海外メディアは猪木vsアリの物語が大好き!? メイウェザーvsマクレガー決定で41年ぶりに話題に
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現地時間14日、元ボクシング5階級世界王者フロイド・メイウェザーとUFC(総合格闘技)2階級王者コナー・マクレガーの対戦が決定した。8月26日にラスベガスにて、ボクシングルールで行われる。
49戦無敗のメイウェザーは約2年ぶり復帰。両陣営に1億ドル(約100億円)のファイトマネーが支払われ、メディアPVやスポンサー料は6億600万ドル(約666億6000万円)に達すると『ESPN』が伝えている。
このジャンルを超えた対決決定にあわせて、複数の海外メディアがアントニオ猪木vs.モハメド・アリ(1976年6月・日本武道館)を41年ぶりにクローズアップしているという。
(写真はDVDでよみがえる闘いのワンダーランド『燃えろ!新日本プロレス』至高の名勝負コレクション|集英社より)
・ アリ対猪木がメイウェザー対マクレガー決定で41年ぶりに海外で再注目 (THE PAGE) - Yahoo!ニュース
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【英国の「メイル・オンライン」】
・ 「悪名高き『世紀の一戦』アリ対猪木戦から学べ!と、アリ対猪木戦と比較して、メイウェザーが試合内容次第では、これまでの評価を落とすリスクをあることを指摘した。
・ 当時34歳のアリが当初、アメリカンプロレスのようにショーとして演出されたエキジビションマッチを予想して日本へ行くと猪木が真剣に異種格闘技戦の「世紀の一戦」に向け準備をしていて、リハーサルも予定されず、アリ陣営がパニックに陥り、あわてて猪木のキックは片ひざ状態でなければならないなど、グローブを着用しない猪木が、ほぼ何も攻撃のできない厳格な異種格闘技ルールが作られた経緯を説明。
・ 「15ラウンドの道化芝居が、世界中で約14億人の前で行われた」と、ほぼ見せ場のないまま15ラウンド引き分けに終わった試合を厳しく表現し、観客が怒ってチケットの払い戻しを求めたことなどを伝え「ドローで2人のプライドが少なからず保たれた」と書いた。
・ 記事は「アリ対猪木戦と違い、今回は通常のボクシングルールで行われるが、アリのような偉大なるボクサーでさえ、違った2つの格闘技の戦いは、永久に、その評価を傷つける可能性があったことに気をつけなければならない」と、警告して結んだ。今回の試合も凡戦となり、これまでパッキャオやデラホーヤなど数多くの名ボクサーを打ち破り、無敗で引退したメイウェザーの経歴に傷がつく危険があることを示唆したのだ。
【英国系の「イブニングスタンダード」】
・ 「アリは日本人レスラーとの試合で足を痛めたが、メイウェザーはマクレガーに負けるわけがいかない」とのタイトルで、メイウェザー対マクレガー戦を41年前のアリ対猪木戦に重ねた。同紙はアリが猪木に足を徹底して蹴られたことで、専属トレーナだったアンジェロ・ダンディが「足を切断しなければならないほどの重症だった」と語るほど、深刻なダメージを受けて、以降のボクサー人生で、蝶のように舞うフットワークを見せられなかったことを強調した。
・ この記事でも同じく「アリが自分で好きなような結果に操作できるエキジビジョンマッチだと思って試合を決めたら」、猪木が真剣にトレーニングを行っていて公開スパーリングでの肩への跳び蹴りを見たアリ陣営がルール変更を要求し、ハイキックや掴むなどのプロレス技をすべて禁じたことや、一方の猪木が、金属板をシューズに入れていたなどの当時のエピソードを掘り起こした(金属板を入れたことは、のちに猪木陣営が否定している)。
・ 試合は、「猪木が64度のキックを浴びせた間に、アリは5発のパンチしか見舞わなかったが、ドローに終わり、猪木が激怒したが、のちに2人は友人となり、アメリカでのアリの結婚式に猪木が招待された」とまとめられた。
・ 41年前のアリ対猪木戦に重ね「ラスベガスのブックメーカーはドローに期待していない。しかし、世界中の誰もがお金をかけて、興行主たちも含め、誰もが儲けることになるだろう。1976年のアリ対猪木戦がそうだったように」と、今回のビッグマッチに皮肉をこめた。
【米のボクシング専門サイトの「ボクシングシーン・ドットコム」】
・ 「アリ対猪木戦の記憶を思いださせる」とのタイトルを打って、アリ対猪木戦がどんな試合だったかを伝えることをメインに、アリがこの試合で足を怪我するリスクを負ったことを紹介した。
・ 「怯える猪木はアリの足を蹴ろうとリングに寝そべったまま大部分の時間を消化して15ラウンドを戦ったあげくに、そのつまらない試合はドローとなった」と、試合を表現。アリがボクシングの試合がないオフを利用して600万ドル(当時のレートで約18億円)を手にするために行ったのかもしれないが、その後、試合で受けた足へのダメージから、血栓症を患うなど、ボクサー生命に大きな影響を与えたことが説明された。
・ 作家のトーマス・ハウザーが書いたアリの自伝から猪木戦に関する部分を引用。アリのプロモーターだったボブ・アラムが「悪夢の中でも極めつけの悪夢だった」と回想していることや、アリの専属医だったパチェコが「猪木と戦うのは馬鹿な行為だった」などのコメントが紹介され、いかにアリにとってリスクのある試合だったかを伝えた。
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主張しているものがあるとしたら、ファイトマネーを得る反面で「凡戦や引き分けになることで選手としての評価を落とす」「怪我をするリスクをかかえる」可能性に関する警鐘といったところになる。ただ、今回はボクシングルールマッチであるから、猪木に足を蹴られ続けたアリのようなリスクはない。
それよりも、THE PAGEのまとめからは、少なくとも英国2メディアの記事の趣旨が“エキシビションと思ってて来日したアリに、猪木が真剣勝負を仕掛けた”という試合背景にスポットを当てることにあったと感じた。海外メディアはこの物語が大好き!?
記事にあるような「エキシビションだと思って来日したら、猪木の公開練習での蹴りにアリ側がパニックになった」というのは定説化している。されど、猪木戦来日前のアリの証言テープには「ボクサーじゃない猪木は打たれるような賭けに出ず、床に寝転がり、レスラーじゃない俺も、レスリングの蹴りを食らったりしない」というくだりがあり、あらかじめ試合のアウトラインが想定されていたと見る向きもある。
あわてて立てられたとされる猪木のアリキック戦法についても、アリ戦の2か月前に新日本プロレス姫路大会の控室で猪木が練習していた様子を元ファイト井上譲二氏が目撃している。
日本マット界最大のミステリーともいえる猪木vs.アリは実に検証のしがいがあるともいえるのだ。
関連。
・ アントニオ猪木vsモハメド・アリ40周年~視聴者を揺るがした4オンスグローブ説はどこから来たのか プロレス-格闘技 カクトウログ
・ 猪木アリ検証で巌流島ブロマガ(田中正志氏)が反応「カクトウログさんが『4オンスは間違い』の指摘を発表された。確かにである」 プロレス-格闘技 カクトウログ
41年経っても触れられる世紀の猪木vs.アリ。肝心な試合こそ当時は罵声を浴びたものの、アリはファイトマネーを手にし、猪木は“アリと戦った男”というステイタスを得た。メイウェザーvs.マクレガーは後世にどんな物語を残すのか。実に楽しみだ。
なお、海外での“アリvs.猪木本”が日本でも発売となる。
▼new! アリ対猪木――アメリカから見た世界格闘史の特異点
6月23日発売!世界最高峰の舞台、UFCを産み落とした「禁断の果実」 歴史的一戦の裏側に迫る米国発のノンフィクション!! 読みごたえ充分の360ページです。序文はバス・ルッテン!柳澤健氏推薦!!「1976年のモハメド・アリ」とも言うべき作品だと思う
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>> アントニオ猪木対モハメド・アリ - Wikipedia
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