選手にある。
だから藤田にも責任はないとは言わない。
だけど、試合後に天下のアントニオ猪木を「テメー」呼ばわりするほどブチ切れ、
共同インタビューでは悔し涙を流すほど、
IGFに本気で取り組んできた選手を
批判することはできないだろう。
どう見てもどう考えても、
戦犯は、ひょこっとプロレスに帰ってきた人。
すべてにおいて、小川直也は”超”ショッパイ!
これが結論、以上。
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小川の言う「仕掛けた」だが、はっきり言ってどこに「仕掛けた」場面があったのかがわからない。せいいっぱい譲歩して、技を受けずにゴネることが「仕掛けた」なら合点がいく。いや、それさえも「ゴネた」ではなく「プロレスに対応できなかった」という見え方がした。ブランクがあり、あの体の張りのなさである。怪我をしなくて小川はラッキーだった。
そして藤田は「会長、これじゃプロレスにならない。どうすりゃいいんだ? 終わらせていいの?」と猪木に確認をとろうとする。しかし、猪木はリングサイドに猪木はいない。確認できない。
小川の振り返りにはまったく説得力がない。それに、先に金沢氏に書かれてしまったが、「負けた人間が『仕掛けた』と言っている」ことが、見ていて恥ずかしい。
一方で藤田で「また仕掛けたな?」と言っていることがややこしい!? これは複数レフェリーによるストップのことでしょう。ここは猪木の指示だったのか、IGFフロントサイドの危機管理体制だったのかはわからない。小川がやばくなったら止める体制が敷かれており、それが実行された。
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藤田は事前に自分の気持ちをフロントサイドに伝えている。
「しっかりプロレスをやるように努力しますけど、もし向こうが変な仕掛けをしてきたら、俺はいきますよ」
結果的に、これに異常なほど反応したのがIGFのフロントサイドだった。猪木司令なのかどうかは分からないが、サブレフェリー要員を5~6名も付けて有事に備えた。危険なシーンなどひとつもなかった。というか、まったく危険に見えなかったことにも問題というか課題がある。信頼関係がゼロの者同士が試合をやれば、こういうギクシャクした、まったくスイングしない、攻防のない試合となるのだ。小川の蹴りはスローだし、藤田のサッカーキックも頭部ではなく背中を狙ったもの。
※『KAMINOGE Move』の金沢氏コラム(1/1更新分)より
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藤田の心の声を代弁すれば、「なぜ俺の頭の中に描いているフィニッシュまでやらせてもらえないのか」「興行をズッコケさせてまで小川直也を守りたいのか」となる。
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じつは猪木も最近では新日本の動向が気になっていたらしく、新日本の中継を何度か観ていた。それを踏まえて、猪木が選手たちに伝えた言葉が、次のようなものだった。
「いまの新日本と同じ試合をしようとしたって太刀打ちできないだろ? あれだけ細かく練り上げられた試合はできっこない。だからウチで見せるものはハプニングであったり、サプライズなんだ」
猪木も現実を見ていた。
※『KAMINOGE Move』の金沢氏コラム(1/1更新分)より
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どんなやり方で小川が来ようとも対処しようと藤田は臨んだが、小川の対処力のなさとコンディションの悪さとプロレスの下手さ、フィニッシュへの布石で放ったサッカーボールキックが小川に効いてしまったこと、危機管理レベルを上げていたレフェリー(猪木の意図も影響か?)が早期ストップをかけたことが重なった。
猪木は「次に続く世代が誰も新しいピザパイを持ってこられなかった。今は小さなピザパイを食い合ってる状態」だと言う。そんな中で猪木は新しいピザパイを持ってこようとしたか。あの大会をまた観に行こうと思った人は、ズンドコマニアを中心に限られてしまうことだろう。他団体が追求していないという点では、ある意味新しいピザパイではあるが…。IGFはプロレスの足を引っ張り続けている、ボクはそう思います。広げようとしているのは新日本プロレスのほう。
藤田がIGFという船に乗り始めたとき、誰もが心配した。それでも藤田は、かつてPRIDEに橋渡ししてくれた猪木に恩義を感じ、IGF改革にエースとして乗り出した。ドタキャン選手の穴埋めをし、K-1トップファイターのハイキックをノーガードで食らい、小川を罵倒することで猪木祭り集客の立役者となった。
だからこそ、藤田には報われてほしかった。それを両国で見届けたかったが、それが叶わなかったのが本当に残念だった。
* * *
【おまけ】元KAMIPRO関係者のツイートより。
うーむ、不穏試合としての興味はあるけど、猪木さんを評価してる方々がいてビックリ。こんなの、謎かけでもなんでもなく観客のニーズが読み取れなくなってるだけですよ。あと猪木さんが現役なら…という言い訳も通用しない。現役時代もこーゆーズンドコを繰り返してきてる。
— ジャン斉藤さん (@majan_saitou) 1月 1, 2013
仕掛けてないのに「仕掛けた」って!それが小川直也というさびしさ……RT @captude71: オレはオレのやり方でプロレスを高めていく | 小川直也「暴走☆レッドゾーン」 tokyo-sports.co.jp/blogtalent-oga…
— ジャン斉藤さん (@majan_saitou) 1月 3, 2013
あと、オーちゃんについては、オーちゃんの一大特徴でもある「もらえるギャラの分はちゃんとやりますよ」という面が全開だった印象。きっと本人は“暴走王”をしっかり演じたつもりなんだろうけど、見てる側からすると、「全然演じきれてないよ」というのが、またオーちゃんらしいな、と思ったり。
— 堀江ガンツさん (@horie_gantz) 1月 1, 2013
信じられないかもしれないけど、オーちゃんってじつは、自分はプロレスの天才だと本気で思っている人。もうちょっと具体的に言うと、不穏試合に見せる天才なんだと信じてる。それを踏まえて小川vs藤田を見ると、またいろいろ見えてくる。
— 堀江ガンツさん (@horie_gantz) 1月 1, 2013
体に張りがなかった小川よ、どこへ行く・・・。
難解すぎるぞ、IGF!てか、さすがすぎる! twitter.com/Show_Otani/sta…
— “Show”大谷泰顕さん (@Show_Otani) 12月 31, 2012
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