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2013.03.02

ケガの後藤洋央紀を自宅に居候させ、再入門を新日本に直訴した柴田勝頼~同級生を超えた物語

 新日本プロレス2・10広島大会で待望の初対決(タッグマッチ)を果たした柴田勝頼と後藤洋央紀。大舞台でのシングルマッチ実現への機運が高まりつつある。
・ 洋央紀“IWGPよりも柴田との決着戦” 東スポWeb – 東京スポーツ新聞社
##
 後藤は10日広島大会で高校の同窓生・柴田とタッグ戦で初対決。「改めてとことんやりたい相手だと思った。あの時の約束を果たさないといけないと感じた」と、2005年1月の柴田の新日プロを退団時に誓い合ったシングルマッチ実現への思いを強めた。
 とはいえ広島決戦に敗れたため、勝利を条件に出頭を命じていたNJCへの柴田の参戦はほぼ消滅。一騎打ちの機会は再び遠のいた。そこで後藤が打ち出したのが、NJC制覇の副賞代わりの対戦権利だ。優勝者にはIWGP王座(現王者は棚橋弘至)への挑戦権が与えられる。だが後藤は、一度燃え上がった柴田との因縁を抱えたままベルト挑戦という“二股”をかけることができるほど器用な男ではない。まずは柴田との決着を優先させるつもりだ。

##

 2人は桑名工業高校レスリング部で切磋琢磨した同級生。ただ、同級生という枠では語れない関係がある。

 番組収録で後藤を迎えた金沢克彦氏が、初対決でみられた“会話”の中身に迫った。
・ 長かったな……。|金沢克彦オフィシャルブログ「プロレス留年生 ときめいたら不整脈!?」Powered by Ameba
##
高校卒業と同時に、先に夢を叶えた柴田。
大学レスリングを経て、その4年後に新日本に入門した後藤。
4年のキャリアの差があるから、
2人がプロのリングで肌を合わせることはなかった。
そして、柴田は自分の信じた新日本プロレスを貫くために、
新日本を退団して、我が道を突き進んだ。

高校卒業から15年…ついに2人が同じ土俵、同じリングに立った。
真正面から気持ちをぶつけ合った。
15年の空白を埋めるように、肉体で会話した。
試合後、2人は場外で向かい合っていた。
普通なら、睨み合いを展開となるところだが、
睨み合いでも怒鳴り合いでもない。
不思議な光景だった。
闘っていた者同士がごく普通に、
今度は言葉のやりとりで会話していた。
ともに、人差し指を2本立てていたから、
「1対1でやろう!」と互いの意思を確認していたことだけは分かる。

だが、後藤に聞いてみたところ、
柴田の第一声は、「長かったな…」であったというのだ。
やはり特別なのだ。
収録中の後藤は、やっと追い付いた、
やっと同じリングに立てた、
そういう言葉を連呼した。

本当に、柴田が特別な存在だからこそ、
見栄を張ることもなければ、挑発的な言葉を投げかけるわけでもない。
そこを私が、もう一度確認してみると、後藤はこう言った。
「ずっと柴田の背中を追い続けてきましたから!」
無理に作った因縁なんて必要ない。
この試合に限っては、脚色なんかいらないし、
誰の介入も許すべきではない。
2人だけの世界でいい。
極端に言うなら、マスコミ無視、観客不在でもいい。
それでも、存分に伝わるものがあると思う。

##

 「長かったな…」この言葉の意味は、とてつもなく深い。

 桑名工業高校レスリング部の顧問、橋爪幸彦氏が明かす。後藤を一時期居候させていた柴田のエピソードは有名だが、改めて恩師の口から整理されて発信されている。

Kaminoge15▼new! KAMINOGE [かみのげ] vol.15 2月22日発売!アントニオ猪木「いつも死に様を探して歩いてる、それで何かが起きてもしょうがないっていう覚悟でやってるんでね」/桜庭和志×ヴァンダレイ・シウバ 誇り、帰還。殴り者とファンタジスタの再会/橋爪幸彦(元・桑名工業高校レスリング部顧問)高校時代の恩師が語る、柴田勝頼×後藤洋央紀の永遠のライバル物語。
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--教え子の中から2人とも新日本プロレスに入ったっていうのは、なかなか凄いですよね。

橋爪 そうですね。でも後藤は肩をケガして手術して一度退団……退団というかクビですよね。でもアイツ、大学のとき全日本で4位ですよ? 新日本の入門テストもダントツで受かって、運動神経は一番いいわけですよ。それが肩をケガしたからって「クビだ」って言われたのは……。それで、本人がもう東京から三重に戻るってときに柴田が止めたんですよね。

--柴田選手はしばらく後藤選手を自宅に居候させて、会社にもかけあったんですよね。

橋爪 そうみたいですね。やっぱり後藤もヘコんでたし、あのまま目を摘むのはもったいないじゃないですか? そう思った柴田が「もう1回だけ後藤に入門テストを受けさせてあげてください」と。

--でも、新日本側は「ノー」と。

橋爪 ええ。柴田は半年ぐらい自分の家に居候をさせて、生活の面倒をみて、東京でひたすらリハビリをさせてましたからね。でも会社からなかなかオーケーが出ないという状態で、後藤はいったん三重に戻って来て、うちの高校生たちと一緒に練習やったりとかもしてたんですよ。

--やっぱりだいぶ落ち込んでました?

橋爪 そうですね。ヘコみながらも高校生にまじって必死こいて練習する姿を見て、ボクも「なんとかならんかな……」って思ってましたね。ただ、本当にひたすら練習やってるものですから「コイツはいつかなんとかなるな」とも思っていて、それで、なんとか再テストをしてもらったときに永田先輩から「やっぱりアイツは断トツでいいね」って報告を受けたときはホントに嬉しかったですね。

--晴れて新日本に再入団が決定したと。

橋爪 だからある意味、あそこまで自分を通せるっていうのは普通じゃないというか、どこか一本、大事な線が切れてるんじゃないですかね?(笑)。後藤は大学時代からけっこう柴田の試合を観に行ってて「早くアイツと同じステージに立ちたい」ってずっと言ってたんですよ。

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 居候させただけではなく、後藤の再入門を会社にもかけあっていた柴田。夢をけっしてあきらめなかった後藤。

 このほか『KAMINOGE』の別の号vol.9では、居候していた後藤は家賃も請求されなかったこと、後藤の方が洗濯係だったこと、巡業時以外の柴田は食事を外食でおごってくれていたことなどを明かしている。

 後藤が柴田を恩人と位置付ける理由がここにある。

 逆に柴田にとっては、後藤が成長してくれないとオイオイとなってしまう。柴田はつねに、後藤に高いハードルを課して見てきた。話は少し進んで2008年。
・ 2008.08.18 「柴田勝頼に一番伝えたい」G1クライマックス覇者の後藤洋央紀、異例の越境メッセージ: カクトウログ
・ 2008.08.28 後藤洋央紀は無断で柴田勝頼の名前を出していた~両者の“初対決”がノーピープルマッチで実現: カクトウログ
・ 多重ロマンチック:柴田勝頼がプロレスへ進むには
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 ――今夏の『G1クライマックス』のあと、優勝した後藤洋央紀選手が柴田選手の名を出してましたけど、あの発言についてはどう思いました?
 柴田 自分、そのコメントを出したことは知らなかったんですけど、後藤から電話がかかってきたんですよ。「優勝した!」って、すげえ嬉しそうに言ってましたけどね。ただ、自分は(プロレスを)やってた立場なんで、プロレスに関しては結果だけでは判断したくないんで。その試合を観てないんで、なんとも言えない。「おめでとう」ぐらいしか言えませんでしたね。プロレスは結果以上に内容が重要なものですから。
(中略)
 全日本の両国国技館(8・31)で武藤さんと後藤の試合(IWGPヘビー級選手権)があったんでちょっと観に行ったんですけど、途中で帰っちゃいました(笑)。
 ――帰っちゃいましたか。それはどういう理由で?
 柴田 とりあえず後藤の試合は観たんですけど、だからといって俺がやりたいとかはなかったです。G1で優勝したんだから、もっとおもいきりがいいのかと思ってたんですけど、なんかイマイチ伝わってこないっていうのがあったし。(エンターブレイン刊 KamiproSpecial 2008 NOVEMBER)

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 柴田が総合格闘技に戦場を移していた際にも、2人には接点があった。後藤が「G1クライマックス」優勝。そして、柴田の名を出す。道場ではノーピープルマッチ。G1優勝者としてIWGP王者である武藤敬司に挑戦するも、柴田の心を動かす試合にはならず。

 そこから月日が経って、柴田が新日本プロレスに再上陸を果たす。

 この対決は柴田にとっても“本来の柴田勝頼”に変わる契機であるし、後藤にとっては“感情あふれる後藤洋央紀”をみせられるに違いない。金沢氏のプログの続きから。
・ 長かったな……。|金沢克彦オフィシャルブログ「プロレス留年生 ときめいたら不整脈!?」Powered by Ameba
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正直にいうと、昨年9月から新日本マットに上がっている柴田から、
私はまだ本来の柴田勝頼を感じていない。
1・4東京ドームの真壁刀義戦にしても、
真壁の土俵で闘っていた。
中邑真輔を本気で怒らせた柴田。
天龍源一郎にビール瓶を渡し、これで殴ってみろ!と挑発した柴田。
渾身のPKを額に叩きこみ、秋山準をブチ切れさせた柴田。
そんな柴田がまだ見えてこない。

だから、後藤はこう言った。
「あいつのすべてを受け止められるのはオレだけですよ!
危険かもしれないけど、ぜんぶ受け止めてやる!!」
後藤から初めて人生劇場を感じた。
どちらかというと、淡白に映ることもあるし、
癖がなく、性格のいい好青年の後藤。
だから、周囲で彼の悪口など聞いたこともない。
そんな後藤から、抑えようのない感情、熱い思い、
これだけは譲れないという固い意志がビンビンと伝わってきたのだ。

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 現状の柴田もまた、自分らしい闘いを発揮できている意識がない。ここで柴田の魅力を引き出せば後藤にとっては最高の恩返しの機会となる。

 2人の闘いが必ずしも「いい試合」であったり「名勝負」になったりするとは限らない。だけれども、大河ドラマの答えがどうなるのか。新しいファンにはハマらない物語かもしれないが、ボクはおおいに見届けてみたいと思うんである。

               * * *

 金沢氏も解説。後藤のサムライTV出演番組情報。


後藤洋央紀が出演 今夜放映!

・ プロレス・格闘技専門ch FIGHTING TV サムライ
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新日本プロレス「NEW JAPAN ROAD」(#6)
2013年03月02日(土) 21:00~22:00

新日本プロレスのマンスリープログラム。
2.10広島大会でIWGPヘビー級王者=棚橋は“ザ・マシンガン”カール・アンダーソンの挑戦を紙一重で退け王座防衛V7に成功。
然し、その前後でIWGP Jr.ヘビー級王者=プリンス・デヴィットと連戦しタッグながら1勝1敗の五分。旗揚げ記念日3.3後楽園のIWGP王者対決で決着を付ける。
春のG1トーナメント=「NEW JAPAN CUP」が今年も開催。昨年覇者の“荒武者”後藤はライバル柴田との対戦に燃える。また、4.5後楽園、4.7両国で新たな外敵登場か?
<出演者>
●MC/清野茂樹(中継実況アナ)
●解説/金沢克彦(フリーライター)
●ゲスト/後藤洋央紀(新日本)

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