両国国技館G1最終戦に「Takeover」の旋律、4か月ぶりにリングインした柴田勝頼「生きてます! 以上!」
13日の新日本プロレス両国国技館大会は、G1クライマックス最終戦。その第5試合終了後に、ビジョンで恒例の1・4東京ドーム大会開催が発表された。そろそろ休憩モードという空気の中で、その旋律がいきなり流れる。
入場テーマ曲「Takeover」・・・えっ、柴田勝頼か、柴田が入ってくるのか。おー!との歓声に続いて大シバタコール。いきなりのことに、実況の野上アナがディレクターに「このまま喋っていい?(マイクつながっている?)」というような確認をしている。
花道からゆっくりと、しかししっかりした足取りで歩を進めてくる柴田。髪は短め。
リングに駆け上がるとロープを背にエプロンに立ち、観客席を見渡す。
プロレスに取り憑かれたはずなのに、リングがこんなにも遠いなんて。万感の思いでリングイン。
リングインすると、ロープの感触を確かめるように1度寄りかかって自らの体を軽くリバウンドさせる。さらに歩を進める。
黒の「Takeover」Tシャツ、黒のハーフパンツで、、、
、、、後ろ受け身!!!
仰向けでマットの感触を確かめた後に、スクッと上半身を起こすとアグラになる。体に染みついたムーブ。そのあとに戦士からはかけ離れた笑みを一瞬浮かべる。
シバタコール合唱。両手で顔を覆う柴田。
マットに手をついて立ち上がる際に気合いを入れている! 立つと、リングアナからマイクを取り上げた。ここでテーマ曲がフェードアウト。
下を向き、両手を自身の膝にやってしばらく動かない。
意を決したように顔を上げ、まわりをまた見渡し、目頭を少し押さえ、マイクスイッチインを確認するいつものトントン。今度はこみあげてくるものをこらえるように鼻を押さえる。シバタコール。
リング中央で一礼。左手を胸に当て、気持ちを落ち着かせるようにシバタコールをしばらく聞く。マイクスイッチ再確認でフッと息をマイクに吹きかける。少し目を閉じ、頷き、発声に備えてなのか少しマイクなしで口ずさむ。
顔を少し下に向けてマイク「生きてます!」
観客オー。すこしまた観客席を見渡した柴田。
「以上!」
マイク叩きつけ。テーマ曲が再開、すると柴田は四方に礼。
あの日にかなわなかった“シッカリと自分の脚で控室に帰る”をやり遂げる!
どれだけ見えているのかはわからないが、入場時には手を払いのけるようなアクションもあり、退場時にはエントランスの上のファンに手を振ったように見えた柴田。目線は見たい方向をしっかり見据えているように見えた。
バックステージで柴田はコメントを出している。
・ ローソンチケット Presents G1 CLIMAX 27 8月13日(日)15:00 東京・両国国技館(試合結果)
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■柴田勝頼のバックステージコメント
「え~っと……。(しばし考えて)。そうっすね。大丈夫か? と聞かれると、なんて答えていいかわかんないんすけど。あの~……。ま、生きてます。春の両国で、倒れてから、まだ控室に帰る途中で倒れてしまったんで。今日は、シッカリと自分の脚で控室に帰ろうかなと。まず、そこから。前を向いて、一歩一歩。時間はかかると思います、ハイ。ただ……、やれることを最善を尽くして、全力で、闘っていきたいと思います。いま、言えることはこのぐらいしかありませんが。また、シッカリしたかたちで会えるようにがんばります。以上ッ! ありがとうございました!」
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言えることはこのぐらいしかありません? いやいや十分だよ。柴田が自分の目でまわりを見て、自分の足で歩を進め、ロープとマットの感触を確認した。そして、いつもと変わらない声を出した。
生きてますしか言えなかったのだろうし、「以上」も本音中の本音だろう。だけれども、柴田がこんなにもしっかりと生きていることを確認できた最高の登場シーン。そう、何というか、「生きている」ことではなく「しっかりと生きている」ことをボクらは確認できたのだ。
ここまでの道のり。
・ 週刊 柴田勝頼
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4月9日の両国国技館大会でのオカダ・カズチカ戦直後に倒れ、救急搬送された柴田勝頼。そのまま「硬膜下血腫」との診断で手術を受け、手術で外した一部の頭蓋骨を戻す再手術を5月2日に行った。抜糸を経て5月下旬に退院、眼の状態が良くないため強い電流を流して脳と眼に刺激を与える特殊な治療に集中している。
6月の日記では新たに、自身の症状名が「同名半盲」であることを明かした。両眼ともに右半分が見えていない。聞いた方が絶望的になるということで、この症状をファンに伝えることを柴田は避けていた。あえて明かしたのは、治ることが難しいと医者に言われているにもかかわらず若干の視界の広がりを得たからだという。
7月に入ってからは、強い電流を流す治療のダメージが続くものの「頭や顔の腫れもだいぶひいてきたので、見た目も普通の人間っぽくなってまいりました」とした。「人と会って話をする、飯を食う」機会もあったんだという。
8月2日更新の日記では、電気治療の痛みに耐えてきたここまでの2か月を経て「電気の治療はかなり効果的」「リハビリと治療の段階がもう一段階上がった」「回復具合にお医者さんも若干驚いた」と報告した。ファンから寄せられた多くの「同名半盲」情報に感謝しつつ、Takeover Tシャツの評判の良さを喜ぶ一面も。
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座席に目をやると、「Takeover」Tシャツで4人が揃えた観戦仲間の升席もあった。出場しなくとも、あちらこちらに柴田を求めるようにTシャツが見られたし、「THE WRESTLER」タオルを振る観客もいた。ボクも「Takeover」Tシャツだったが、トイレに行く途中で内藤Tシャツのファンから「感動しました、よかったですね!」と握手を求められた。みんな柴田を待っていた。
欠場後も続いた闘いには敬意しかない。そして・・・柴田選手、おかえりなさい!
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