諏訪魔が試合に集中するため、誰よりも早く全日残留宣言~聞いた武藤「お前、廃業するのか?」
分裂騒動に揺れる全日本プロレス。6月1日に自ら社長に就任して新体制としての契約結び直しに着手した白石伸生オーナーに対し、旧体制のリーダー格・武藤敬司は株式と商標権の買い戻し交渉を6月末までの期限で継続中。
そんな中で11日、白石社長が髭をキレイにそった姿で登場。白石社長→諏訪魔の順番で、全日本プロレス事務所にて会見を行った。
一部携帯サイトから補いつつ、会見内容から“分裂までの流れ”をまとめる。
・ バトル・ニュース|ニュース|白石社長が全日本プロレスの株式譲渡に関して中間報告!新団体設立に動く武藤にクギ!諏訪魔は全日本残留を宣言!
・ 全日本分裂へ…白石社長が武藤に最後通告|コラム|格闘技|スポーツナビ
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・ 5月のゴールデンウィーク明けくらいに、武藤サイドが「あなたのやり方にはついていけない。株の買い戻しをしたい」と申し入れ。
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・ 白石オーナー返答「一致団結してキチンとした経営が出来るのであれば」。具体的に白石社長側からは"武藤商店から武藤カンパニーへの脱却"、"最低3年間の運転資金の確保(証明書・資料の提出)"といった条件を提示。
「過去10年間というのは武藤さんを中心として一致団結していた点は評価できるんですけど、やっぱりね、その裏では支えていただいてる取引先に対する不義理だとか、色んな点多々問題点があったものですから、そういった点がないように経営をしっかり軌道にのせてもらう。そのためには私がまあ提案しておったのは、商店からカンパニーに移行するというのは何事も会議できちっと話し合って決めていくと」。
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・ 5月末日までという締め切りまでに武藤サイドから納得いく回答を得られず。6月から白石氏が会社を預かる。6月いっぱいまで交渉を延長することに。
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・ 6月から白石・武藤両サイドが選手らと接触。
・ 白石社長「選手、社員1人1人にいい道を選んでもらいたいと思っているので、引き止めるといったことはしていません」。無駄をなくし、巡業などは効率化し、みんながハッピーになるような"普通の会社"になるように、今年中の事業計画や向こう3年間の事業計画など、きれい事ではなく現実味のあるリアルプランを提示しながら、選手や社員とは話し合いをする。
・ 諏訪魔「武藤さんからはですね・・・皆で新団体に行こうと、そういう話も直接されたんですが、やっぱね、看板を捨てて、(武藤さんは)戻ってくるって言うんですけど、一度たりとも離れるわけにはいかないと、そういう気持ちが強かったですね」。
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・ 6月9日(日)、諏訪魔が武藤に残留決意を電話で報告。「武藤さんですか?お前、廃業すんのかと(苦笑)俺は廃業覚悟ですと。次会う時はお互い笑って会えるといいなと、お前頑張れと温かい言葉をかけていただきました」。
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・ 6月10日(月)、東スポが諏訪魔の残留、全日分裂を報道。
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・ 6月11日(火)、白石社長と諏訪魔が会見。
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報道からおぼろげながら見えていた流れが、会見によって裏付けされた。
何よりインパクトがあったのは、武藤の「お前、廃業すんのか?」。ド直球!
これは後輩への脅しのようにもとれるし、親心からの警告にもとれる。あるいは白石体制全日本への宣戦布告とも。もちろん温かい言葉につないでいるわけだから、喧嘩別れしたわけではない様子なんだけれど。
会見のポイントを抜き出す。
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■白石社長
・ 「武藤(敬司)さんと私との意見・見解の相違、プロレスに対する考え方、経営に関する考え方、そうした点で分裂騒動が起きていることに関してご報告させていただきたいと思います。まず私の過去の行き過ぎた言動、または多少誤解を招くような発言等があったことを深くお詫びしたいと思っています」。
・ 株式譲渡の交渉は今週いっぱいを目処とし、「交渉決裂となった場合、(武藤には)違約条項の契約が残っているので、それをどう円満に解除していくかという話し合いにシフトしていかざるをえない」と牽制。基本的には選手とは6月いっぱいまで契約が残っているため(一部7月や8月の巡業まで契約が残っている選手はいる)、まずは6・30両国大会までは"全日本プロレスの選手"として職務を全うするのが筋だとした。
・ 武藤サイドの新団体設立報道に関しては「ちょっと手順が違うんじゃないかな。交渉期間中に派手はアクションをするのはいかがなものかな」とクギ。
・ 白石社長「結果的に選手が分裂するようなことなるのは申し訳ないと思う」としながらも、「(全日本という)看板を守るためには、流さざるをえない血も結果的にはある」とした。
・ 選手や社員はもちろん、ファンやマスコミとも向き合って人間関係を築いていきたいという白石社長は、Facebookに全日本の看板に泥を塗るような書き込みをしたと認め、反省した上でFacebookアカウントを削除したとのこと。
・ 「結果的に今日現在残っていただいた選手としては諏訪魔選手が明確に残るという発言をして頂きましたけど、これはね、私と諏訪魔選手も出会って半年程度なものですから、人間関係ができたから残ったという判断だとは私は思っていません。どちらかというと諏訪魔選手の場合はジャイアント馬場さんから続く全日本プロレスという看板の重み、ベルトの重み、歴史の重み伝統の重み、それを一番理解している理解者なので彼は残るという判断をしていただいたんだと思います」
・ 現時点で全日本と武藤派への分裂が避けられない流れとなったが、全日本への残留については「何人残るか分からない。今後選手1人ひとりに事業計画をちゃんと話をして、全日本プロレスを守っていきたいという選手だけに残ってほしい。看板の重みより武藤さんへの感謝の気持ちが強い方は武藤さんの方に合流されても仕方がない」と白石社長。
・ 6・30両国大会までにはある程度残留する選手は発表出来るだろうとのこと。
■諏訪魔
・ 「自分はこの状況でありますが、全日本プロレスに残る決断をしました。ここまで俺を育ててくれた武藤さん、内田(雅之元社長)さんには感謝の言葉しかありません。でも僕は全日本プロレスが好きで、全日本プロレスに入団したので、その全日本プロレスを裏切ることは出来ません」。
・ 「次武藤さんに会う時はもっと立派なレスラーになって最高の笑顔で挨拶したいなと思っています」。
・ 「自分自身も先は見えない。全日本プロレスという看板はこれまでも何度も分裂したりといった危機が訪れたけども、俺は何回も再生していく不思議に力に懸けてみたい! どうなっていくか本当に分からないけども、1人でも全日本プロレスをやっていきたいという強い思いでいます!」。
・ このタイミングで残留を宣言したのは、6月16日から始まるシリーズの前にハッキリさせて、プロレスに集中したいからだと説明。「次のシリーズ、今まで頑張ってきた仲間と別れる恐れがあるので、そこはすごい複雑ですね」
・ 「他の選手ですか?僕が全日本プロレスに残るということは、口頭であったり電話であったり、そういう形で伝えています」
・ 「(どういう反応でした?)まあ複雑な感じです。まあ受け止めてくれるだけにしか俺はそこまでしかわからない」
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諏訪魔が試合に集中するため、誰よりも早く全日残留宣言。この姿勢にはグッとくる! もちろん、武藤からの“卒業”でもあるんだろうし、自らのファイトへの自信だったり、全日本プロレス愛だったりもするんでしょう。
週プロが「大量離脱、再び!?」と書き、ミルホンが「団体規模の旗揚げの意志はない(多くて7~8人のプロダクション)」とした武藤の新団体構想。ここにきて、武藤が「皆で新団体に行こう」「お前、廃業すんのか?」と発言したことを拠り所にすると大量離脱構想の線が濃くなってきた。
元々その路線だったのか、シフトチェンジしたのかはわからない。伝えられたコメント(武藤は「戻ってくる」とも)からは、いちど白石全日本を潰してから買い戻すとの意志も見え隠れする。だけれども、しんどいことがわかっている団体経営にまた武藤が乗り出すなんてことがあるのかという気もする。スポンサーも難しいだろうし。
どう分裂するかの全体像はまだ見えず。リアルに、選手は様子見中のようだ。
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