「一部の方の誹謗・中傷、虚言には惑わされる事無く…」新日本プロレスがファンに向け異例の発信
pick up ▼ニュース 4月10日(水)8:00日本テレビ『スッキリ!!』に真壁刀義が出演/表紙はオカダvs棚橋「週刊プロレス」4月10日(水)発売 鈴木みのるカード付き┃全国11劇場で開催 ドラゴンゲート5.5愛知県体育館大会ライブ・ビューイング┃秋山&潮崎はチャンカー決勝でのバーニング決戦を熱望=全日本┃4・7WWE『レッスルマニア29』ジョン・シナ悲願のザ・ロック超え!トリプルH壮絶鉄槌Bレスナー破壊/WWE「レッスルマニア29」がU2超え┃【プロレス】燃え上がる自宅に突入して母親を救出 ▼情報&コラム 片山明・講演会は大成功!@金沢克彦/「レスリングどんたく2013」 ロゴに込められた歴史と思い@多重ロマンチックさん/キンプロ第3弾&新日本プロレス体操服を取り扱い開始/キング・ファレ、ヒデオ・サイトー…旧青義軍勢が次々と悪の道で、永田裕志の指導法と人間性に疑問の声/5月19日(日)17:00神戸リングソウルにて真壁刀義トークショー/5月6日(月・祝)17:00神戸リングソウルにてオカダ・カズチカトークショー┃プロレスリングNOAH、丸藤正道選手への手紙@TAJIRI
4・7両国国技館大会から二夜明けた9日、新日本プロレスが「新日本プロレスファンの皆様へ」と題した唐突な発信を行った。
・ 新日本プロレスリング:【新日本プロレスファンの皆様へ】
##
4月7日新日本プロレス 両国国技館大会「INVASION ATTACK」は、お陰様で、大盛況となりました。
第1試合から白熱した一進一退の攻防へのファンの皆様のご声援、そして、メインイベント終盤での大声援を聞くにつけ、ご来場の皆様も、きっと、満足して頂いたものと確信しております。
新日本プロレスは、創業から41周年を迎えております。
その創業の精神である「強靭な体と磨き抜かれた技と豊な感性と社会人としての心構えを持ったプロレスラーを育成しその活動を通じて健全なスポーツとしてのプロレスリングの市民権を確立発展させることによって社会に貢献することを目指す」方向性、そして、「KING OF SPORTS」としてのストロング・スタイルのプロレスを、ぶれる事無く、脈々と継承して参りました。
そのことが、ファンの皆様に、愛され・支持されてきた理由であると考えております。
さて、昨今の世の中、目まぐるしい変化が見られます。
国際情勢しかり、国内政治・経済状況、復興への歩み。様々な分野での技術革新…。
そして、プロレス業界にも、新しいうねりが、生じています。
新日本プロレスは、新しい時代に順応しつつ、一部の方の誹謗・中傷、虚言には惑わされる事無く、今後とも、「KING OF SPORTS」としてのストロング・スタイルのプロレスを、ぶれる事無く、継承していきたいと考えます。
今後とも、ファンの皆様の温かいご支援、熱いご声援を宜しくお願い致します。
新日本プロレスリング株式会社
##
脈絡を知らないファンの方はなんのことやら、という状態だろうが、全日本プロレス・白石伸生オーナーに対してのものと見るのが自然だろう。
・ 白石伸生Facebook発言史
詳細は各自確認していただきたいし、興味のない方は見ない方がいい。かいつまんでいうと、現状のプロレス界を「八百長」との言葉で批判しながら、「八百長」ができない全日本プロレス未来体制案を小出しに発表。並行して、新日本プロレスを「フロントがストーリー作りに夢中になり過ぎ」などと表現している。
特に新日本の両国大会に関しては、直後にこうも触れている。
##
今日の両国結果
中邑、オカダの勝利。
私が昨日、発表した通り。
これが「予想」だったのか、知っていたのか、色々質問が来ていますが、私は答えません。
ただひとつ言えるのは、プロレス界が変わらなくてはいけない、という事。
##
新日本プロレスの木谷高明会長は、かねてから白石オーナーに物申す姿勢を見せてきた。(下記に出てくる「両国大会」は全日本プロレスの両国大会のこと)
全日本プロレス両国大会のオーナー出禁に関して一言。今、必要なのはオーナーと現場の相互理解。お客様の空気感を知ってもらう為にも、来場してもらうべきでは?出禁はあり得ない!もし理解し合えないのであれば、現オーナーはご自身の理想の新団体を設立しプロレス革命に邁進すれば良いと思う。
— 木谷高明さん (@kidanit) 2013年3月15日
ありがとうございます。どこかでケジメはつけて頂きます。RT @kaiten_maker: @kidanit 新日本に対する発言はひどすぎると思います。自信の無さの裏返しにも見えますけど。
— 木谷高明さん (@kidanit) 2013年3月15日
個人的に明日の両国大会に行きたい。でも、あす香港から帰国だから行けない。残念です。オーナーさんの生き様を見届けたかった。勿論、数々の暴言のケジメは後々、付けて頂きます。
— 木谷高明さん (@kidanit) 2013年3月16日
はい!知っています。折角のリング上、一般人扱いしなくて良いのですからボコボコにやり返して欲しかったですねえ!RT @lay_s_go: @kidanit 本日の全日本プロレス。大会後に白石オーナーがKENSO選手にビンタしたらしいですが、ご存じですか?
— 木谷高明さん (@kidanit) 2013年3月17日
一般的にお金の無い経営者ほど、良くお金の話をする。人脈の無い経営者ほど人の名前や人脈を口にする。実は使えない人脈。気の小さな経営者ほど上から目線や態度が大きい。そして、焦ってくると嘘を混ぜつつ、口が軽くなる。
— 木谷高明さん (@kidanit) 2013年3月18日
一連の流れの中で木谷会長が「数々の暴言のケジメは後々、付けて頂きます」としたところが、今回の発信につながったのではないだろうか。現場同士の両団体の友好関係も、これから途絶えてしまう可能性があるかもしれない。
「八百長」「ストーリー」といった断片的な言葉がクローズアップされがちな白石オーナーのプロレス批判。一方の木谷会長は、歴史を踏まえた上で「新日本プロレスが目指すのは、最強より最高」「僕はしばらくはあいまいなままでいいと思うんです」等と主張している。
・ 新日本プロレスが目指すのは、最強より最高 | グローバルエリートは見た! | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト
##
キム:今回は、今後、新日本プロレスをどう打ち出していかれるのかについてお伺いさせてください。今までのような、あいまいな定義でやっていくのでしょうか、それとも、どこかの段階で明確にプロレスの定義を打ち出すのでしょうか。ちょっとコアな話になってきましたけど、いかがでしょう
木谷:僕はしばらくはあいまいなままでいいと思うんです。そう言ってくれるファンの人もいます。かつては総合格闘技もなかったので、プロレスの中でみんな最強を求めていたんですよ。その時代は90年代で終わったかな、と思います。
総合格闘技のPRIDEが台頭してUFC(米ズッファLLCが運営する総合格闘技の大会)がこれだけ伸びて、「最強」から「最高」を求める時代に変化してきたわけです。
その「最高」の部分は何かと言えば、僕はアートだと思う。
実は、去年ずっと新日本プロレスに対して、「物足りない、物足りない」と言い続けていたんですが、それはアートの部分が少なかったからです。基本的にプロレスはワークなんですが、1割か2割はアートであってほしいんですね。
アートとワークと何が違うかというと、生き様が出ているかどうかです。アートを見たときは、こちらも感動するわけですよ。
キム:最近はどの選手や試合にアートを感じられましたか?
木谷:1つは、昨年大活躍したオカダ選手のドロップキックですね。あれはもうアートですね。技としてアートなんですよ。
そして、生き様としてアートを感じたのは、昨年6月16日の大阪府立体育館で、タイトルを取った棚橋選手が超満員の会場を見て、涙を流しながら「この光景が見たかったんです」と言ったときですね。
7年間、観客が入らないときも辛抱して頑張ってきた、どん底から頑張ってきたという、その生き様とその言葉にやっぱりアートを感じるわけですよ。だからみんな感動して、一緒にもらい泣きした人もいる。そういう部分がまだ少ないんですよね。
キム:なるほど。プロレスは何を売っているのかという、本質的なポイントにつながる話ですね。
今回、会場に行かせていただいて、周りの記者の方にも突撃取材しました。たまたま隣にいた女性の記者の方が、非常にきれいだったんですね。ブシロードの取材をしている方だったんですが、「プロレスの魅力って何ですか」と聞いてみたところ、しばらく考えた後に、「やっぱり生き様ですかね」と答えてくれました。ひたむきにプロレスに向き合う姿勢や、挫折から努力してはい上がる様など、プロレスに生き様としてのアートを求めている人も多いんですね。
##
プロレスの舞台裏を明かしたとされるミスター高橋著「流血の魔術 最強の演技」に反論する形で、中邑真輔がプロレスを語ったこともあった。
・ 多重ロマンチック:中邑真輔、ミスター高橋本を語る
##
中邑 プロレスのあり方が変わってきたって言うのは実際そうですし、それこそ『kamipro』の守備範囲的なことで言えば、ちょうどボクが入門する前にミスター高橋本が出たんですね。でもボクは信じなかったんです。実際、そうじゃなかったことが多かった。
タコ ほう、相違点がたくさんあったと。
(中略)
中邑 ボクがアマレスを始めた頃、プロレス中継を観てると、ホンモノのタックルを使うヤツがいるんですよ。プロレスのあの空気の中に、ホンモノの技術が垣間見えたりすると、プロレスと格闘技の壁を取っぱらっておもしろいものになってくる。(中略)実際にプロレスをやってる人間からしても、そういう絡みができるレスラーのほうがおもしろいですね。伝わるかどうかは別にして、「プロレスっていいな~」っていうのがリング上で感じられるんですよ。
(中略)
中邑 プロレスと格闘技が一緒だっていうのは凄く哲学的な話で、それこそプロレスマスコミと格闘技マスコミの血で血を洗う悪口の言い合いにファンも巻き込まれてしまった感じですけど。ボクは単純な話だったと思いますよ。格闘技としてプロレスを観ればもっとリアルに入ってきますし、実際、リアルな物もありますし、かといってエンターテインメントも失うわけではない。だからプロレスはおもしろいと思いますし、逆にプロレスとして格闘技を見ると、もっとおもしろく見れるわけじゃないですか。『kamipro』なんてまさしくプロレス的な見方で格闘技を観てるわけだから。(エンターブレイン刊 kamipro Special 2009 SPRING)
##
新日本プロレスが今回のような発表を行ったのは、比較的新しくファンになった層の戸惑いが感じられたからなんだと思う。
長くファンを続けていれば、プロレスの一部が格闘技へと枝分かれしたプロセスだったり、「プロレス」と「格闘技」のそれぞれの良さが実感できたりする中で、プロレスとは何かを消化する時間が十分にあった(もちろん、離れていったファンも多くいる)。
消化するとは、何かを諦めたり、気づいたりするということじゃない。自分の中の答えを見つけるということ。プロレスを応援したいかどうかを本気で考えること。いやはや面倒くさいジャンルで申し訳ないんだけれども、プロレスは何度もそういう語りかけをしてくれるのだ。
ボクがプロレスとは何かと聞かれたとき、長嶋茂雄さんの話を持ち出すことがある。
・ 伝説のプレーヤー 長嶋茂雄
##
長嶋の守備は、華麗でメジャー級のものであった。その理由として、普通の三塁手よりも1.5メートルほど後ろに守って、広い守備範囲を持っていたためである。
しかも、帽子を飛ばしてのスローイングなどは、簡単なゴロでも難しく見せていたといわれている。
しばしば普通のショートゴロになるものまで捕りに行ってファインプレーに見せかけたりもしている。
しかし、フライは、見せ場がないからという理由で嫌いだったらしく、普通のサードフライでも無理やりショートに捕らせていたと言われている。
##
・ 長嶋茂雄 - Wikipedia
##
長嶋の空振りは、脱げたヘルメットが三塁ベンチの方へ飛んでいったといわれる程で、豪快な空振りでファンを沸かせた。ファンを魅了することを前提に、普段から空振りしたときにヘルメットを飛ばす練習をしていたという。また、空振りしたときにヘルメットが回って飛びやすいように、アメリカから楕円形のヘルメットを取り寄せ、愛用していた。
##
プロスポーツとは何か。目立つとは何か。それを現役時代に追求していた長嶋さん。プロ野球はファンを楽しませるものでなければいけない。長嶋茂雄はファンを楽しませる存在であらねばならない。純粋に勝敗に徹する点と、見せる点。その線引きが他の選手とかなり違っていたんじゃないかと思わせる。
プロレスは、その線引きへの自由度が高い。線引きの仕方が選手にゆだねられている。観る側としたら、もうそこまでいったらスポーツじゃないという飲み込み方もあるだろうし、これぞキング・オブ・スポーツだとの納得をする人もいるだろう。どっちが正解とか、そういう問題じゃない。観る側としての答えの持ち方の個性なのだ。
長嶋さんは、ファンが楽しめる野球をしなければいけないと本気で考えている。プロレスラーたちは、(相手の隙をついて殴って終わりじゃなく)ファンにはっきりわかる攻防で勝敗を争うことを真剣に考えて取り組んでいる。
毎日ブログを更新しても、プロレスを語り尽くすことはまったくない。自分の書き方がいつまでたっても下手くそで、がっかりすることばかりだ。説明しづらいひどいジャンルかもしれない。だけれども、あなたが魅了されたとしたら、自分なりのプロレスとは何かを説明することを考えてほしい。
新日本プロレスは「KING OF SPORTSとしてのストロング・スタイルのプロレスを、ぶれる事無く、継承していきたい」と発信した。新日本プロレスに熱狂できたとしたら、ぶれることのないプロレス論があなたの中に芽生え始めているんじゃなかろうか。
改めて言いたい。プロレスへようこそ!
>> プロレス・格闘技人気ブログランキング
>> 新日本プロレスリング
■□T.SAKAi 当サイトでの事実誤認・誤字の指摘、感想・苦情等は左下・ココログマーク下「メール送信」から。大変助かります。
« 桜庭和志は右ヒジ関節脱臼、骨折はなく全治2~3カ月/博多どんたくで後藤洋央紀vs柴田勝頼決定 | トップページ | なぜ柴田勝頼は永田裕志&後藤洋央紀に2回ずつビンタしたのか~両国での行動の意図を明かす »
« 桜庭和志は右ヒジ関節脱臼、骨折はなく全治2~3カ月/博多どんたくで後藤洋央紀vs柴田勝頼決定 | トップページ | なぜ柴田勝頼は永田裕志&後藤洋央紀に2回ずつビンタしたのか~両国での行動の意図を明かす »