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2017.05.04

危険技をめぐるレスラーズの主張おさらい。そしてオカダ・カズチカ魂の叫び「プロレスラーは超人です」を考える

 超満員札止めとなった新日本プロレス5・3福岡大会。個人ファンブロガーへのリツイート・いいねとしては多めであり、ファンの琴線に触れたのだろう。こちら試合後のオカダ・カズチカの決意表明をツイートで取り上げた。

 全文はこちらで確認を。
・ 第9試合 濵かつ Presents レスリングどんたく 2017 5月3日(水)17:00 福岡・福岡国際センター
・ 「世界中が見たがっているらしいぞ?」試合後、オカダがケニーを次期挑戦者に指名!!

 言い回しは違えど、4・29別府大会では高橋ヒロムも昨今の議論への見解を打ち出している。
・ 第7試合 レスリング豊の国 2017 4月29日(土)17:00 大分・別府ビーコンプラザ
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ヒロム「いやあ、こんな試合をしてもさ、きっと言うんだろ? 『危なすぎる』だとかさ、『危険だ』とかさ。今、なに、そういうのがはやってんの? そうやって、『危険』とかって言って、『危ない、危ない』って言って、その割にいい試合しようとかっていう、そういうのがはやってんのか? 何だか知らないけどさ、俺たちは新日本プロレスで闘ってるレスラーだよ。な? ここまで来るのによ、何千回も、何万回も受け身とってんだよ。俺は、あえてもう1回言わせてもらうよ。(※ゆっくりと上体を起こしながら)俺たちはプロレスを愛してる。俺たちと同じぐらい、お前らもプロレスを愛してるんだったら、俺たちの闘い、もっと楽しまなきゃ損だぜ。俺の言ってる意味わかるか? 心の底から叫んで、暴れろ。そして、楽しめ。じゃなきゃ、心の底から、人のこと応援できねえだろ? 心の底から、人のこと愛せねえだろ? 俺たちのこと、もっと愛してくれよ」
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 3月に本間朋晃、4月に柴田勝頼が試合直後の救急搬送からの長期欠場という事態。これを受けての危険技議論は、海外をまたがり元新日本の中邑真輔をも巻き込んだ。
・ 4/24(月) 14:00 事故相次ぐプロレス界 ブレーキを踏むときか (デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース
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 中邑真輔は先日に行われた日本のメディアとの合同電話インタビューで、「最近の日本のスタイルというかトレンドというか、危険な技の応酬で、立て続けに重傷者が出てきている。各レスラーが危険な技、リスクを顧みない試合の構成についてもう一度考える時期なんじゃないかと思う」と、日本のプロレス界が危険な傾向にあると指摘し、自制の必要性を唱えたのだ。

 その危険な傾向を象徴するような試合が、1月4日の新日本プロレス・東京ドーム大会で王者オカダにケニー・オメガが挑戦したIWGPヘビー級選手権試合ではないだろうか。46分を超える激闘は両者が終始エンジン全開。大技やアクロバティックな空中殺法が飛び交い、オカダがオメガを高々と放り上げてリング下の机へ落とす、目を疑うような場面もあった。死力を尽くした戦いには心を打たれたが、危険と隣り合わせのような激しい攻防の連続には恐怖すら感じた。

 中邑の発言の後、新日本プロレスの永田裕志にも考えを聞いた。今年でデビュー25年を迎える大ベテランも「このところ、いい試合、壮絶な試合と言われるものが、そのような傾向になりつつある。いい例が1月4日のオカダとケニー。あの試合はすばらしいと思う。ただ、あれを目指してはダメ。あの試合は世界的にも話題になっているけど、違うととらえてほしい」と語り、中邑と同意見だった。

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 危険技という指摘については、ケニー・オメガが柴田欠場よりも前に言及している。
・ 2017.3.24「俺の試合が危険すぎる? なんの危険性もないよ。なぜなら俺は世界一のプロレスラーだから」スマホサイトでケニー・オメガにロングインタビュー!!(第2回)
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・ あの試合(1・4オカダvs.ケニー)のスタイルを簡単にマネしようとはしないほうがいい。なぜなら、ニュージャパンでベストなアスリート、俺とオカダだからできたことなんだ。もし、俺たちの試合を超えようとするならば、かなり危険なことを覚悟しなくてはいけない。絶対ケガするだろうし、命の危険もあるかもしれない。だからマネをするんじゃなく、自分のやり方で“自分の歴史”を作った方がいい。

・ 俺は世界中に向けて、まだ見たことのない“新しいプロレス”を見せたいんだ。そして、もっと新しいプロレスファンを作りたい。たとえばいまはプロレスに興味がなく、ハリウッドムービーやロックが好きなファン、ゲームが好きな層にもアピールできるような新しいプロレスを。

・ (棚橋選手は1.4「オカダvs.ケニーはあまり好きじゃない」という発言をしています。「トゥーマッチ」であり、そして「自分がやってきたプロレスのスタイルに戻したい」と主張しています)まあ、彼がそう言いたくなる気持ちは俺にもわかる。でも、俺にしてみればあの試合のすべての動きは、自分にとっては何の危険性もない。なぜなら俺は世界で一番のプロレスラーたからね(ニヤリ)。

・ 要するにタナハシはそれしかできないからだろ。ほとんどのニュージャパンの選手たちも、俺にしてみれば古い。一方で新しいスタイルの若い選手も増えている。ヤングバックスはもちろん、オカダやナイトウ、マイケル・エルガン…。彼らは身体も強く、さまざまな新しいアイディアを持っている。きっと彼らも、自分の手で“ニュー・ヒストリー”を作りたいと思っているはずだ。

・ だからこそ、オフィスには今後のメインカードはなるべく俺に任せてほしい。タナハシがSNSやポッドキャストで俺の試合に否定的な発言をするのはべつに構わない。でも、ニュージャパンがドントン大きくなっているのは、いまやタナハシの功績だけではないんだ。

・ 去年の『G1 CLIMAX』では俺とエルガンの試合(7・30愛知)がベストバウトになると思っていた。でも、オオサカでオカダvs.イシイ(石井智宏)の試合(8・6大阪)を観て、正直「チクショー!負けた!」と思ったんだ。だからこそ、両国のナイトウとの試合(8・13両国)では、あの試合を絶対に超えたいと思った。

・ レスラーであるならば、そういうアティチュード(姿勢)をもってプロレスをやったほうがいい。あと、俺がもう一つ言いたいのは、ケニー・オメガはそれだけ危険と言われる試合を連発して、ケガをしたか? 俺は2016年1月にヘビーに転向してから、ケガなくここまで大きな成功を収めることができた。まあ、周りは俺の試合に対して「危なすぎる」と言ってくるけど、ここ10年くらい、大きなケガはしていないんだ。

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 レスラー主張の分布を大きく整理すると、中邑と永田が危険技増に疑問符。オカダとヒロムが(超人であり受け身習得した)プロレスラーを信じろとの主張であり、ケニーは自身含む新世代のレスラーだからできるとの主張となる。

 何に取り組んでいかなければならないのか。
・ オカダvs柴田をワープロ編集班はどう料理した!? 関東地区テレ朝15日(土)26時放映 回復祈願で生視聴&シバタコールをご一緒に プロレス-格闘技 カクトウログ
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 こういう表現を当ブログではあまり使わないが、あえて区分を明らかにするような言い回しで整理する。プロレスは「試合」であると同時に、「格闘芸術」であり「ファイティングオペラ」である。すなわち、相手を仕留める格闘技術と表現技術の両立が問われるところに、業界として引き続き取り組んでいかなければならない。
 特に公式に言われているわけではないが、昭和プロレスの一部にあった頭から落とすフィニッシュからの脱皮の象徴が、棚橋弘至のハイフライフロー、中邑のボマイェ(現キンシャサ)、オカダのレインメーカーとなろう。プロレス冬の時代に、説得力を持たせながら選手・ファンがプロレス業界を中長期的に共有していく方法を模索し、その真っただ中にいた中邑だからこその発言の重みが感じられる。

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 目先の闘いと興行の構築のために危険技を投入しているが、中長期的にレスラーの肉体を壊してしまっていては破綻する。だからこそ棚橋弘至や中邑は危険技に頼らないプロレスを完成させてきた。どこからのレベルが“危険技に頼らない”なのかの判定は個々あるだろうし、他選手よりも抜きん出ていると主張するケニーの存在というのは議論をややこしくするところはある。ただ、頭から突っ込むシーンが多発するかつての全日本プロレスでの四天王プロレスとの対比が、ベテランファンにとってのモノサシになっているところはある。

 仕掛ける選手の方が肉体を壊す技の再考もあるだろう。マットに膝を打ちつけるハイフライフローをフィニッシュのままにしている棚橋は、選手生命を縮めていないか心配になる。これまで武藤敬司がムーンサルトプレスからシャイニングウィザードに、内藤哲也がスターダストプレスからデスティーノにフィニッシュをチェンジした。

 どちらかと言うと、棚橋や中邑と肩を並べていた頃のオカダは、AJスタイルズを含めて“危険な技を使わない”プロレスを構築していた側ではなかろうか。現在は、ギリギリの受け身で危険技を受け切る内藤や危険技を代名詞とするケニーらとトップ戦線を形成。なかなか舵取りが難しい立場になってしまった。そんな中での「プロレスラーは超人です」発言は、改めて新日本プロレスを再構築していく決意表明に他ならないとボクは思っている。

 オカダと新日本が構築していくプロレスを見守っていきたい。手放しでプロレスラーを信じてしまうと心の保険がきかないため、ボクらは「ちゃんとこれからのプロレスを考えているの?」という前向きな疑問をミックスしてプロレスに向かっていくことになる。プチ鹿島氏がよく言う半信半疑、半分信じて半分疑うポジションというのと同じことかもしれない。こういう視点は何に対して向かう際にも必要であり、特にこだわりのある対象にはことさらだ。

 ケニーとの試合は特別というダブルスタンダードで臨むのか、全体的な試合スタイルを見直していくのか。帰着点はまだわからないし、オカダひとりで結論が出せるものでもない。レスラーズと会社でこれからのプロレスについての議論を重ねることになるだろう。だから「プロレスラーは超人です」なのだ。この言葉にボクは、単に強い肉体を持っているということではなく、人間は考えて改善ができる生き物なんだという意味を込めて受け止めている。超人なのだからやってくれると信じている。

 一方で、選手のコンディション維持への取り組みは会社サイドの課題となるだろう。G1日程で軽微な改善はあったが、まだまだ向上させる余地はある。
・ 柴田勝頼、意識しっかりで会話も可能、良好な経過/選手のためにできることとは? 新日本が今年のG1日程・開催地を改善 プロレス-格闘技 カクトウログ

 新日本による複数タイトル確立は、興行ごとに主役を変えるという新鮮さに直結し、トップ選手にとっての緩急にもつないでいる。ベルト乱立への異論にもめげずにここまでの世界観をつくってきたのは新日本の功績だと捉えられる。再構築へのアプローチ法はいろいろあるだろう。

 メディカル面での改善も、確実に進んでいる点はある。会社サイドにはどんどん発信してほしいと思う。


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